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音楽全般

2016.06.21
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テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
■なぜ南米でプログレが
The O2でのアーサー2016が無事終わったようだ。長男がツイッタ―に簡単な状況と写真を載せている。その前に、春頃録音していたスタジオ盤のお披露目パーティがあって、懐かしい面々(アシュリー、女性ヴォーカリスト、デイブ・コルクホーンら)の顔も確認できた。
1日限りの久々のビッグステージ、リックが大好きなビッグステージでの高揚感が得られるだろう。何しろO2は2万人近く入る。当然DVDで発売されるだろうな。スタジオ録音盤とセットでお願いしたいものだ。
終わったら、南米ツアーやるんだろうな。90年代後半くらいから、リックのシンフォロックはなぜか南米で火がついて、毎年のようにコンサートやっている。契約書の条項に「マント着用のこと」とあり、どうやら70年代のリックのイメージがいまだに温存(?)されているようだ。

アルゼンチンかどこかで、15歳くらいの少年がヘンリーのCDを持ってきてリックにサインをねだってきたので「どうしてこんな古い音楽を?」とたずねたら、「1週間前に初めて聞いたので、僕にとってこれは新しい曲なんです」と言われて、なんだか感動したというエピソードがある。暑くて楽天的な国民性(よくわかんないけどおおざっぱな印象)のエリアでプログレが流行るとは思わなかったけど、リックのオケもコーラスもバンドもあれもこれも、っていう過剰性が受けているのかもしれない。実際、つべにあがっているライブとか見てると聴衆の熱狂ぶりはすごいな。リックもうれしそうにショルキーかかえて客席に降りて行って、女づれでもどってきたりしているし。

なんだろ、欧米では70年代のキーボードの魔術師が、見た目あんなに変わってしまっても受け入れ、当時と同じものを要求する国民なのか。
日本だったらおとなしく、ピアノ1台のコンサートでも聴衆は満足なのにねえ。
今回も、まあO2のあとも忙しそうだけど、あわよくば、日本にも来て、オペラの電光掲示字幕みたいなのつけて、日本人のナレーター(山寺宏一希望!)で地底探検とアーサーをやってほしい。

アーサーも地底探検も見ていると、オーケストラと合唱がいかに合わせられるかにかかっているよね。どうしてもアウフタクトをカウントするから、頭出しが遅れる。そして金管が壊滅的にへたくそ。まあ一流のオーケストラを使えるわけではないからなあ。でもあの程度の金管だったら、シンセで打ち込みやったほうがマシだと思うんだよねえ。

それより、久しぶりに見た笑顔のオリバーがすごく老けてて驚いた。一瞬、え、オリバー?・・・だよね?と疑ったくらい。法令線がくっきりしてきたのは、最近の練習風景でも気になっていたけど、笑うと目じりがグンと下がって長~いシワが現われる。無精ひげもあって、なんか小汚いおっさん風。いかん、いかんよオリバー。あの中途半端な髪の長さもいかん。まあね、さすがに40を過ぎると、超ロングは見苦しくなってくるんだよね。女性もそうだけど。でも今の長さだと、リックのほうが長いんじゃないの?
オリバーは2002年に正式に結婚。2000年ころにはワイフとして写真も掲載しているけど。奥さんの名前はLisa。ブロンドの知的な美人。子どももいるような話は書いているけど、よくわからない。結婚14年目か。なんだかアダムに比べていろいろ不遇っぽいけど、ウェイクマン家の血統で唯一「気品」を感じされる人なんだから、頑張ってほしいものだ(そして彼の音楽はほとんど凡庸)。

■地底探検 in メルボルン 1975
75年2月のメルボルンでの「地底探検」ライブDVDを見た。
リックが日本人をディスっているといういわくつきの悪名高いライブ。笹川さんの、あんまり役に立たない、でも面白いライナーがついていた。
この一件でリックは日本で相当評判を落としている。未だに某掲示板ではリック嫌いの理由としてこの件を持ち出している人もいる。イエスを出たり入ったりしてイエスの成長を妨げた(?)戦犯という声まで。
まあ、それは随分勝手な思い込みだと思うけどね。

最新のDVDではその部分が削られているという書き込みをネット上で見たけど、2006年発売のDVDではしっかり字幕でも紹介されている。でもディスっているわけじゃなくて、「日本語はRとLを区別しない言語だから苦労した」と、日本語の特性を理解したうえで、パフォーマンスにかかわる苦労話をしているだけだった。そこでリックもやめときゃいいのに、ついリップサービスで「英語を話す国に来てうれしい」を2回言っているし、日本人のコーラスだとこのフレーズがこうなっちゃうんだと真似してみせる。これはいかんね。前にもリックは自分のソロコンサートのMCで日本語マネてみせているけど全然似てないですから!ネガティブな人なら前者は「英語を話さない国には行きたくない」、後者は「欧米人からは滑稽に見える変な言語」ってことになるだろうし。

そもそもあの時期、あの段階で、いきなり極東まで来たのがすごいよね。41年前だよ。すでにイエスで1回来ているとはいえ、オケとコーラスを現地調達して、東京・大阪・名古屋で計7回って、多すぎだろう!チケットちゃんと売れたのかなあ。
地底探検自体、日本人にそれほどなじみのあるお話じゃないし、ナレーションは英語だったんだよねえ。
ああいうスタイルだと、どうしても朗読付きの音楽劇を想起させるけど、ステージでは誰も演技しない。ひたすら演奏しているだけ。今ならリックの要塞をアップにして大型スクリーンに移したりと、もっとかっこいい演出ができるのかもしれないけど、リックはあくまで音楽が主役で、5歳の頃からのお気に入りの地底探検をやりたかったんだなあ。

DVDは120分ほどあって、地底探検自体はLP1枚分だから、なにかおまけがついているんだろうと思ったら、
コンサート自体が、ヘンリーから2曲、まだアルバム発売前のアーサーから2曲弾いていた。
よくつべにも上がっている、ものすごい高い位置でのマーリンの速弾きはこのときの映像だった。あれ、自分だったら鍵盤に手がとどかないな。
リックはあの長身とあの長髪で、遠目には本当に異形で、他を圧倒する存在感なんだけど、相変わらず(というか今見ても)陶酔しながら弾く顔はちょっとアレなんだよな。
でも、指が90年頃の「神キーボード」映像よりさらに細くて長くて美しい。どうして神はこんな美しい指とピアノの技量を、あんな俗物に与えたもう他のだろうか。

■30年ぶりの同窓会
このDVD、思ったよりも画質もよく満足だけど、なによりの収穫はおまけ映像Lost Journey(失われた旅路)だった。
ぴったり30年後に当時の主要メンバー5人に集まってもらい、ツアー中にメンバーの一人(ピックフォード・ホプキンス)が8ミリで撮ったプライベート映像を見ながら当時を懐かしむという同窓会。
5人のメンバーのうち、私はリックとアシュリー・ホルト以外わからなかったけど、当時のギター、ドラムス、ツインボーカルのもう一方、ゲイリー・ピックフォード・ホプキンスだった。
日本での移動中の光景などがしっかりおさめられていて、東京駅や新幹線、車中、ホテル内での様子は珍しい。リックはほとんど映っていないけど、あの風体の連中が、当時の日本(東京)をうろうろしていたら、さぞかし目立ったことだろう。
しかも、英語の通じないアジアに来るのは、リック以外はほとんど初めてだったんじゃないのかな。
はしゃぎぶりがつたわってくるようだ。

リックは、30年前の映像を見ながら、「この人も、この人も・・・当時の人はもう5人くらい亡くなっている」とちょっと悲しそう。30年という時の流れを感じるよね。指揮者のミーシャムはひときわ年上だったから仕方がないとしても、一緒に苦楽を共にしてきたバンド仲間が鬼籍に入るのは切なく思っているだろう。さらに10年経っている今は、もっと生存者は減っている。

そして真冬の東京からメルボルンに行ったらそこは夏だから、リハーサルなんてみんな上半身裸。リックも裸でリハやっていて、あの長い髪の毛が汗でべったり背中に貼りついていて、やっぱりこれだけの長髪の管理は大変だろうなあと思う。
あとは当時はリックもすごい酒飲みだったから、ひたすらどれだけ酒を飲んでいたかと言う話だな。まあはっきり、本番前も本番中も飲んでいたらしいことをうかがわせているし(カット、とか言ってるけどまあ時効だろう)、頁数は冗談だとしても、興業契約書には酒とナッツの条項が16頁もあったとかなんとか。24本入りのビールの箱が24箱あったとか、ビールとブランデーとウィスキーとワインをがぶ飲みしてたとか。みんな強すぎる。

そうそう、ホプキンスが「日本では君が代を歌うつもりで、通訳と夜中まで練習したんだ」と言っていた。アシュリーも「そんなことあったな、思い出した」「朝の5時まで練習したのに、リックが直前になって気が変わってやめたんだ」って。リック~。合唱団のあまりの下手さにキレていたのかもしれない。

船に乗っているらしいシーンや、また出たブライアン・レーンや(彼は当時、リックのマネジャーかな)、NYCでの様子では、街のビルボード(ミック・ロンソン)に声を上げたり。
あと、リック以外のメンバーが口をそろえて言うのは、ジェイミーなんとか(英国の料理研究家)ですら15人分の料理をつくるのは大変だって言ってるのに、リックは150人をコントロールしていたとか。スタッフも入れると300人近い大所帯だったらしい。
なので、飛行機が遅れたりして1日伸びると経費がかさんで大変なことになる。
一度、エアポケットが目の前にあるけど、回避して飛んだり、引き返したりすると時間がかかって1日分余計に経費がかかるからエアポケットに突っ込んだとか、すごいエピソードがポンポン飛び出す。
みんななつかしいんだろうなあ。30年前といったら、私は社会にでて間もなく、Biz編集部で編集のイロハを習っているころだ。
あと、地底探検のロゴ入りのチャーター機の映像にリックが「信じられない!こんな映像が残っていたんだ」と本当に驚いていたり。当時は椅子の果てまで全部運んでいて、大変だったらしい。「今ならどこへ行っても椅子なんで数ドルで変えるのに」って。本当に大変だったんだろうなあ。ワグナーの歌劇を上演するためのオーケストラと歌手と合唱団と機材一式に匹敵する引っ越し公演だったんだろう。

