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日々是徒然

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BL小説

2013.01.30
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カテゴリ:BL小説
6,7年楽しませてもらったBLは、量的にはかなりシュリンクしたけど、相変わらず何人かの作家さんの新刊は読んでいる。

今、どれを読んでも自分に合っていると思うのは、一穂ミチさん。一連の朝日新聞と思われる新聞社の社員との元義兄弟もの(そう、高村さんの刑事と判事の義兄弟ものを彷彿とさせる!)はよかったな~。そこからのスピンオフも、おっさんばっかりでいい。国会の速記者の話も面白かった。地方の科学系博物館のキュレーターの話とか、どれも職業が特殊でツボだ。

国会速記者は、大昔に働いていた広告代理店で仲の良かった女性が、「自分は高卒だから手に職つけるために速記の養成所に入る」という理由で退職したのを覚えている。司法だったか立法だったか覚えていないけど、国の機関で仕事していたはずだけど、需要はやはり激減しているよね。社会保障審議会に行くと、記録係はちゃんといるけど、あれはPCを使って速記しているのかな?今度よく見てみよう。

玄上八絹さんも概ね面白い。あと、このブログにコメントくださった方からのおススメだった凪良ゆうさんも、文体や突飛なエピソードで泣かせるところがツボ。幽霊になってもラブラブの陶芸家と画家の話はよかった。パン屋で働く無口な男のお話も、平凡なつくりだと、そのねじまがった性格だけでNGなのに、嫌悪感を抱かせずに読ませてしまうところはすごい。

一方で、新刊が出るたび全部読んでいたけど、申し訳ないが飽きちゃった作家さんもいる。水原さんは乾いた文体が好きだったけど、何分にも登場する受側がみんな同じタイプで、しかも自分が苦手なうじうじくんが続いたので、しばらくお休み。
水壬さんも、安易なシリーズ化ばかりで、新書にしては軽い感じのものが続いたので、ちょっとお休み。でも読むとさらーっと読めて、ひっかかりがないところが好きなんだけどね。

月村さんも、ちょっと食傷気味かな。今読んでいるカメラマンと大学生の話は面白いけど、ちょっと子供っぽすぎる男子のときは、途中で投げ出さないようにするのに必死になる。

木原さんは、あんまり最近出てないのかな? 新書の積読が3作くらいあるけど、へヴィーだと思うと手がでなくなった。文句なく自分に合っている作家さんなんだけど、その時の心身の状況で受け付けないときもある。榎田さんは、絶版になっていた泣けるBLが最近、復刊されているのかな? すっかり大御所になっちゃったのね。でも最近読んでないわ~。

というわけで、BL小説は月に5~10冊くらいと、本当に数が減った。代わりに何を読んでいるかというと、苦手な部分の補強ということで、経済本とか(笑)。どんな事象も経済学の枠組みで読み解くとか、歴史と近い部分もあるけど、なんかヘンすぎて新鮮。
最近、国の制度設計にかかわっている経済学者の話を聞く機会があって、ちょっと刺激を受けたりもしたり。今のかわいそうな20代がまっとうな社会保障を享受するには、団塊世代以降を海に流してしまえばいいとか、講演会で平気で言ったりする。当のご本人も団塊世代なのだが。人口構成比から未来予測をするのはパズルのようで面白い。経産省の役人は来ていたけど、厚労省の役人が効いたら噴飯ものだろう(でもある意味真実なんだけどさ)。

仕事辞めたい病は、今は小康状態を保っている感じ。職種は同じでも中身は変えていかなくてはならないことを受け入れなくては、と自分を変える努力をしている最中。なかなか難しいけどね。1月のまとめ、おわり。






Last updated  2013.01.30 22:57:43
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2012.01.15
カテゴリ:BL小説


高遠さんの徳間から初文庫作品。なんかかなり真面目なミステリー仕立てになっていて、クライムサスペンスまではいかないけど、警察内部の事情(県警と警視庁の縄張りとか)、警官の階級とか、結果を残すので放し飼いにされているアウトローな刑事とか、いつかどこかで読んだデジャビュ感はあるけど、BLというラノベであることを忘れて読みふけった。

