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テーマ:食べ物あれこれ(49627)
カテゴリ:日々是食欲
2年近く月1で通っていた九段会館が、震災の影響で廃業しちゃったので、そこでやっていた某財団法人のセミナーも別の場所での開催となった。この団体はとっくに内閣府の仕分け対象になっていて、ものすごく経費が削られたらしく、無駄に金のかかる九段会館から、自分たちの入っている古いビル内の暗いホールでのセミナーとなった。クラシックな装いが好きだった九段会館が今はなにもかも懐かしい。
で、今回の場所に行く途中には虎の門砂場があるのよね。おやじのオアシス。蕎麦好きにとっては外せない場所。蕎麦の名店は結構行っているはずだが、実は虎の門砂場は初めて。 砂場は、赤坂砂場には何度も行ったことがある。大昔だが。20代のころ、赤坂にある某商社のハウスエージェンシーで仕事していたんだが、そこのボスが蕎麦好きで、週に3回はランチが赤坂砂場だった。当時だって3分で食べ終わる品の良すぎるもりそば(要するに量が少ない)が1000円くらいしていたが、そこで私は生まれて初めて「あられそば」を食べたのだった。もしかしたら鴨南蛮もこの店で食べたのが最初だったかも。 で、当時もあられそばは1600円したのよね。小娘にとっては高いそばに感じたが、いつもボスのおごりだったわ。そういう時代。ついでにバブルっぽい懐かしい話をすると、学生時代、読売新聞でバイトしていたんだが、総務の部長にやけに気に入られてよくランチに連れて行ってもらった(イロコイに非ず。シュミ話が共通していた)。その店が、昼から琴の生演奏をしている割烹料理屋とか、4000円のうな重とか、ホテルのレストランとかそんなんばっかだった。思えば私の口がおごっているのは、実家が料理屋だったばかりでなく、当時の分不相応なランチのせいでもある。しかも部長席には、読響とジャイアンツの結構いい席が毎回配られていて、私は読響はいつもタダで聴きに行っていた。ありがたかったが、どう考えてもおかしな時代だった。 話をもとに戻す。 で、赤坂砂場がいまもあるかは知らないけど、虎の門砂場は、ビジネス街の中でそこだけ取り残されたような古い建造物のまま今も建っている。もしかして重要文化財指定とかなのか? 砂場じゃないけど神保町にもほぼ同じような古い木造家屋二階建ての角地に建つ蕎麦屋があるな。古いほうが価値があるのか。 で、中も古いまんまで椅子なんてキィキィいうし、もう40年くらい時間が止まっているかんじだが、中はやはりシニア層を中心としたビジネスマンと、老夫婦でいっぱいだった。 あられそばは1700円。四半世紀だって100円しか上がっていないということは、当時がいかに高かったかということだよね。これは天あられ。なんてことはない、あられに見立てた小柱を揚げてある。こっちのほうが腹持ちしそうだったからね。 汁そばではなく、つゆをかけまわしていただくそばだった。細くて上品なそばは更科系だが、なんの感慨もないな。そばを味わうには細すぎるし、汁に負けているわ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.01.29 23:38:58
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