ゲイリー・ピックフォード・ホプキンスについて調べていたら、彼はその後、フェイセズを辞めて日本に戻ってきた山内哲と日本でバンド(Tetsu & Good Times Roll Band )を組んで、日本ツアーを行って、アルバムも1枚残していた。ヴォーカル以外は日本人なので、ゲイリーは半年とか、結構長く日本にいたのかもしれない。これも妙な縁なり。
しかし彼は残念ながら、2013年にがんで亡くなってしまった。やはり山内テツとバンドを組んでいたせいで、ピックフォード・ホプキンスを知る日本人は多く、ブログにヒットする。ロッド・スチュワートばりのヴォーカルとか、ポール・ロジャースの間、とか一流とは言わないまでも、みんなほめている。当時の典型的なハードロックのヴォーカリストだったに違いない。合掌。

それにしても、どこにでも現われるなブライアン・レーン。ロイ・フリンの名まえも出ていたし、このころはイエスを脱退して、イエスはリレイヤーを発売しているころか。レーンは実はイエスよりかなり前からリックとは既知の間柄で、リックの地底探検への想いを知ったレーンは、1969年ころに「一流のミュージシャンを集めて地底探検の音楽物語をやろう」とリックにもちかけている。しかしリックは、それだとレーンが仕切ることになり自分の思い通りにできないと判断。わずか20歳くらいの若造によくもレーンもそんなホラ話をもちかけるよな。そしてリックの判断は正しい。
「自分で稼いだ金なら好きなことができるとボウイは言っていた」と、ここでもリックはD・ボウイからの教えを語って見せる。よほど印象的な経験をしたんだろうな。おかげでリックは家を抵当に入れてまでして資金を調達。チケット完売でも25万ドルの赤字となったのだった。ちゃんちゃん。

https://www.discogs.com/ja/artist/149420-Rick-Wakeman?page=7
アーティスト別のタイトルを網羅できるDISCOGでリックを検索したら、同音異種は1つとカウントしても172枚のアルバムが検索できた。もおおリック・・・






Last updated  2016.06.21 21:49:25
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2016.06.10
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
■Rick Wakeman solo in Japan
2014年、日本でのリックのソロコンサートの音源、初めて聞いた。ブートにしては、かなり音がいい。まあピアノソロということもあり、お客さんもクラシックコンサート並みにお行儀がいい。ちょうど2年前の6月、65歳のリックか。

まったく技量は衰えるどころか、指がまわってまわって仕方がないという感じだ。オリジナル版からはかなり大きく変わっている2曲のヘンリーの後半なんて、過剰なまでにプラルトリラーが入りまくる。ミーティングもリストばりに細かい装飾スケール入ってすげえええと思う。そりゃ多少は指がすべってミスタッチもするけど、調性が崩れるようなミスではないし、指の動きは依然として安定して速い。スタインウェイだろうけど、こんなにこまかく広域アルペジオが鍵盤上を駆け回るのは珍しい。大きなフレーズ間のコントラストをつけるために、ちゃんとデュナーミクも考えていて、もともと5指が完璧に独立しているから、5指で旋律、1-3指で伴奏していても、1-3指が大きく聞こえることはほとんどないもんな。

考えたら、イエスでは立ちっぱなしで弾いているから、ちゃんとすわってペダルも細かく踏み分けられる生ピアノのほうが、緻密で正確な演奏を聞かせられるのは当たり前だ。リックにとって生ピアノに座って弾くコンサートなんて、本当はちゃらいのかもしれないと思う。

リックのソロコンサートでは定番になっているビートルズの2曲、ヘルプとエリナーリグビーのアレンジ。
後者がプロコフィエフ風だということは、リックがずっと以前から公言しているし、このアレンジ自体、1990年頃からステージで披露している。リックがまだカレッジに通っていた頃にプロコフィエフのオーケストレーションを勉強し、断然好きになったらしい。

それよりヘルプである。「フランスの作曲家、サン=サーンス風(スタイル)」!原曲とはまったく異なった様相の、のったりしたリラクゼーションミュージックに変身させられたうえに過剰な音のシャワーで埋め尽くされたアレンジは、なんとサン=サーンスだった。そう言われてみれば、あのグダグダに溶けているようなハーモニーはサン=サーンスっぽいかも。

I hope you understand that~と前置きしてたけど、この「わかってくれるといいなあ」は、スタイルを感じてもらえたらいいという意味なのか、自分の言っていることが分かってもらえているといいという意味なのか判断に迷う。サン=サーンスもセルゲイプロコフィエフも、英語の発音と日本語表記は違うからなあ。

このセットリストは日本公演向けということで、UKツアーとは異なるようだけど、言葉の通じない遠い異国のファンにも受けるように、極力メジャーな曲で構成している跡がみられる。文芸三部作のメドレーを中心に、キャット・スティーブンスやボウイ、ビートルズのアレンジ、イエスの曲。その合間にオリジナル。とくに千の光のダンスはオケとコーラスのカラオケのうえにリックのキラキラスケールが載るという、本当に美しいメロディアスな音楽だった。
リックはやっぱり基本は美しいクラシカルなメロディーメーカーなんだよな。なのにロックが好きで、本当に困った人だわ。だってロックのリックはB級なんだもん。(文芸三部作除く)

■RCMとRAM
ところでRCMとRAMの違い、ちゃんと理解した。もっと早くWikiを調べればよかった。そしてリック(中退)は間違ってRAMのほうに掲載されていた。RAMのほうが核式は高く、エルトン・ジョンやアニー・レノックスが卒業しているけど、意外にもクラシックの名演奏家はRCM出身のほうが多かったりする。おそらくもともと名家の子を受け入れるのがRAMで、出てもプロにならないんだろうかと思ったり、ワーキングクラスが奨学金で来るのがRCMなのかもと思ったり。
RCMも国立の音楽大学で、前身が教師養成だったので、教職過程という実務を教えるんだろうけど、出身者を見ると全然RAMに負けていない。
HP見てたら、ニュースリリースというか定期的に発行しているPR誌の2011年にリックのインタビューが載っていた。
自分が通っていた頃とは随分変わってしまったとか、記憶にある先生たちとか。そして本にも書いてあったけど、入ってみたら真剣にプロを目指している人がたくさんいて自分の来るべき場所じゃないと思ったって。
チャイコフ先生の「もう帰ってくるな」には後日談があって、彼自身、地方のオケに奏者として誘いがって、1年後には学校を辞めていた。あれ?でも75年のTVドキュメンタリーには出てたよね。
チャイコフ先生のクラリネットの個人レッスンの詳細が面白かった。
基本、1人30分らしく、1)まず数分遅れて行く、2)先生とチャット(世間話)をする、3)おもむろに楽器を組み立てる、4)念入りにチューニングする、5)5分も吹いていると、次の学生が早めにやってくる。
というわけで、いつも5分と吹かずに終わっていたらしい。そんなに下手ではなかったと思うのに、いやだったのかなあ。まあピアノのように自由にはならなかったんだろう。
あと、オーケストラとロックの共演については示唆に富んだ発言をしていた。つまり、リックが最初にオケや合唱とロックを合体させた当時は、オーケストラはクラシック以外の音楽に対する理解がほとんどなくて、「彼らは正確に弾くけど、それじゃ正しくないんだ」と言って、ロックを理解するためにやるべきことは「それを聞くこと」なんだって。でも今はオーケストラのメンバーもいろんな音楽を理解していて態度が変わったと言ってる。やりやすくなったんだな。そりゃあね、先進国では人口は減るし、音楽のジャンルは一層細分化・多様化するし、クラシックだけでオーケストラの財政なんて維持できない時代だよね。30年くらい前から。

ところでRCMは立地がいいねえ。ロイヤルアルバートホールのまん前。感覚としては明治神宮絵画館前、みたいな感じかな。あーいや、やっぱり東京芸大と文化会館みたいな関係性かも。この一角は私の大好きな場所、V&Aや科学博物館からも近く、ハロッズも歩ける範囲だし、なにしろナイツブリッジ、サウスケンジントン、ノッティングヒルとくれば、おハイソな地域だ。最初にロンドンいった当時は、まだハロッズはアラブ資本じゃなくて、ジーンズでは入店できなかったし、1フロアまるまる乗馬用品とかだった。近くには馬場専用レーンのある広大なハイドパークがあるし、ああこれがイギリスのクラースね、とちょっと感動したものだった。
ロンドンに行くと、1日はVA行くついでにこのあたりを散策する。ハイドパークには乗馬専用レーンとかあるし、有名なスピーカーズコーナーを確認し、疲れたら東側の対面にあるグロスターホテルでお茶をする。

■初Genesis
73年のジュネシスのライブ映像を見た。ピーガブって当時からこんなコスプレやってたのか。日本では70年代前半にはジュネシスは大きく取り上げられることはなかったと思う。MLや専科での特集とかも記憶にないし、写真なんかもほとんど見た記憶がない。第一、アルバムの広告を見た記憶がない。
でも、聞いてみたら好きな音楽だった。どうしよう。このうえジュネシスまで。
方向性としては舞台上の演劇空間重視なんだろうな、ピーガブって人は。音楽を視覚まで含めた総合芸術として表現したいあたりは、リックのシンフォロックとはまたべつの意味でプログレッシブではある。でも、そのコスプレたるや、まだサイケやフラワーチルドレンを引きずっているようなファッションだし、今見るとかなり無理がある。
入ったばかりのハケットはなぜか椅子に座ってプレイしている(当時の定番スタイルだったらしい)。口ひげを蓄えてかなり落ち着いた印象。でもみんな20代前半なんだよね。フィル・コリンズだけがやっぱり浮いている。
トニー・バンクスを初めてちゃんと認識した。いい鍵盤楽器奏者だと思う。音の組み立て方がキースやリックともまた全然違う。もっと硬質で現代音楽的だ。この人はどういうバックグラウンドがあるのか興味を持って調べてみた。