なにしろ主人公の刑事の名前は加納さんだった。これはもう高村作品へのオマージュ以外なんであろう!というのは妄想かもしれないけど。義兄弟いないしね。

でも、なんつうかクロスバイク(説明なしでも今の若者はすぐに理解するわけね。なるほど…)で通勤していて、海外生活の長かったモダンなばあちゃんと元町あたりで暮らしている(このヘンが少女向け設定)。どんだけお坊ちゃまなんだと思いきや、機動隊上がりで柔道有段者のたぶんマッチョ。でもさわやかさん(笑)。男臭さに徹しきれない迷いが作者のなかにあるんだよねえ。だってBLだし。

最初、だれがだれとカップルなのか(になるのか)全然わかんなくて。だって花屋の青年と美形の元モデルはデキてたし、まさか蟒蛇の流さんとくっつくはずはないしと思っていたら、一方的に待つ身の花屋青年がさみしさに耐えかねて刑事に恋してた。おいおい容疑者リストにはまだ載ってないけど、彼は事件に絡んでいるんだよね?

そしていいところで「続く」となって残念。なんか本格(というか普通の警察小説)に擬態したBLだな。複数の視点(といっても2人だけど)から書かれているし、頭の悪い人間が出てこない話は私は大好物。倦んだBLリーダーは(私も含めて)きっとこういうのを望んでいるような気がする。

でもメインの二人じゃなくてどうしても流さんが気になるのは仕方がないなあ。
それにしても、ヒーロー刑事さん、金沢育ちで優雅なばあちゃんとの生活で県警エリート道まっしぐらっぽくて、かなりな王子様キャラだな。告白シーンもなんかお上品だし。流さんの番犬にしろ、ありえない品の良さ。

とか思っていたら、今日WOWOWでやっていた英国クライムサスペンスに、流&加納コンビそっくりの刑事ペアが出てきて笑った。あまりに強引で道に外れた捜査をする刑事は、妻へのDVで階段から転げ落ちて死んじゃったけどね。






Last updated  2012.01.15 21:52:43
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2011.11.29
カテゴリ:BL小説


キャラ文庫の水原さんはややおとなしめのはずだけど、この作品は最初からがっつり3人だったわ。でもちょっと前に読んだ『神迎え』同様の、主体性のない受がダメだったわ。どうして同じような性格のキャラが続くかな。

でもお話は兄弟話だった『神迎え』と異なり、生きていることにすら自信がなさそうなダブル受くんが、タイプの異なる二人のオレサマに愛されちゃってる話だ。最初は痛々しい一方的な乱暴で関係し、その後、代わりばんこに受くんを慰み者にして早や10年。愛しているといっても、かなり乱暴に一方的に好きにしているだけで、受くんはまるきり人形みたいな扱い。これはないなー。受くんはあほかと。SMっぽいのは、Mでも精神が強ければオーケーなんだけど、別にそっちの嗜好はないみたいだし。自分がないキャラクタは苦手だなあ。

何考えてんだこの受!というのは私がこういうタイプが理解できないからで、読んでいるうちに、嫌悪のインジケータは下がってくる。それは、攻二人が肩や大会社の経営者でいい嫁をもらわなくてはならず、こなた未来の大学教授の研究者で、これまた教授の娘かなんかとの縁談話があり、これを機に自分は身を引こうと思ったりしていて、流されるままなんだけど、一応受なりにいろいろ考えていることがわかったから。

なんか、あんまり仲もよくないけど、高校時代からの友人と秘密の宝物(生もの=受)を共有している秘密クラブの乗りだな。でも水原さんの作品だと思うと刺激が足りず、こういうウジウジ受くんはもうおなかいっぱいとも思う。

今年はちょっと水原作品はこれで打ち止めにしよう。結局新刊2冊スルーするのかな。たまには世の中の評判を聞いてから買うのもいいかと。






Last updated  2011.11.29 07:28:01
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2011.11.28
カテゴリ:BL小説


完全に専業作家さんになったのか、すごい頻度で作品が発行されている。
高くなっている。お願いだから質は落とさないで~。

今回は二人ともがっつりリーマンものだったけど、商社の砂糖部門というマニアックな部署に所属しているのが気に入った(笑)。10歳くらい年の離れた二人(商社マン×大学生)が北海道で偶然の出会いをして、その日のうちになぜか商社マンが若いもんに手を出して、そのまま別れるという出会いをして10年。

