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カテゴリ:青年マンガ他
『3月のライオン(4)』羽海野チカ ますます劇画調になっていく3月のライオン、久々に新刊! と思ったら表紙が怖いんですけど。なにこのひとだれ? と3巻の内容をすっかり忘れていたので、3巻から読み直す。 この作品はプロ棋士という厳しい精神性の世界と、下町のあったかいおせっかい一家とのコントラストが絶妙で、3巻のお正月のシーンなんて、大人数が苦手な自分ですらちょっと憧れる「ちゃんとしたお正月」だった。そして今回もやられたよ「おいなりさん」に。この3姉妹は可愛くって大好き。おねいちゃんはきょ乳だし、真ん中もスレてないし、ももちゃんなんてもう食べてしまいたいくらい可愛いよ。はあはあ。 今回は対局シーンが多くて、私なんて将棋指さなくなって長いので、もう棋譜だけでは場面が展開できないけど(もともと弱くて、ゲームの将棋ですら負けるけど)、頭の中が現代語なので、ほほう、プロ棋士だって現代っ子なんだなと結構笑い転げながら読むことができる。そしてどう指すかでそのキャラの性格を表現する面白さは久々に味わったな。 能條さんの「月下の棋士」は緊張感を強いられっぱなしだったけど、この作品は対局している以外は(そして主人公以外は)割と悩みなくはっちゃけているのがいい。将棋連盟のトップ(会長)があんなにお茶目でいいのかというのはともかく、若いキャラもそれなりのA級棋士も、ちゃんと常識が通用しそうなところが好印象。こういう特殊な世界を扱う作品って、とかくバイアスかかりがちだからさ。 で、やっと研究会に入って人と交わることを覚えた零くんは、少しは他者とのコミュニケーションが図れる少年になっているようで安心した。 そして、二階堂君の兄弟子(兄者、と呼ぶのがかわいい)の島田八段、ストレート負けにするなんて、容赦ないわ羽海野さん。あんなにバックグラウンドを丁寧に描いておきながら、結局故郷に錦を飾らせないなんてすごいSだわ。 でも多分、超えられない力の差というものをちゃんと描くには、必要なんだと思う。「月下の棋士」の時代ならさ、島田八段は絶対血を吐いて緊急入院とかしちゃうよね。この巻では大丈夫だったけど、そろそろ危ないかも。 毎回思うんだが、零君、掃除と洗濯はどうしてんの? 人間って生きてるだけで部屋も身体も汚れて来るんだよ。将棋のことしか頭にない18歳に一人暮らしは無理だろうとずっと思ってるんだけど。 今回出てきた宗谷という棋士のモデルは羽生名人?なんかまたすごいのが登場した感たっぷりで、先が楽しみだわ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.04.11 21:09:19
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