ああそうか、噂では聞いたことがある、全員パブリックスクール出身のお坊ちゃん集団だった。この人もそう。12歳から全寮制の学校で、そこでピーガブと知り合う。勉強していたのは高等数学、サセックス大学では化学を勉強してたけど、後に論理学と物理に転向とある。まあ完全理系の脳みそなんだな。だから楽器の取り回しもやたら詳しい。コルグのサイトにあるバンクスのページでも60歳くらいのトニーが、オアシスのワークステーションを楽々使いこなしていることが紹介されていた。もともとテクノロジーに強い人なんだな。地底探検を100回以上読んできた読書好きのリックとは、まったくかぶるところがない個性だ。

今世紀に入ってからは、ナクソスからアルバム出しているということは、やっぱりクラシックに回帰しちゃったか。音楽的な影響としては、ピアノはラフマニノフ、ラヴェル、オーケストラはマーラー、ショスタコーヴィチ、ホルスト、V・ウィリアムズなど、たくさんの名前が挙がっている。プログレの人は、まずミュージシャン自身がクラシック好きだよな。ジョン・アンダーソンも相当好きっぽいし、師匠もクラシック曲はソロでたくさん弾いている。アランも幼いころはクラシック聞いてたとか言ってたし、クリスは聖歌隊員だったし。






Last updated  2016.06.10 22:26:21
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2016.05.29
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
YESオフィシャルFBにあがっていたリックのバースディコメントに添えられていた写真がひどすぎる・・・。
最近のリックはわりとちゃんとしたスーツ姿でのソロか、Tシャツにコートジャケット姿でステージに上がることが多く、ケープを身にまとうことはほとんどない。
契約条項に明記されている南米とか、2009年のヘンリーのようなオケ+コーラス隊も含めた大掛かりなコンサートでのみ、演出上ケープを装着するが、高齢になって動きが鈍くなっている今、ケープはむしろじゃまだろうと思える。

今回載ってた写真は、イエス初期に装着していたような、全身金ラメのゴージャスなもので、樽のようなボディスを包み隠すには有効だが、振り向きざまのその表情が、まるで「自分がどこにいるかわからなくなった認知症の人」のような不安げな顔なのが痛々しい。どうしてこんなことになってしまったのか。あのキラキラケープはさ、プラチナブロンドのロングヘアとセットなんだよね。だから今のリックには似合っていない。

リックはもうすこしプレス向けの画像を入念にチェックすべきだ。でも欧米のコンサートではスマホ類での撮影を禁じていないようで、ライブ会場では多くの人がスマホを掲げて動画や写真を撮影しているようだから、一般オーディエンスの撮ったものまではチェックしきれないよね。

ここ最近(3月ごろ)のスタジオでの様子がFBでみられるけど、さすがに毛髪量が減ってデコは後退しているが、あのゴージャスなプラチナブロンドはそのまま、後頭部もまだしっかり髪の毛があるので、ちょっと安心。アランやスティーブ・ハウは30代後半からどんどんたいへんなことになったことを思えば、リックは毛髪に関しては健闘していると言える。というかいくつになってもお盛んなリックは、そっちの方を元気にするためには結構なんでもやっていそう。見た目の老化より男性機能優先でいろいろ努力していたら、植毛や増毛なんてしなくても、髪の毛も維持されるのかもしれない。まあ一説には男性ホルモン過多だと頭はハゲるらしいから、リックは逆なのかも。体毛は金色なのよくわからないけど、胸毛はうっすらという感じだったな。

Say Yesには、ロザリンとの離婚の話や1年足らずで終わった2人目(マウンテンスタジオの秘書だった女性)と別れることになった顛末が書いてあった。ロザリンとのことは、アーサーオンアイスで借金まみれになって家も抵当に入って文無しになってたところに「イエスのレコーディングに参加しないか」とブライアン・レーンから(またしても!)電話がかかってきて、スイスに行くことになったことが原因のようだ。当時、2人の間にはやっとこさ幼稚園い通い始めたオリバーとアダムがいて、教育上移住が難しかったのとロザリンが旅行をいやがったので別れたらしい。そんな理由? 多分リックは一旦覚めるとどうでもよくなってしまうタイプなんだろうな。ついてこないならもう終わりだね、みたいな。息子たちは可愛くなかったのかなあ。

2人目の女性も、スイスでの一人暮らしの無聊を慰めるためだったろうし(出会いは結婚の数年前。すぐに一緒に暮らし始めた、とある)。パイプカットをするぐらい50を越えてもお盛んなようだから、基本的に女性は切らさないタイプなんだろう。でもそこはプロテスタント信者としてのモラルはあるから、商売女じゃなくてちゃんと結婚する。でも相手にもリックにも問題があって結局別れることになる、ということを繰り返してきたのね。

家を女性に残して別れるというのは見上げた行動だけど、リックの場合、その時には財産もなくしているようなので、どこまで生活保障的な慰謝料を払っていたのかはわからないなあ。私的には、結婚を繰り返していることを自身のネタにしているところこそがリックのモラルを疑ってしまうところなんだが。もう過去のこととはいえ、未だにネタにされる女性たちはたまらんな。まあ、クラシックの演奏家にも何度も結婚している人は大勢いるので、結婚ー離婚自体は、回数はあまり問題にならないのかもしれない。

Grumpy Old Picture Show、エンドロールも入ったオフィシャルな映像を見た。23分割(トークと演奏が別々になっている)という途方もないものだったけど、1本は5~8分程度なので、少しずつ制覇した。
Picture Showの意味がやっとわかった。古い写真や作り込んだ映像(再現ビデオ風)による関係者インタビューとかが入るのね。

演奏のほうは、ジェンマ、コーラス、ERE、ゴードン・ギルトラップらとの共演。リック自身の6手(3回分重ね録り)との共演と言うのもあったな。Amazing grace以外のジェンマの歌を初めて聞いたけど、やっぱり巧いとは言えないな。リックは自分の子どもたち6人全員ミュージシャンだと言い張っているけど、そう思いたいだけなのかも。もちろん音楽的素養はあるんだろうけど、プロとして活躍できるかどうかは別だ。
あと、Starship Trooperを演奏するのはうれしいが、キーの合わないアシュリー・ホルトに無理やり歌わせるのはやめてほしい。あ、そうそう。The Other Side of~でもあったけど、観客参加型で、今回も客席の女性一人をステージに上げて、シンセのペダルを踏んでもらって、鳴っている間にピアノに移動する、というのをやっていたけど、なんとその移動中にリックの携帯にカレー屋から電話が入っていた!これは爆笑ものの演出。ちゃんとすごいインド訛りの英語になっていて、「今本番中なんだけど」「海洋演奏中でしょ」「海洋じゃないよ」とかやりとりしてた。電話が切れるや否や、マーリンの超速演奏。ふうう相変わらず指はよく回るなあ。
アーサーのメドレーではシンセからシンセへ映るところが結構毎回ヒヤヒヤものでスリリングだ。でも、音が不足することはあっても、外れたりリズムが途切れたりすることがないのはさすが。
古い写真では、11歳くらいできりりとした短髪のリックがピアノ前に座っている写真が印象的。でもこのころもう、女の子に興味津々で…とか話はじめる。
映像として登場するのは、フットボール仲間、学生時代の友人、離婚弁護士、リック自身が幼稚園児になりきってはちゃめちゃな演技をするシーンもあった。こういうのうますぎる。イエスのメンバーでは誰ひとりここまでできないだろう。

イエスの来日は本決まりのようだ。11月後半にオーチャードホールで3日間、というところまで情報公開された。2000人規模のホールだよな。今回は、いまヨーロッパを回っているドラマ+こわれものツアーでなく、夏から全米を回る海洋+ドラマツアーになるのかな。海洋はどちらもやっぱりジョンの声で聞きたいなあ。特に神の啓示の呪文部分とか、儀式のフランス語とか。ジョンDはギターも達者だから、ジョンAのように手持無沙汰になることもないだろうけど、定番の「こわれもの」「危機」は多くのトリビュートバンドも演奏しているし、ドラマはもともとジョンAじゃないからまだ受け入れられるけど、海洋はね・・・。ちょっと微妙な心境。

それにしても、2年おきに日本にやってくるって、ファンは毎回「これが最後」と思ってお布施をするんだろうけど、品質劣化するのをただ漫然と受け入れるだけになっているようなのがつらいなあ。前回3000人キャパを1000人減らしてきたことで、よもやチケット1万超えとかだったら迷うかもしれない。

遠い極東までわざわざやってきてくれるのは本当にありがたい。特に今回は、南米もオセアニアも入っていないのに、経費も時間も倍かかる日本公演を入れてくれたのは、1973年の初来日以来、日本のファンがいつも歓迎しているからにほかならないよね。どこへ言っても安心・安全な環境だし、ファンが熱くなって殺到するようなこともない。礼儀正しくおとなしい観客は、年老いたメンバーにとってはありがたいだろう。43年も経っているのに、日本ってすごいな。シンガポール公演をやったことがあるらしいけど、ちょっと前まで勢いのあった新興国である韓国や中国には寄らずに、日本だけでやってくれるのは、本当に光栄だ。クリスが最後にライブを披露した地でもあるし、師匠にとってもエイジア時代から馴染みの国だろう。ダウンズにとってもね。アランだって、クリスと同じ回数だけ来日しているんだな・・・。
ジョンDも急遽交代なったベノワの代わりに2012年に来日しているから、もう3回目。ビリーはイエスとして来日したことあるんだっけ。いずれにしても、今回こそ最後だと思ってお布施するか。もしかしたら土倉さんも一緒に来てくれるかもしれないしね。