その間、商社マンは長いこと海外勤務で日本を離れていて、浦島太郎になって本社復帰したら、部下にあの時の大学生がいた、という設定。すごい偶然と思いきや、運命の出会いと感じた大学生はその後、わずかな手がかりから一期一会の商社マンの会社を突き止めて入社し、最初全然別の部署に配属されたけど、わざわざ異動を申請し、一夜を共にした(あれ?ショートだったかも)男性の帰りを待つという、なんか貞淑な妻のような慎ましやかさ(笑)。ところがなぜかこの受くん、究極のツンデレで好きなくせにつれないの。

いやなかなか面白かったわ。今やベンチャー企業のお偉いさんとなった脇の攻の元同僚とか、スヴァールバル(ここが植物版ノアの方舟のあるとこだった)の話とか、紋別空港とか流氷ツアーとかの過疎化した極北の観光地とかの設定がどれも魅力的。

時間が10年単位で前後するんだけど、最初の転換が実にうまくてうならされる。ところが、こっちの注意力が欠けていたせいかもしれないけど、後半の攻の回顧シーンから現在に戻るところのつなぎで「あれ?」と混乱するところがあって、たぶん基本的に10数年前と攻の思いは変わっていないからつながって見えちゃったのかも。

一見冷めてる受が、以前の部署の取引先が不渡り出しそうになっているのを救おうと東奔西走するところとか、それを救う神がいるところとかは、現実というより奇跡的な美談だけど、要は決裁権と資金力の問題なんだろうなあ。ベンチャーだったら日常茶飯な出来事かもしれない。代替エネルギーのこともよく調べてあって、些細なエピソードの小道具にするにはもったいないわ。

イラストはどうにもオッサン描くのに慣れていないのか、こなれていなくてつらかった。でも久しぶりに一穂さんで堪能したわ。そしたらもう次の新刊が出ていた(笑)。






Last updated  2011.11.28 21:01:05
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2011.11.14
カテゴリ:BL小説


キャラ文庫では人外担当の水壬さん初の和もの人外(笑)。あれ? 吸血鬼の話は日本が舞台じゃなかったっけ? あ、木原さんと混ざってる?

ところで偶然にも水原さん同様、これも神社がからんでいる。あ、それとももしかして今宗教ブームなの? 少女漫画のほうで神社・教会・寺の息子がツルんでいる話とか、新書館で仏教実録もの(実家が寺で兄が住職の漫画家)の漫画を読んだけど、別におもしろくはないんだよね。仏教はまだ宗派によって大分違うから描き甲斐があるけど、超能力や人外が登場しない神社ものは退屈だ。安倍晴明一人でもうおなか一杯。

というわけで、水壬さん、がんばったんだろうけど、やっぱり出てくるキャラに感情移入できなかった。オオカミの化身とかウサギの化身とか、カメさんとか、それぞれに十二支だか神獣なんだかの特殊能力ありそうなキャラが出てきておもしろいんだけど、「Wings」にはそんなのの漫画がワンさと掲載されていて、やっぱりビジュアルあるほうがおもしろいと思うわけよ。こういう「特殊能力で悪を退治」系ってさ。動きとスピードとビジュアルエフェクトは、文字で読むより絵で見るほうが快感だ。単に想像力が低下しているだけの話なんだが。

で、もしかしてこれもシリーズ化するのかしら。水壬さんのお約束で、なにやらうさんくさくも魅力的なオヤジや、強くて魅力的な女性が出てくるあたりは好感がもてるけど、「あら、エチーシーンってあったっけ?」てぐらい印象に残らないし、突拍子のなさが弱い(笑)。作家さんも、私なんかにこんなコテンパンにいいがかりつけられてかわいそうだな。でも水壬さんは好きだから、いつも過度に期待しちゃうんだよね。
ところでこれもシリーズ化しちゃうの?






