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テーマ:徒然日記(22682)
カテゴリ:いろいろ
現在、禁煙週間の最中である。自分が、じゃなくて世界的に。
あまり知られていないが5月31日はWHOが制定した世界禁煙デーなんである。知られてないのはメディアにあまり報道する気がないからだろう(笑)。でも密かに23年も前から続いていて、関係省庁は広報ポスターをつくったりと、結構な予算を割いている。 で、31日は国立がんセンターで「ジェンダーとたばこ」というテーマで地味~にフォーラムか行われていて、取材に行って記事も書いちゃったからもういいよね、とブログでもそのハナシをする。 なんでジェンダーかというと、今回は女性の喫煙および受動喫煙がもたらす妊婦と胎児への影響が主テーマで、それは女性に禁煙しろというのと同時に、パートナーも禁煙しろってことだ。「なぜ大人の女性、若い女性がたばこを吸うのか」については、タバコ会社のマーケティングが要因、という切り口は面白かった。だって、たばこはかつては「男らしさの象徴」(マールボロのCMとかね)だったんだもんね。それがいつのまにか、「女性解放の象徴」となった。これはたばこ企業の陰謀ね。 私自身もかつて喫煙していた時期もあったし、飲み会の席で同席者が吸うのは容認するくらいには受動喫煙には寛容だ。もはや妊娠出産の予定もないしね。だって、喫煙者は肺がんやCOPDのリスクが高いことを承知で吸ってるんだから、別にいいのよ。まあ、実はニコチンは高血圧にも糖尿病にも脳血管障害にも影響するんだけどね。そして女性喫煙者の肺がん罹患率は、非喫煙者の4倍とか、結構すごい数字なんだけどね。それでも好きな人は止められないんだから、とやかくは言わない。 でも、フォーラムでもらった資料のなかにWHOのリポートがくっついて、喫煙を社会経済学的アプローチで調査分析した論文なんだけど、その表現の容赦のなさがすごかった。人口問題研究所とかのレポートもそうだけど、なかなか挑発的というかカンにさわる側面を刺激していて、こんなの正直に日本でメディアが紹介したら相当反発くうんだろうな、というものだった。 いわく「妊娠中喫煙を続ける女性は、低学歴・無職・低社会経済状態であることが多い」、「喫煙者の男性をパートナーにもつ女性の胎児は、出生後、乳幼児突然死症候群、身体的発育遅延、小児がん、気管支炎、中耳炎、呼吸機能低下をもたらす」。WHOの調査だから全世界的な傾向だろうし、データも揃っているから言えるんだろうけど、なんかねえ、もうちょっとこう、オブラートに包めよ、と日本人メンタリティとしては思うわけだ。 海外の禁煙運動と日本のそれの温度差というか、お国柄の違いは禁煙デー告知ポスターにも現れていて、欧米は直接的、日本はきれいごと。 ファッション雑誌から抜け出たような美女が気管切開チューブをつけていたり、ほかにもスーパーモデルが糖尿病性壊疽で脚が腐っていたり、口唇がんで醜いタラコクチビルになっていたりする。日本人にはなかなか伝わりにくい。これなんて、ずっとわかりやすいけど、日本じゃNGになるんだろうなあ。 思えば欧米の公共施設禁煙は早かった。連中、分煙なんて生ぬるいことはしないから、90年ころのニューヨークでも、すでにちゃんとしたレストランは全席禁煙で、喫煙者は狭いスモーキングルームにすし詰めになっていた。まだまだそこいらじゅうにタバコのポスターが貼られていた時期だったけど。まあアメリカの大都市部のホワイトカラーは健康オタクだからな、多分地方に行けばまた違っただろう。 日本の健康政策を推進する厚労省は(この期間は)省内のタバコの自販機を一時停止にしますとか、生ぬるいキャンペーンをやっていた。でも、いち早く飲食店を含めた公共施設での禁煙条例を施行した神奈川県の松沢知事によれば「JTとたばこ農家の利権をすべて握っている財務省ががん」というわけで、日本の禁煙は国の金庫番が禁煙反対論者な限り、「国の政策」にはならないことがわかった(そもそもなんで農水省じゃないのか不思議。専売公社の名残だからか?)。 ところで神奈川は今年、海水浴場も全面禁煙にするそうだけど、どうやってチェックするのかお手並み拝見だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.05 00:27:20
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