90年代中ごろまでのリックの指は、細く長くしなやかで、見ていてうっとりするほど美しかった。
しかも2-4指がほぼ同じ長さというくらい均整がとれていて、中指の長さは黒鍵とほぼ同じ(10センチ)はありそうだった。なんと恵まれているんだろう。おそらく私の中指は彼の小指くらいだろう。

50歳を過ぎたころには身体が大きくなるのと並行して、指も太くなっていったようで、かつてのようなスリムさはなくなったけれど、指さばきは相変わらず見事の一言で、マーリンの超速弾きもなんらゆるぐことなく安定している。そして彼の「手癖」とまで言われる、あの高速モルデント、ターン、プラルトリラーの数々は音が小さくなるどころか、前後の音よりはっきりしっかり聞こえる。打鍵がしっかり鍵盤の底まで着いているのにあの速さである。

昨日、Yesyearsを見直していて、会場セッティング中のざわざわした中でのリックのインタビューで、燃える朝焼けの中間部の印象的なピアノソロを口頭で口ずさむところがあったけど、ばっちり音程が合っていた。まあ、そうだろうなとは思っていたけど、彼は絶対音感の持ち主だった。でも海外のサイトを検索してみても、perfect pitchに言及するものはあまりなくて、重要な要素ではないと思われているようだ。

ふうう。ここ1週間ばかりの間、考えていたことを一気にはきだしたけど、結局リックとイエスのことばっかりだな。
そろそろELPやフロイドも買いなおそうとは思っているんだけど、リックのソロの多彩さがすごい。ニューエイジ系でなかなかいいと思ったものが、RWCCのコメントでは「金のためにやったけど、やりたくなかった」とか平気で書いてて、いやいやリックは金で動くほうがいい仕事してるんじゃないのと思い始めた昨今だった。







Last updated  2016.05.29 23:01:01
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2016.05.21
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
つべで観たジョンロードトリビュート、ロイヤルアルバートホール、オケ付きというのはイレギュラーかと思ったら、パープルはすでにモントルージャズフェスでオケをバックに何度もコンサートをやっていた。そういう時代なのか・・・。Gaoで11年のものをフル公開していた。ジョン・ロードは亡くなっているし、オリメンでいないのはブラックモアか・・・。でもイアン・ギランがこんな顔だっていうのを拝めてよかったわ。当時はもさいカーリーヘアに隠れて顔がわからなかった。イアン・ペイスは今のほうがかっこいいなあ。あ、会場は野外じゃないくてオペラハウスっぽい。

ハードロックバンドがオケと共演って、60年代後半になるとムーディブルースとかがやってたな。イエスも2ndアルバムでオケつかっているし。でも真正面からライブでやろうとしたのはリックの地底探検やアーサー王かたりからなんだろうなあ。なんだか感慨深い。客席は老若入り混じっているな。
パープルくらい大御所になるとハードロックでもロック・クラシック枠であり、クラシックの演奏家たちもティーンの頃に聞いていたかもしれないロックに歩み寄ってバックを務める時代になったんだな。もともとロックはリズム隊の正確なリズムがあってこそのグルーヴ感なんだろうし、オケも指揮者がしっかりテンポを守っていれば、合わせること自体はそう難しくない。
ただ私の中では、冷静に演奏しないといけないアンサンブル(オーケストラ)と、アドレナリンだしまくりのロックの高揚感とは相いれないものだと思っていたんだけど、みてるとストリングものりのりでグルーヴしながら弾いている。あんな動いたら音程狂いそうだけど、そこはそれ、電気楽器の巨大PAにまぎれて少々の不安定さは見逃されそうだ。

途中でドン・エイリーのソロがあって、真面目にラフマニノフの2番コンチェルトやっていて吹いた。オケバックだからやりたかったんだろうなー。デジピで弾くチャらいラフマニノフだけど立ったままではなかなか弾けないよな。つづいてジャズのブギウギっぽいフレーズ速弾き。こっちおのほうがオーディエンスの反応がいい!そしていきなりトルコ行進曲。オケもついてくるぜ!ラストはチャイコンのフィナーレ。
うーん。前にもエイリーのソロを聞いた時、楽器配置もリックそっくりで、正統クラシックのフレーズをちりばめる人だったので驚いたけど、パープルでもこれやるんだ。・・・と生ぬるい気持ちに。音大卒だから腕はいいんだろうけど、ソロアーティストとして目立った曲がないと、結局自分のテクはこういう形(クラシック)でしか表現できないのかと思った。リックのほうが何倍もいいわ。でも、先日見たRAHでのジョン・ロードトリビュートでは見事な采配ぶりで、プロデュースもできる人なんだと思う。せっかくギター連中がラウンドアバウト仕掛けてくれたのに、乗らないリックはどうかと思ったよ。
そしてエイリー、中背中肉っぽいけどやっぱりお腹はぽっこりさんだった。

そして一人若手(といっても54年生まれ)のリードギター、スティーヴ・モーズ。音大でジャズも学んだアメリカ人。やっぱりそういうことになるんだね。助っ人的には=優秀アメリカ人。正式メンバーではないもののソロパートもあり、ちょっとラビンやビリシャーみたいな立ち位置かな。
なんかソロを聞くとプログレっぽいな。バッハっぽいバロック単旋律フレーズを延々弾いていた入りしてちょっとびっくりした。でも濁らずきれい。エレキでやるとはハウもびっくりかもね。こういうところを聞くとパープルがプログレだというのもわかる気がする。

70年代には年寄りのロッカーはいなかった。当たり前だ。そしてカリスマミュージシャンは早々にこの世からおさらばしているものだった。シド・バレットしかり、ブライアン・ジョーンズしかり。もちろんジミヘンもジャニスも。プレスリーは入れてやんないw。
だからロッカーなんて、どうせ酒やドラッグでろくな死に方してないんだろうなーとか思っていたら、イエスは現役で35周年ツアーとかやっていた。それすら12年前だと知ってのけぞった。リックの爺ぶりはつべで観ていたので知っていたから、むしろ35周年の頃はかっこいいとさえ思えた。しかし、スティーヴ・ハウとクリス・スクワイアの変貌ぶりはどうだ?
往年のロッカーが60歳を過ぎても現役を続けることがどういうことか。しかもだるい演奏は許されないプログレで。
ファンは今のイエスのつまらなさにはとっくに気づいているけれど、でも見捨てられないんだろうな。わかるよ。






Last updated  2016.05.21 22:52:14
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2016.05.16
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
リレイヤーまでとABWHで止まっている私のなかのイエス史の扉を開いて、2カ月半で現在まで追いついた。アルバムは一体何枚買ったんだろう。DVDが10種類以上、関連書籍もリックの自伝など10冊ほどにおよび、聞いていなかった時期に起こったことも概ね理解した。もう最近ではメンバーのアシスタントやエンジニアの名前まで覚えてしまったよ。
もっとも衝撃が大きかったのは、「芸人リックの大活躍」だったけど(笑)。

イエスは2カ月足らずで追いついたので、ここ1カ月ほどはリックのクロニクルをカバー中なんである。今はクリムゾンやストローブスにまで飛び火している。
もう彼はオリジナルのコンセプトアルバムを生み出す力はなくて、ひたすら過去作品のメンテナンス作業とピアノ1台の気軽な(下品な)トークと音楽の会、たまにアダムを巻き込んで大掛かりなコンサートを南米あたりでやるぐらいになっているんだな。それでもまだまだ活躍しているだけでもうれしいよ。往時は彼のピアノをじっくり聞く機会はなかったから、グランド一台で何時間でもコンサートが出来そうなhugeでexcessなところは天下無双で驚いた。かっこつけたり秘密主義なところが一切なくて、ワーキングクラス丸出し感満載で自分のだらしなさもひっくるめて全部ネタにしてMCやっているところなんて、まあ知りたくなかったともいえる。

結局この人は、すばらしい指さばきとアレンジメントの技術が飛びぬけているけれど、国立劇場ではなくて浅草演芸ホールの人だし、大衆演芸向けにしては(そしてあのごついガタイからは信じられない)美しすぎる音とメロディを紡ぎ出すところがすごいんだろうな。あと、あの話芸があまりにも俗人すぎて、それも彼の音楽とは対極にあって、そのギャップを楽しむ人なのかもしれない。レコードコレクターの最新号がキーボードプレイヤーの特集だったけど、リックなんても場外もいいとこだった。評価の多くは「過剰すぎる」。プログレは過剰で大げさなのが身上かと思っていたけど、今はそういう評価なんだな。

さて、本家イエスだけど、未だに入手していないアルバムはUnionとTalkとOYEだけとなった。
プロデュースの問題などもあって評価が極端に低い、いわばイエス史から抹殺したいようなアルバムと理解して、この3枚は聞かずにそっとしておこうと思った。
だって、LadderやMagnificationも、一部絶賛する人はいるので聞いてみたけど、私にとってはイエスにはなくてもいいアルバムだった。

新たに聞いたイエスの曲で、これぞ名曲!と思ったものはAwakenだけだったよ。これは70年代プログレの白鳥の歌としてイエス史に残る曲だろう。あと、Keys~に収録されているMind Driveも往年のイエスらしい大曲で好きだけど、どうも組曲同士のつながりがぎこちない感じなんだよね。大曲ということではFFHもよかったけど、小ぶり感は否めない。

