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カテゴリ:BL小説
『ロマンチック ウルフ』たけうちりうと イングランドを舞台に、美術品窃盗団というか、盗まれた美術品を元に戻す仕事をしている一団のキーパーソンで、もともとは貴族の出の攻と、美術本専門の図書館司書の受と、日本からやってきた留学生の3人が織りなすドタバタアドベンチャーコメディだった。立派なジュヴナイル小説だ。小学校の頃読んだジュヴナイル版のルパンもこんな感じじゃなかったかなあ。 二人のイギリス人のラブが通奏低音に流れているところが唯一BLっぽい。 善人な市井の人を巻き込んでの、事件にならない違法行為だけど、愛に一本気な司書くんがひたすら恋人を心配する話だが、最初、ワイルドな攻が「ウルフ」なんだと思っていたら、ウルフは司書のほうで、なるほど、時に凶暴に噛み付き、ボスには忠実、というところがウルフなのか。 たけうちさん、イギリス滞在の経験でもあるのか、田舎の風景とか、ミドルクラス以上の人々の日常生活とか、かなりリアルで細かく書いていて面白かった。古きよき時代のイギリスに憧れる少女たちがよろこびそうなブランドもたくさん登場していた。ティプトリーとかF&Mとかウォーカーズのショートブレッドとか。まあこれは作者のリップサービスだろうけど、私もイギリスフリークだった過去があるので、懐かしい気分だった。 二人の間に突如現れる天然(社会不適応)日本人留学生は、他のたけうち作品でも出てこなかった? なんか見覚えがあるなあ。彼が発明した蛇型探査ロボットが、プロフェッショナル集団のアイドルになっているところがよかったわ。ああいうの、私も欲しいかも(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.30 16:37:03
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