Last updated  2011.11.14 21:34:37
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2011.11.12
カテゴリ:BL小説


大体、年の後半にまとめて5,6冊本を出す水原さん。同じ月に異なる版元から2冊出るなんてこともよくある。もう何年もこのパターンね。

そして、水原作品を読み始めた当初は、古臭い昭和テイストが好きだったんだけど、さすがに最近飽きてきた。この作品もこってり昭和で、受けさんはドMでド演歌で、ちょっと頭弱いんじゃないかってほど受け身でものを考えない。高卒の役場勤務で、10年近く仕事しているのに雑用って、どんなバカ? 自分の意思のない人間は顔がよくても魅力ないわあ。
でも地元で代々続く神社の息子(養子)だから、社会も受け入れていて、ああもうこういう頭弱そうな受けは勘弁してほしいわ。

目新しいのはヤクザ×神職という組み合わせかな。神職といっても通信教育で勉強中の身で(東京都下のはずれに神社があって、都内に暮らしているのに、なぜ大阪で受講しているのか謎。だって渋谷に神社本庁があるじゃない! そのとなりには関東唯一の神職養成大学もあるのに)、どんな勉強するのかとか詳しくは描かれない(作者が調べていない)。

せめてこの受になにか霊感めいた能力が備わっていたらよかったのに。待っているだけの日陰の花って、女でもいいじゃんって話だ。

兄ちゃんも謎だ。血のつながらない弟に恋心を抱いたからって、育ての親を裏切って家を出るって理解不能。そして10数年で組の跡取りにまでなるって、どんな出世? 
どうも力抜きすぎの作品。やっぱり自分好みじゃない弱っちいキャラだと言葉がキツくなるわ。






Last updated  2011.11.14 21:30:20
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2011.09.23
カテゴリ:BL小説


これ、読んでみたかったんだよね。10年以上前の作品だけど。
文庫で再刊されると知って、しばらくして本屋に行ったら売り切れていて、そのまま忘れていたけど、なるべく本は手にとって中身を確かめてから(まあマンガは無理だけど)購入したいので、ネット購入もガマンしているうちに半年経っちゃった。

それにしても、以前の版も今市子さんのイラストでよかったけど、再販に当たってそれ以上のイラストレーターというと、やっぱり難しいよね。で、たどりついたのが山田さん。なるほど。
いいなあ山田章博さんの表紙。昔むかし、女学生の友(ジョトモ)という雑誌があって、少女漫画では物足りなくなった思春期の女子が、ちょっと背伸びして読むというイメージの雑誌で、コバルト文庫がまだ無かった頃に、そういう嗜好の女の子たちの需要を充たしてた(と思う)。山田さんの絵柄は、生々しさが皆無で、それほど耽美にも傾かず、もし現在ジョトモがあったら、きっと似合う絵柄だと思うんだよね。まあ勝手な想像だけど。
私はマセた友達(というか先輩)が多かったので、ジョトモに載っていた富島健夫(「おさな妻」の人ね)の小説なんかを小学生の頃に読んだりしていたけど、当時のジョトモにイラストがついていたかは覚えていない。でも、まだ男性=王子様的な幻想を抱いていた子どもには、山田さんくらいのイラストは十分大人のテイストを感じたと思うわ。

さてかわいさん。そうかあ。これはやっぱりジュネだわね。かなり文学臭濃度の高い耽美小説だわ。
京都の歴史ある国立大学(ってひとつしかないけど、ま、あくまでフィクションだから)の、昭和初期だかそれ以前から建つ古いふるい学生寮が舞台。こういう歴史と伝統はあるけど古くて汚くてプライバシーがない、という諸刃の刃みたいな設定って、さすがに21世紀には需要がない気がするけど、無頼派とか太宰とかにかぶれてる文学少女ならとびつく設定。私も20年前なら大好物だった。

そしてそこに住まう血統よろしき美青年。霊験新かな三諸大社のあととりだけど、家に反発して物理かなんかを専攻する院生。このキャラはまあ、ファンタジーだよね。いかに美しいかを表現する形容詞群がさすがにちょっとはずかしい。白いくるぶしとかさ。で、相手は白いくるぶしフェチなんだ(笑)。