もちろん他にも、印象に残るポップソングとしての出来のいい曲はたくさんあった。Dramaは名作だし、20125にもH&Eにも上質な曲はあったけど、やはり私は70年代のアルバムを一生の友として行くんだろうと思っていた。

ところが、ARW始動ということで、某掲示板で複数のファンがセットリストを妄想しているのを読むと、やたらEndless Dreamの名前が挙がってくる。そんな曲あったっけと焦って調べてみたら、これが、最初から無視していたTalkに入っている曲だった。そしてなぜか、ファンの多くが「ラビンとリックによるEndless dream」を切望している。
さっそく聞いてみたら・・・すごくいい曲じゃないか! ポップなのに王道プログレ。うわー灯台もと暗し。こんな名曲を知らずに過ごすところだった。

Talkはラビンが最後にイエスに残していったアルバム。ポップなロック寄りのヒットメーカーが、最後にこんな「いかにもイエスらしい」大曲を残していってくれるんなんて。しかも冒頭からピアノでのエンドレスなミニマリズムイントロで始まる。こんな技、トニー・ケイにできるんだっけ?と思ったら、やっぱりラビンが弾いている。ケイの存在って・・・。続いて、まるでリレイヤーのようなシャープでアグレッシブなギターリフ。

ヴォーカルも、最初はピアノをバックにメロディアスなラインで始まり(ラビン)、中間部のピアノソロなんて、まるきりリックが弾きそうな(書きそうな)展開で驚いた。ユニオンツアーで意気投合した2人は、結局その後イエスで一緒にプレイすることはなかったけど、もしかしてラビンはこの曲をリックに弾いてほしいかったのかもしれない。ジョンの声によるBメロが始まると、その余りのリリカルなメロディーとジョンの高い音の神々しさに、時間は短いのに泣けてきた。これだよ、イエスって!

しかし、危機からは20年以上経っていて、その間にパンクだテクノだ産業ロックだといくつものウェーブが襲ってきて、プログロックは不遇の時代を過ごしていた。ほぼ20年後のEndless Dreamは、ちゃんとそれらを教訓として受け入れ、前人未到だった70年代感を排している。神々しさやわけのわからない精神主義っぽさ、呪文とか宗教とか高尚な歌詞なんかはない。それでもシンフォニックでわかりやすいメロディーと、シンセ満載の音作りはまぎれもないプログロックに聞こえる。

Talkに入ってからの中間部のシンセは、「リックだったらこうはしない」というのっぺりした部分もあるけど、それもまたよし。宇宙空間をほうふつとさせるシンセのバックに、ラビンのエッジの聞いたギターが響く。ジョンが歌いあげるメインテーマは、ラビンだけにちょっとポップすぎるとも思うけど、バックにずーっとミニマルな音型が流れていたり、いかにもマルチプレイヤーらしいラビンのアイデアが満載。結局、こういう人がいないと、ジョンとクリス、アランだけではアルバムが作れなかったんだよな。イエスは。

ちょっとクラシックらしいメロディラインに、荘厳なミサ曲のエンディングのような美しいハーモニーが聞ける後半もすばらしい。これがラビンの作曲だとすると、意外なほどに保守本流な正統派のクラシック理論を見に付けていることがわかる。これは本当にライブで聞きたい曲だわ。リック、サポートにトニー・ケイでも誰でも連れてきていいから、ぜひこの曲やってほしい。

そして私の中では、ラビンはイエスを21世紀につないだ中継ぎの功労者という認識だったけど、彼の功績はもっともっと評価すべきだった。この1曲だけでも。ラビンはその後、ハリウッドで名うての映画音楽作家となったけど、その背景には、彼がもともと南アフリカのユダヤ人社会でのセレブであったことと、ユダヤ人脈とハリウッドの関係がなんとかというのもちらっと読んだけど、まあそんなことより、イエスでの12年ほどの経験が、彼にとって無駄な時間でなかったことを祈るばかりだ。

■オリバーよ・・・
いつものようにつべを巡回していたら、珍しくオリバーとリックの二人に新生EREを加えたアットホームな感じのコンサートを見つけた。リックが住んでいるノーフォークの近くにある古い農業倉庫を改造したライブスタジオ。この場所は有名で、クラシックのアーティストもよくコンサートをしている。しかしここはキャパ150くらいのはずだ。お客さんはいつものとおりリックと同年代。@5000円くらいで5人もステージ登場したら、ほとんどあがりはないんじゃないのかなあ。リック、営業がんばるなあ。年末にはアダムとジョイントコンサートがあるらしい。
それにしてもオリバー、リックとは共演しないんじゃなかったの?それともアダムの都合がつかなかったの?仕事がなくて困ってるの? 相変わらずリズムがグダグダ、メリハリのないのっぺり演奏、速弾きも微妙…。
なんか無理やり笑おうとしている瞬間があって、そうそう、その調子と思ったらすぐにいつもの仏頂面に戻っちゃった。
リックはいつものように軽口MCで「オリバーは生まれたとき4,5キロもあったビッグベビーだったんだ」とか言ってるけど、リック、おまえもなー。アシュリー・ホルトとは17歳で知り合ったと言ってて(ピアノ弾いていた酒場にいた)、優に50年以上のつきあいであることを知る。そうだったのかー。







Last updated  2016.05.16 20:32:11
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2016.05.09
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
ディヴィッド・ペイトンとの2人舞台のDVDを再度観る。ペイトンはハンサムさんだけど線が細いので、リックと2人だと大分影が薄い。最初に観た時はそれで貢献度を見誤ってしまったけど、なかなかいいプレイヤーに見える。

曲は、1)アーサーより抜粋、2)After the ball、3)サマータイム、4)Sea Horses、5)エリナーーリグビー、6)1984

この映像はパッケージにもデータがないけど、どうやら1991年のようだ。リックの髪型や服装からしてABWHとユニオンツアーの後のものに思える。服装はスカーレット色のシャツに黒のハーレムパンツ。正直、似合わない(笑)。珍しく胸を大きくはだけて胸をあらわにしている。それに赤いレザーのスニーカー。そういやイエスのライブでも全員スニーカーみたいな時期があったな。髪はサイドにシャギー入れて全体にパーマかけたように毛先を遊ばせていて、いつもよりは短い。ABWHの頃は前髪をオールバックにしていたけど、この映像ではアップにはしていない。シンセに詳しい人なら、楽器の品番でいつなのか特定できるかもしれない。コルグのM1とT1、ローランドのD50を使っていた。
ペイトンはシンプルな黒字にストライプに見える(実は細かいドット)の厚手のシャツに白いチノパン。ベースを2種類(スタインバーガーとフラットレス)と、スパニッシュギターを使い分けていた。とくにサマータイムみたいな曲にはフラットレスベースの不安定な音程がよく似合う。

プログラムは、現在に至るまでリックのソロステージではおなじみの曲もあるけど、「サマータイム」は珍しいし、Sea Horsesも、4ウェイクマンズのライブでしか聞いたことがない。きれいな曲アンビエントっぽ曲だけどどのアルバムに入っているんだろう。
手元のアップをみるとわかるけど、リックはテヌートするためにちゃんと指を同一鍵盤上で置き換えている。その入れ替え方がとてもスムーズでみていて美しい。普通、手の小さな人はよくこうした置き換えをするけど、手の大きなリックもやるということは、ペダルにたよらず一音一音大事に弾くという、いかにもクラシック的なテクニックだ。

エリナーリグビーでは前半、ペイトンのスパニッシュギターのソロを聞かせ、そこにリックのお得意のプロコフィエフ風オスティナートリズムがかぶさってきて、メインフレーズをギターで録らせる凝ったアレンジ。途中でペイトンの3度下で旋律を合わせるということもしている。でもまあシンセの音とアコギはあんまり合うとは思えない。スパニッシュギターで本来、自由にポルタメントなりして弾きたいのにリックの正確無比なリズムについていくのは大変だ。結構リズム合ってないものね。そしてオスティナートの部分は、最近よく聞くアレンジとはちょっとコード展開が違う。発展途上だったのかもしれない。

ラストの曲は、リックが1981年に発表した「1984」。ティム・ライスとの共作による1曲。共作って言っても、弾かれた曲には歌詞はないんだけど。しかしよもやリックが、ロイド・ウェーバーとのゴールデンコンビでおなじみのサー・ティム・ライスと仕事していたとは。
1984は思った通り、オーウェルのディストピア小説からヒントを得たコンセプトアルバムらしいけど、ほんとにリック、ちゃんと原作読んでいるんだろうか(笑)。ヘンリー8世やアーサー王も本を読んでインスパイアされたらしいけど、テレビやコメディ大好きっ子のリックが思慮深く読書から学ぶタイプとは思えない(ファンとも思えない問題発言)。
1984は映画にもなってて、昔観た記憶はあるんだけど、やたら暗くて救いのない内容だったな。オーウェルの作品の中では異色だし、現代においてはそれほどインパクトのある作品ではないというか、私の中での評価は低い。
オーウェルを語らせたらうるさいぞ。何しろ史学科に行かなかったら英文科でオーウェルをやろうと思っていたんだから。史学科でもスペイン戦争を絡めれば無理やりオーウェルを卒論にできるんではと2年までは考えていた。指導教授がいなくて実現できなかったけど。私はオーウェルの「戻るところがあることが前提の貧乏ごっこ」にあこがれた。

あ、でね、リックの1984って、作品の出来はともかく、ヴォーカルにチャカ・カーン、J・アンダーソンとか、なんか不思議な取り合わせのアルバムらしい。これでディストピア小説を音楽で表現しましたって言われてもなあ・・・まあ、音源が届いたら、またちゃんと感想書くけど。
もうわかっているけど、きっとがっかりするに違いない(笑)。でもいいの。それでも。評価としてはさらに悪いRockn'roll prophetまで手配済みだし。これはね、リックのリード・ヴォーカルが聞けるから。
私の今の野望は、リック亡き後、リック・ウェイクマン博物館が出来たら、そこに行ってコアなファンと昔話をすることだ。

