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カテゴリ:少女マンガ系
ああ、将軍がどんどん男前になっていく。各巻ごとにクライマックスを設定しながら、まだ全体の構成が見えてなかったけど、7巻に至って、やっと根本に立ち返った。つまり吉宗が「女が将軍になる今の体制ってそもそもヘンじゃね?」って気づいちゃった(笑)。よしなが版大奥の前提が、男だけが罹る伝染病によって男女の人口比がとんでもないことになるところから始まっているので、病気が治っちゃったらこのお話も終わる(はず)。多分開国前には。 なので、男女比のアンバランスさに吉宗が気づいたあたりで全体の構造が見えてきた。そろそろクライマックスだよね。吉宗の代ですべてが解決できるとは思わないけど、吉宗以降はもうグズグズで将軍より幕臣のほうが出来がいいから、あとは為政者としての将軍を描くんじゃなくて、ジェンダーのお話になりそうだな。 「江戸時代は女性が治めていた」この物語では、ある意味ものすごく進んだ社会を、過去のものとして描くところに妙味があるけど、やはり諸外国の脅威を感じ始めたら(ドンパチ始まるから)、女性の力ではいかんともしがたい、ということにやっと吉宗が気づいた。さて、あと何巻続くだろう。 今回、またも前巻のストーリーなんて忘れていたから6巻から読み直したけど、家宣の側室となる月光院の背負っている業の深さはすさまじいものがあったけど(なにしろ母親との間に子どもがいる)、全体に初期の頃の、業を背負った男たちが少なくなっているのは残念。その代わりに将軍も家老も、一人の将軍に命を賭けた吉保や間部詮房のような老中の生き様が光る。 江戸の通史にはとんと疎いので、相変わらずどこまでが史実をなぞっていてどこまでがフィクションなのか不明だけど、五代将軍の懐刀だった柳沢吉保が退場し、今度は白石が出てきた。いよいよ国学者の登場だね。儒学ー国学ラインは詳しいぞ(笑)。願わくば後期になったらぜひ異端児・平田篤胤を出して欲しいものだ。 しかし、受賞歴がすごいなあ。今回オーラスともいえる小学館の賞までとったから、よしながさんはそのうち勲章もらっちゃうレベルの(元)BL漫画家さんになっちゃうなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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