先輩・後輩の順列を尊ぶ旧制高校の名残か、同じ学部でもないのに、ありえない美青年に恋した2歳年下の後輩は、世間知らずで自分の身の回りすら構うことができないこの浮世離れした美しい先輩の世話をかいがいしく焼きながら、自分のものにするチャンスをうかがっているんだけど、対応がずっと敬語でさー。ここがいかにも身分の違いを表しているみたいでちょっと違和感あったなあ。深窓の令嬢に恋する奉公人みたいで。で、それをちゃんと同じ寮の魑魅魍魎たちは察していて「春琴抄ですかな」とかいう。古すぎて若い読者には理解不能なたとえだ。

尻の毛まで抜かれる賭け麻雀とか、伽の様子を録音されるとか、ちょっと今なら公序良俗的にかけないかもしれない(だって、フィクションだって京大だってわかっているからさ)、無頼な寮生の生活と、この穢れ無きお坊ちゃまに共通点が無さ過ぎる。掃き溜めに鶴をリアルに描きたかったのかもしれない。
でも、この美青年は生活感覚もゼロで、想像を絶する汚部屋に平気で住んでいる。本来なら虫がわいたりカビが生えたり、衛生上の問題が先に来るはずだ。きっと攻には臭覚がない。そして受には産毛(きっとプラチナブロンド)しか生えてない。そういうところがお耽美。

終わり方が唐突で、合体シーンはなんかぼやけていてはっきりしなくて、この時代のお耽美小説なら、三田菱子さんのなんとか池が好きだったので、そこまで幻想的ではなく、でも二人のキャラは十分現実離れしていて、周囲は時間が止まっていて、いろいろ混乱させられた。






Last updated  2011.09.25 18:43:53
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2011.09.10
カテゴリ:BL小説


小さな子どもが出てくるBLは基本的に馴染まないんだけど、これまでにもいくつか例外はあって、今回も、やんちゃと慎重という正反対の性格の双子ちゃん(9歳くらい?)がいなくては成り立たない話だった。

主人公はやる気のないパン屋のマスターで、双子の義理の父。産みの母は現在所在不明。成り行きで自分がやっていくことになったパン屋だけど、技術もなければやる気もなくて、業務用の冷凍のタネをオーブンに放り込むだけ。店は汚いし、店でタバコは吸うし出、私だったらそんなパン屋やだ。

そこに、高校のときの同級生が、プロのパン屋(ホテルのベーカリーで7年くらい修行して、独立したい)になってやってくる。で、この人のよさそうなパン屋が、実はやる気の無いパン屋のことが好きだった、というお話。

ダメ親父パン屋がさ、すっごく卑屈な性格でさ、最初読んでてイライラしたんだよね。
親の過度の期待に応えられず、高校受験で失敗して以来、ずっと転落の人生。「どうせどうせどうせ」という、諦めの人生。私も大概後ろ向きな人間だけど、ここまでひどくない。
こいつのダメなところを自分のダメさを人のせいにしてるとこあな。なのに、すぐに相手を疑い、自分すら信じられなくなっている。

でも、絶縁状態だった父が歩み寄ってきたあたりから雲向きが変わってくる。いいなと思ったのは、デキるパン屋のほうが、ダメなやつを改心させようとかはげまそうとか思ってなくて、ひたすら真摯に愚直に自分の仕事に打ち込むところを見せるという、昔の父親の理想像みたいな「行動で示す」タイプだったことろ。

そんな彼を見ていて、ダメダメだったほうも、自分にできることからやっていこうという気になっていく。まあひとつは双子のための生活費を稼ぐという切羽詰った事情もあるけど。
途中、双子の一方が小火騒ぎを起こしたり、二人して家出したりという、ファミリードラマのようなエピソードがあって大団円となる。

別にBLじゃないくてもいいようなストーリーだけど(最近、いつも同じような感想もっちゃうなあ……)、男同士の「友情」だけでは、ここまで親身になれないってことなんだろう。
ひとつだけ許せなかったのが、双子の母親。電話の向うに登場したきりで相変わらず子どもより自分の人生が優先な人で、こういう「母性」の欠落した人(自分がそうだからよくわかる)は子どもつくっちゃいけないと思うんだよ。それでも子どもは育っちゃうところがまた不思議なんだけどね。