最後に演奏されていた1984には、あからさまに「エリーゼのために」が挿入されていたり、なんだか不思議テイスト。コンサート中盤ではあの例の、作曲するのを忘れて即興一発で録音したという「ホワイトロック」からのAfter the ballも演奏していて(これは出だしがもろに「愛の夢」)、ちゃんとネタばらしもしていて、「終わってビールを飲んでいたら1曲忘れていることがわかって、いや頭の中に音楽はあるからっていって一発OKだった」とか、リックってばあいかわらずこういうことを平気でいう。このエピソードは最初のGrumpyにも書いていた。

ステージでは「自分で言うのもなんだけど、いい曲だから、あとからちゃんと練習したんだよ」みたいなことを言っている。こういうリックの一面って、「自分は欠点だらけの人間だけど、音楽に対する倫理観は人一倍強いんだ」みたいな発言に通じるんだろう。Yesspeakのなかで忘れられないリックのセリフがあって、お父さんが昔リックに、~be take the music siriously, but don't take yourself seriously って言って、今でもそれを実行してるんだって。音楽には真面目に、自分のことは適当に。その通りで30代までに2度も死にかけているし、結婚歴が多いのはなんだけど、一応人生からも学んでいるっぽい。

ペイトンについて言えば、マリーンのあの速弾きを他人が合わせるのは大変なようで、2回ほど一瞬出遅れていた。hほかの曲でも完全にシンクロとはいかなくて、私もカウントしたけど、リックのタイミングが若干早いのかもしれないと思うことがある。サマータイムではアコギで旋律も弾いていて、なかなかよかった。

あと、MOOGの映画を見たら、リックが下ネタ全開でムーグを称賛していた。これは字幕つきだったけど、ニュアンスとしては字幕よりもっと下品な軽口、という感じがする。エマーソンのコメントがとれなかった分、リックのコメントを採用したんだろうけど、他が真面目な人が多かったので、かなり浮いている。ムーグ博士トリビュート映画には逆効果だったんではないかと心配だ。・・・あーでも、その硬軟の対比が面白いってことかな。
「ムーグには余分な機能がない。ほとんどのデジタル楽器は90%は使わない機能で、女房とおんなじだ。本当に必要な女房の機能は10%で、あとの90%は必要ないんだ。だから何回も結婚してしまった」みたいな感じ。
あとジャック・ブルースのお誕生日ライブにも登場していた黒人のキーボード奏者がまた、輪をかけてへんなメタファーを使って、「ムーグは女をいかせるようにやさしく弾くと応えてくれる」とか言うと、リックが「俺のソロは短いって言われるんだよな」「それはそこリズミカルに何度もやれば・・・」とか。誰もそんなこと聞いてないし!ムーグ博士大爆笑。どえらい博士の前で話すことか?このフランクさが愛される理由なのか。

Grumpyもほぼ8割は下ネタが登場していて、英語はやさしいのに子どもには読ませられない内容になっていた。やれやれ。これも彼のexcessな一面。そういえば、キース・エマーソンの自伝も、下ネタ満載で下品の極み!みたいなレビューだったな。なんだか70年代の突出したキーボーディストの傾向なんだろうか。リックはまじめなプロテスタントの家庭で育っていても、10代の早いうちから大人相手の場所で演奏していて、飲酒も含めいろんな悪事やエロいことを学んでしまったような気がする。たしかストリップ劇場でも弾いていた、みたいなことを言っていたし、要するにサントリーホール向きの人ではなく浅草演芸ホールの人なんだろうなあ。やっとわかってきたよ。もう神格化するのはやめる。
そしたら、海外のファンがリックのアルバムのコメントとして「リック・ウェイクマンといえばexcessと同義語」とか書いていたな。向こうの人からみてもそう思うわけね。やっぱりなー。






Last updated  2016.05.09 22:46:42
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2016.05.07
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
Where is this dream of your youth のすさまじいリックのハモンドオルガン、映像が残されていないだろうかとネットの海を探ったら、残念ながらリック本人のライブ映像はなかったけど、代わりに2009年と2012年のストローブス(再結成かな?)のライブで、長男と次男がこの曲プレイしていて盛大に吹いた。リックなにやってんだ! 自分の出番をことごとく息子に振って、サポっているととらえればいいのか、息子たちに機会を与えているととらえればいいのか。息子ら、40過ぎてそんなに仕事ないんだろうか。
どうせ、イエスにはもう戻らないことを公表したリックに、カズンズが「なあ、昔のよしみで再結成ライブに出てくれないか?」と誘ったところ、「いや、俺ドクターストップかかっててさあ。息子でよかったら安く貸しとくぜ。どっちがいい?」みたいな会話があったと妄想する。

で、同じ曲を二人の息子がどう演奏しているのか、興味深く見てたら、オリバーが結構がんばっていた。相変わらずリズムがちょっとあららなのと、音色・音量が?なのと、無愛想なのが玉に瑕だけど(なんかこう書いちゃうとすごくへたくそみたいだ)、リックのキレのいいスタッカートプレイを踏襲している部分があったり、イエスでのリックばりに数台のキーボードを使い分けてプレイしていた。リズムが危うくなるのはスタカートの速弾きの部分なので、結局はテクニックなんだろうなあ、足りないのは。
あとなあ、オリバーは表情が乏しくて、いつもつまらなさそうに演奏しているように見える。もう少し口角上げて演奏してくれれば最高なのに。でも、がんばっている。動きが派手なところもあって好ましい。イエスのころよりずっといい。相変わらずムーグの音はちゃうやろ、ってセンスだけど。

しかもリックのころのハモンドオルガンを意識した演奏というより、ちゃんと今の時代のマルチキーボードに合った演奏になっていて感心したわ。…兄ちゃん、パパの影響下で仕事するのはいやなんじゃなかったのか?そしてこの時期、オリヴァー参加のストローブスは海外公演もやっているけど、オリヴァーってばイエスと掛け持ちじゃないか!
ライブハウスみたいな小さな箱でやるのと、イエスみたいに(往時よりは規模は小さいとはいえ)大音量PAシステムの下で大きな箱でやるのと、いろいろ極端な経験しているなあ。
かわいそうに、キーボードのセッティングがグズグズでちょっとグリッサンドやろうものなら結構グラグラ左右に揺れてて弾きにっくそうだった。
https://www.youtube.com/watch?v=XvapzHEPIoY

一方、アダムくん。オリバーの頃(2009年)より一層テンポが遅くなって、むしろ弾きやすそうだけど、音量控えめ、音色固定。そしてずっと音符がスラーでつながった演奏で変化に乏しい。このテンポでリズムまで合わなかったら最低だけど、さすがにテンポは合っていた。おじいちゃんずがもうゆっくりしか演奏できなかったのか、あえてアレンジを替えてこのテンポになったのかは不明。
アダムも結構頑張っているんだけど、目立たなすぎ。普段サポートばっかりしているから、パパのように目立つのが苦手なのかな。せっかくキーボードの見せ場のたっぷりある曲なのにもったいない。もう少し音量上げるだけでも違うと思うのになあ。ちゃんと聞いてみると、ハモンド意識してグリッサンド入れたり、いろいろ考えられている演奏なのはわかる。あとね、イエスの曲に出てきそうなフレーズ弾くのはやめようね(awakenとかいろいろ聞き覚えのあるフレーズ多し)。とりあえずこの兄弟対決は兄の勝ち。
https://www.youtube.com/watch?v=-zDIIm_8SYU

ストローブス、オリメンなのかどうか不明だけど、70年代からのメンバーはカズンズとベースマンだけかな。ドラムスとギターは世代がちがうっぽい。カズンズはもうギターを持つのもやめてヴォーカル専任なのか。パパリックがこの曲弾いてから45年近くたってるんだもんなあ。
残念なのは、楽器の性能もミュージシャンの技量も上がっているはずの今の演奏より、40年以上まえのリックの演奏のほうが格段にかっこいいってことだ。やっぱりあの時代だからこそのかっこよさなんだよな。だから息子たちは父のプレイを踏襲するんじゃなくて、全然違うものにしなくちゃいけなかったのかもしれない。まあ、カズンズが許せばだけど。

なにしろ普段、ニューエイジ&ヒーリング寄りのオリヴァーと、ヘビメタやってるアダムでは、トラッドフォークのストローブスと音楽的な共通点があまりない。なのに父の命令に逆らえなかったのか、暇だったのかわからないけど、なんでもかんでも気楽に仕事受けるんじゃないよ!とちょっと思った。
もう40過ぎた二人の息子の行く末が本当に心配だ(笑)。いろんな意味で確実にロック史にその名が刻まれるであろう父に比べて、評価の高いアルバムの1枚も出せていない、セッションやサポートに甘んじているように見える二人を見ていると、音楽の才能なんて遺伝しないってことがよくわかる。






Last updated  2016.05.07 22:15:35
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2016.05.05
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
そんなわけで、こちらもほぼ40数年ぶりのクリムゾン・キングの宮殿を聞く。
まあ、エピタフや21世紀は、断片的に聞こえてくることがあるので、そんなに長い間聞いていない、という感じではないけど。

■21st century~
21世紀、演奏始まる前に人工的な環境音が入っていて(当時は気づかなかった)、これはもしや危機がパクってるのではと思った。危機は自然音だったけど。当時はこういうの流行っていたかな。あと、ドラムがビルそっくり!ちがう、ビルがマイケル・ジャイルスにそっくりなのか。ストトトトンってかんじの軽いドラミング。ドラムのことはさっぱりわかんないけど、ジャズドラムってこんな感じなんだろうか。
中間部はジャズっぽいんだけど、4分40秒あたりからのドラムと管のユニゾンはお見事!こういうの好きだ。あ、でも多重か。こういうのをライヴで聴きたいな。ここもイエスのサイベリアンのラストのアカペラユニゾンにつながるような気がする。そして、わかってたけど歌詞が怖い(笑)。

アルバム通して聞いてみると、REDでも感じたんだけど、やっぱり時代を感じさせる。なんだろう、ストリングス(メロトロン)の使い方なのかな、ブラスが入るロックというのも70年前後を容易に思い起こさせる。全体に古い音楽に聞こえてしまうのが残念だ。人工的に歪めすぎているのも、今の時代からするとダサイ。前回も書いたけど、イエスのような巧みでメロディアスなコーラスがあると救われるのになーと思う。クリムゾンのような暗さや重さはむしろ好きなんだけど。当時は、イエスのような陽のプログレはむしろ珍しかったし。

■墓碑銘
あー、なんかメロトロン自体が私のなかでは「古い過去のも」を想起させるのかもしれない。いや、そのとおりなんだけどさ。イエスみたいに本物の管弦楽使ったらまた違っていたかな。
特にストリングスが前に出て、そこに甘いレイクの声がかぶさるエピタフみたいな曲は、なんちゅうか俗っぽいドラマの附帯音楽みたいだ。きっと、40年の間にフォロアーがたくさん出てきて、手垢が付きすぎて「使い古された」ものになってしまったのかもしれない。
メロトロンを使った場面転換(pp→ff)なんてのもロックっぽくなくて劇音楽の部類に聞こえる。こういうのはムーディブルースもやっていたような気がする。そもそもメロトロンを知ったのはムーディーズの曲だったような気がする。サテンの夜のほうが宮殿より先だよね?
エピタフは、当時は気づかなかったけど、後半、シンバルの縁を叩くようにタタタタタタと小さな細かい音がずうっと入っていて、こういうのもビルが好きそうだと思った。おい、今頃ビル愛すごいな自分。あああでもレイクの声はやっぱりいいなあ。キーはジョン・アンダーソンなんかよりはずっと低いけど、澄んだ甘い声。同じキーですこしかすれが入るとジャスティン・ヘイワード、ジャスティンの声を5度くらい上げるとアンダーソン(笑)。

そういう意味では、実際に時間が経っているわけだから、古く感じるのはむしろ当たり前で、私が2月ごろに突然イエスを聞き始めて、まったく古色蒼然と聞こえなかったほうが奇跡に近いのかもしれない。おそらく、いま「サテンの夜」とか聞いても、懐メロにしか聞こえないと思うのに、イエスの3rd~海洋までは、何度聞いても飽きない。究極以降は新曲だったし(笑)。なんでだろう。ハウとクリス、アランはむしろ正統的なロックらしさをもっているのに、そこにアンダーソンの声とリックのフレーズが入り、絶妙のコーラスが醸し出されると、それだけでかっこいい。70年代当時、聞いていたころは、いちばん聞いていたのはピンフロだったかもしれないし、イエスだけを突出して好きだったわけではなかったのに、不思議。クリスの死という要素が余計に神格化させているのかもしれないなあ。

■ブラス入りが流行った時代
70年代前半限定の記憶と知識でいうと、この時代、ブラスセクションの入るロックにヒット曲が多かった。チェイスの黒い炎とか、ブラッド・スウェット&ティアーズのスピニングホイールとかシカゴとか。でもこれらはどっちかというとタテ乗りのロックだった。
クリムゾンは今聞くと、ロックではないしジャズとも言い切れないし(アドリブっぽい部分はジャズだけど)、なんつうかすごく俗っぽく聞こえる。あれれれこんなだったっけ?

I talk to the windは、ロック小僧のクラスメートに頼まれて譜面に起こした記憶がある。なんだか日本のフォークソングみたいだよね。今日、本読みながら聞いていたストローブスの曲にも、歌詞が日本語で聞こえてきそうなフォークソングがあって、この時代は世界共通でこうしたノリのフォークが全盛だったことも思い出した。メロディラインがきれいで、母音の多い日本語がぴったりはまるシラブルのつくりになっている。もしかしてこういうのがやがてユーミンとかにつながっていくのだろうか。

■ついでにストローブス
ストローブスはリック脱退後に最大のヒット曲が生まれて、それは私も覚えていた。
でもリック在席中の演奏は知らなかったので、2枚聞いてみた。曲はフォークロック+ちょっとプログレ。うーん、プログレはないな。むしろトラディショナルな感じか。ケルトとかあっちのほうの寒い民族音楽っぽく感じる曲もある。
リックは「こっそり」という感じで、ハモンドオルガンで細かい装飾を入れていたり、バックに薄く(無理やり)ピアノを入れていたりしている。きっと本来、キーボードがなくても成り立つ音楽なのに、カズンズはストローブスの音楽自体をキーボードを入れることによって変えていきたかったのかもしれない。

5分に及ぶピアノソロでは、イエスのライブでのソロにはないジャズやブルースっぽいフレーズも入れていて、20歳をやっと超えたくらいの若者に、ちゃんと場を用意してくれたカズンズに感謝。もう1曲、さまざまなハモンドオルガンの音色とテクニック(すごくキレがよくてギターかと思った)を聞かせる12分もの曲もあって、頭と終わりにヴォーカルも入るんだけど、完全にリックの独壇場みたいな曲。これもお気に入り。なんだっけ。Where is this dream of your youth? アドリブっぽいメロディラインがスタッカートみたいに粒立って聞こえる。こういうの、ラテン系のジャズバンドとかの演奏で聴いたことがあるかも。こういう音やフレーズはイエスでもソロでも聞くことができない。ポップでノリがよくて、でもいかにも60年代の音(ハモンド)で、貴重な演奏だと思う。あと明らかにハープシコードみたいな音が聴ける曲もあった。ピアノならまだしも、ハモンドでこれだけ引出しの多いところを聞かせる(しかもライブで即興)20歳やそこらの若者って、そりゃほうっておかれないだろう。

ストローブスはイエスやその後のリックのソロともまったく親和性のない音楽だけど、どんな音楽にでも合わせられるというリックの器用な一面が、こういう形で残されているのはうれしい。リックの1000セッションとも2000セッションともいわれるセッションミュージシャン時代って、ちゃんとした曲だけじゃなくて、30秒のCMソングやジングルやサウンドロゴなど、およそ楽器が必要なコマーシャルな場面での仕事も全部カウントされるんだと思う。

私もバブルのころは、広告屋で企画やコピーを書いていたけど、社歌の仕事なんてのも受けたことがあって、作曲家・作詞家に仕事を依頼し、スタジオを抑え、歌手をオーディションし、セッションミュージシャンを予約する仕事をやっていたことがある。そう、当時はCIが大流行して、社名を替えたりロゴを作ったりするついでに社歌なんてのも作るのが流行ったぐらい金余りだったんだよ。中村八大作曲・永六輔作詞(これは結局かなわず、八大さんのとこのお弟子さんに頼んだ)・デュークエイセスのコーラスというビッグネームの社歌に数千万投入された。依頼主の証券会社も今はない(笑)。兵どもの夢の跡。

リックもこういう、名前の残らない仕事を山のようにやって稼いでいたんだろう。ひそかに社歌とか校歌とか(UKにそんなものがあるならば)に貢献していたかもしれないと想像するとちょっと楽しい。この器用すぎる才能がすべてロックに向いていたら、自分のバンドやもうちょっとマシになっていたと思うし、80年代以降の駄作のオンパレードなんてのもちょっとは防げたかもしれない。オケやコーラスとロックバンドのアンサンブルというのは、19世紀にワグナーがやろうとしていた斬新さに近いかもしれないと思う。でも残念ながら彼は自分のクリエイティブな能力は20代で使い切ってしまったんだと思う。






Last updated  2016.05.06 08:18:58
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2016.05.04
テーマ:徒然日記(16046)
カテゴリ:音楽全般
Tちゃんが猫を構う&久々にロック回帰した私と昔のロック話でもりあがろうと遊びに来て、家でだらだら飲みながらタケノコご飯の夕食を食べる。
ブルース好きのTちゃんには、ジャック・ブルースのお誕生日ライブを餌にしておびき寄せ、むりやりイエスのDVDを見せる。

彼女も全盛期、こわれものと危機はリアルタイムリスナーだ。でも、プログレはそれほど詳しくなくて、好きなのはむしろブルースロック。イエスもこの2枚くらいしかちゃんと聞いていない模様。
しかし彼女は守備範囲が広く、ブリティッシュロックも産業ロックも詳しい。数年前から「今頃ジャーニーにはまっちゃった!」とか言っていて、ジョン・アンダーソンが今はイエスじゃない経緯を話したら「ジャーニーにそっくり!」とか言われてしまった。しかし、産業ロックも好きだという彼女が、あんな長いプログレをよく聞いていたものだ。

「すごく好きかというと、そういうわけでもなく。なんというか24年組の少女マンガって、当時の女子ならだれでも読んでいたじゃない。そういう感じで聴いていたの。だから知っているし好きな曲もあるけど、本当に好きなグループは別にいる、みたいな感じ」。それにしては、危機の冒頭のテープ音源「鳥のさえずりの部分がさ・・・」とかやけに記憶が鮮明なので驚いた。シベリアン・カートゥルも大好きだったようだ。「あの最後のパッ、パパーパパーパパーってところ、合わせられるまで歌わなかった?」と聞かれ、「歌った~何拍子なんだろうと手拍子しながら!」と、お互いその後知り合うことになろうとは思いもよらない当時の女子二人が、時空を超えて同じことをしていたことにちょっと感動。