ところで、製パン用語がいろいろでてきて、街の小さなパン屋さんの仕組みが少しわかって面白かった。パンはそんなに好きじゃないけど、作る過程はなんだって好きだ。






Last updated  2011.09.10 22:57:03
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2011.09.07
カテゴリ:BL小説


今回は攻視点のお話で、どうやら去年読んだ、居酒屋(?)のスタッフと美容師の話で、居酒屋スタッフに絡んでいた大人のリーマンが主人公らしい。でもどんな話だったか、ほとんど覚えていないんだよね。それぐらい平凡なお話だったような。

で、一流企業で福利厚生が完璧で、すごい社屋で仕事しているエリートさんという、環境設定の見事さばかりが際立って、人物像が浮いている。だって完璧すぎてつまんない。

毎週毎週、都内のシティホテルで愛し合うだけの経済力のある完璧なサラリーマンというのが、細部をなおざりにしない作家さんにしては、ありえなくて笑える。イマドキの若い読者さん向けの造形だろうか。

ハンカチがきっかけというのは、「もしもし、ハンカチおとしましたよ」という超古典的知り合うきっかけづくりのようで大笑いしたけど、それが自分のもの(しかも大昔のもの)だったり、それを10年くらい経った今でも後生大事に持ち歩いている受け、というのがちょっと気持ち悪い。はっきり言おう。思いっきり引くわ。

華道の家元の次男とか、たいそうな設定なのに、信じられないほどなにもない部屋に住んでいて、不器用すぎてお茶しか淹れられず、海老すら自分でむけない。……これは、頭はいいけど、行動障害とか、なにか大きな脳の欠陥のような気がするなあ。仕事もできる人なんだから、とっくに治療なり克服する術を考えていてしかるべきなのに、いとしいダーリンが目の前で仕事しているからなにもかもが上の空だったんだろうか。玄上さんの作品だと思うと、ほんとうに残念。この人にはやっぱり爆発とか暗殺とか流血とか大怪我とか、そういう命がけの愛を書いてほしいと思うのだった。

今回はイラストも、硬くて動きがなくて全然魅力がなかったな。大人な課長がイラストではまるきり大人に見えないし、「いい男」のはずの眼鏡男子も、もやしっ子で全然イケてない。玄上さんといえば竹美家ららさん、と自分のなかでカップリングができちゃっているので、大人のリーマン話にするならせめて円陣さんくらいつかってくれ。






Last updated  2011.09.10 23:16:49
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2011.08.26
カテゴリ:BL小説


8月上旬には読み終わっていたけど、本がどっか行っちゃってタイトルすら忘れちゃったので、これまで書けなかった。いかんなあこんな怠惰な読書後フォローは。

さて、いつも昭和テイストなさ工夫が自分好みだった水原さん、新刊は昭和をはるかにさかのぼって明治期の話だった。満州とか御用外国人とか第一次大戦勃発前後の混乱とか、きっちり状況を抑えているので、背景に揺らぎなく説得力はある。

でも、こういう白人ハーフで洋館に住んでいるような王子キャラは水原さんじゃなくてもいいよなあ。どうしてもチャイニーズがまじっているイメージだし。でもまあ、水原さんらしく、きっちりヘンタイさんだったりはしたからまあいいけど(笑)。

主人公(受)は、貿易商だった父が事故死、そして母を相次いでなくし、財産もなくし、おぼっちゃから一転、身よりも金もない身の上となり、横浜で貿易を営む攻の屋敷で働くことになる。
このかわいそうな受は、実は身寄りのない自分を引き取ってくれ「おじさま」と慕った腹黒貿易商(死の商人)のヘンタイプレイから逃げてきていたというあたりがファンタジー。

受を女っぽいキャラにしすぎず、頭のいい子にして、それがちゃんと役にたっているところが他の同系のBLとは違うところだけど、この元おぼっちゃんもさ、もう少しうまく立ち回ればいいものを、人の良さと育ちの良さが邪魔して、うまく立ち回れていない。IQ高くても社会性が欠如しているとこういうことになるという戒めを解いた本(笑)。






Last updated  2011.08.28 16:08:19
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