往時の5人を知っているので、さっそく今(といっても2003年)の5人を見てもらう。あれれ、おどろかない。それどこか、「ハウ、かっこいいじゃない。リックもこんな風になるって想像できるよね」。うむ。頭髪に拒否反応がないのは喜ばしいことだ。「あの人たち、当時から菜食主義とか言ってたよね。まあヒッピーとかそんな感じだし、ジョン・アンダーソンはかっこからしてヒッピーぽかった」。クリスの妙な衣装も覚えていて「あの人は、サイケだよね。当時ボウイとかもう寛斎の衣装着てライブとかやってたじゃん。ああいうコスチュームぽいのは見た目意識したロックの最初のころだよね」。クリスはサイケだったのか・・・そういやクリスがいたシンや、スティーヴ・ハウのイエス以前の写真や映像では、もろサイケ柄の衣装着ているな。サイケとヒッピーの違いがよくわからないけど(ファッションとライフスタイルか?)、なんとなくサイケは都会で、ヒッピーは自然志向という気はする。
まあ、それにしても70年代前半のイエスって、衣装の嗜好がバラバラすぎるな。ジョンはヒッピー、クリスはサイケ、ハウもどっちかというとサイケ、そしてリックは魔術師(笑)。なにを目指していたのか、見た目ではわからんなー。

Tちゃんにはその後、今のヴォーカリストのawakenを見せたら、曲よりヴォーカリストをやたら気に入ったもよう。ジョン・ディヴィソンは、ジョン・アンダーションよりストイックな感じがして好みだそうだ。ストイック…そういう感想もありか。確かに一生懸命コピーして自分のものにしようと頑張っている姿はストイックかもしれない。
「当時、こんな恰好してたらぜったいドラッグやってる人認定だけど、今だとマクロビやってる人、って感じだよね」。なるほど~根っこは同じだもんね。自然に寄り添い身体や精神にとっていいことをする生活。よもやフラワーチルドレン(ヒッピー)とマクロビが同列だとは。
イエスでひっぱろうと思っていたのに、フリップの似非紳士ぶりをみてほしくてボウイ5つの時代を見始めたら、なんとボウイにフリップを紹介したブライアン・イーノを「かっこいい~」と言い始めて、再度びっくりした。本当に頭髪で差別しないな、Tちゃん(笑)。

ああそうだった。彼女は昔のロック話ができる数少ない友人の一人だが、好みはまったく違うのだった。彼女は白人のブルースが好きだし、私はブルースはよくわからない。でも私はビートルズよりストーンズが好きだけど彼女は逆。でもイーノ?いま環境音楽やってんだよね。

「当時はイーノって気持ち悪かったじゃない。なんか辮髪みたいで。そもそもブライアン・フェリーと言い、ロキシー・ミュージックのすかした感じは嫌いだった」のに、なんだか建築家みたいな風貌のおっさんになったイーノに一目ぼれした模様。人の好みは変わるもんだ。私は当時からブライアン・フェリーのスタイリッシュさは好きだった。ロキシーの音楽はさっぱりわかんなかったけど。そして見てほしかったフリップには「なんか詐欺師みたいだよね」ある意味当たっている(笑)。やっぱり私の好みがヘンなのだろうか。でも二人ともボウイは「ヒット曲以外はよくわかんなかったよねー」ということで意見が一致した。
そうそう、当時、コックニーレベルの「さかしま」がすごい話題になって聞いたけど、これもロキシーと同じ匂いはするけど、よくわからなかった。でも5,6年後、大学時代にローリー・アンダーソンとかナム・ジュン・パイク、あ―名前思い出せないけど、浜辺のアインシュタインの人に入れあげてた時、ちょっとロキシーやコックニーレベルと同じ匂いがした。ああいうコンテンポラリーをロックに取り入れようとする試みだったのかも。

ムーディブルースも好きだった(童夢限定)彼女に、こないだのバカラックトリビュートに出てきたジャスティン・ヘイワードを見せる。40年後のロッカーのなかでは、私のイチオシ。「えー、なんかやだ」。そうですか。
ジミー・ペイジが武道館を尋ねるドキュメント(SONGS)とかも一緒に見てたら、彼女はツェッペリンはフィジカルグラフィティまで全部聞いていて、一般的には人気のなかった3rdが好きだという。40年前のロックのかっこよさに、当時小娘だった元女子がしびれた夜だった。

そうそう、もう一月ほど前になるけど、Hちゃんにもイエスを布教した。彼女は70年代生まれだけど、なぜか古いロックに詳しくて、シド・バレットなんて名前も知っている。ベルベット・アンダーグラウンドとかが好きだった年の離れたお姉さんからのすりこみのようだ。でもプログレはほとんど聞いたことがなかったみたい。サバスとかアイアンメイデンとか、ハードロックは知っているみたいだった。
で、いかに70年代のプログレがおもしろかったかを居酒屋で話しているうちに、そうそうとウォークマンを取り出し、とりあえずAwakenの断片を聞いてもらう。「すごい…」と絶句。だよねー。うれしい。ところが、その後にリックの手癖がラヴェルに似ていることを証明しようと、クープランの墓を聞かせたら、「こっちのほうがもっとすごい!」ということになってしまった。しまった失敗。やっぱり電気的・人工的な音が大半のロックより、アコースティックの難曲の名演のほうが人を感動させられるわけね。ラヴェルはトッカータ以外を聞かせるんだった。

Yesspeak、英語字幕を出せるバージョンが届いたので見直した。やっぱり細かいところは落ちていたな。リックが終わりちかくで両親について、若いころは自分のアルコール依存のことでずいぶん心配かけた、みたいなことを話していた。リックは一人っ子で、アッパーワーキングクラスの家庭で、プロテスタントの信仰篤い両親に愛されて育った。リックが子だくさんなのは、自分が一人っ子だったことの裏返しかもしれない。リックがアダムにインタビューするラジオ番組では、今の自分の奥さんはお前より若いんだぜ~えへへみたいなことを平気で言っちゃうリックが好きだ。音楽に対するモラルは高いけど、人生に対するモラルは適当な人なんだよな。

ジョン・ロードトリビュートの大がかりなコンサート(ロイヤル・アルバートホールかな?クラシックのホール)に、少しだけリックが登場していた。懐かしいHushとBurn(パープル)にまざってムーグの手癖満載アドリブをやっていたけど、バッキングのドン・ヘイリーがよかった。こういう昔風のオルガン弾く人なんだ。かっこいいし、目配り・気配りできて、次々に「はい、つぎソロどうぞ~」という感じで合図を送っていた。リックはたいして本気でないのか、長いソロは弾かなかったけど、途中で周囲がリックに気を使って、ラウンドアバウトのリフを弾いて、リックのソロを促したけど、なかなかそれに乗らない。なんでだろう。さすがにハードロックの祭典で、イエスの曲はまずいとおもったのか、そもそももうとっくにイエス愛はなくて、「いまさらラウンドアバウトなんて弾きたくない」って感じだったんだろうか。
リックはジョン・ロードの生前最後くらいのトリビュートコンサートでがっつり共演しているし、本来、こういうギンギンのロック好きだよね。自分のバンドも持っているし。でもそれが彼がつむぎだすクラシックベースの音楽とはベクトルが違うから、なんか一緒にやってもどこかに距離があるというか、違和感がある。むしろドン・ヘイリーみたいにバッキングに徹して、コード(俗にいう白玉弾き?)で押し切れればいいんだけど、そうなるとリックの持ち味でない。なかなか悩ましい。
イアン・ギラン、久しぶりに聞いた。いいおっさんになっていた。グレン・ヒューズまでは覚えているけど、あの小さい若い(というか私と同じくらい)の人は誰だ? すっごいうまい。→調べました。アイアン・メイデンの人。パープルは数曲(水煙とトーキョー、バーン)くらいしか記憶にないけど、ハッシュは聞いたら「ああ、この曲か」と思ったわ。今のパープルがプログレっぽいという話をよく聞くけど、源流は多分同じだよね。フーとサイケ。60年代後半のプリティッシュロックはすごかったな~。今、タイムスリップするならこの当時だな。






Last updated  2016.05.05 00:00:46
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2016.04.28
カテゴリ:音楽全般
■破綻のない変拍子
REDのスターレス、冒頭のメロトロン(ストリングス)聞いてたら、スティングのFragileを思いだしちゃったじゃないか。スティングが発表した当時、とっくに誰かが指摘しているだろうけど、これぐらいのコード進行のダブりはパクリとはいわないのか。ヴォーカルの裏メロのようにサキソフォンがかぶさるところとかもスティングによく似た曲があったなあ(→Englishman in NewYork)。なんつうか醸し出すジャージーな雰囲気(ジャージーって言い方は好きじゃないが)がクリソツ。
イエスだってアルプス一万弱とかバーブラの追憶とか、そっくりさんフレーズはあるし、クラシックにだって山のようにあるからいいんだけど、楽器編成まで同じだと目立つわな。
残念ながらスティングのほうが圧倒的にビッグだから、クリムゾンが異議申し立てをしたところでなにも変わらないとは思うけど。そしてヒットソングとして優れているのはどうしたってスティングのほうだ。
まあスティングもジャズ寄りの人だから、こういうこともあろう。あ!そうか。
クリムゾンの暗さは私が好きなスティングやU2につながる暗さなんだな。
クリムゾンを聞いていたから、その後、スティングやU2は聞けていたということかも。
なるほど。すごく腑におちた。でもクリムゾンにあってスティングにないのは 「重さ」。
ビルのドラムスをもってしても、あの引きずるような重さはいかんともしがたい。

REDは、イエス以上にほとんどの曲でしょっちゅう拍子変えているけど、変拍子ってほどじゃなくて、とってもわかりやすい。破綻がない。 極端な話、8+8+7+7+8+8+5+5+8+8…とか、数学的にきれいで、設計図(楽譜)がすぐに思い浮かぶ。こういうのは変拍子というよりミニマルの流儀に近いような気がする。数学的に破綻のないものはそれだけで美しいに決まっている。フリップはパズルとか好きそうだ(笑)。それを敢えて電気的に音を歪めて演奏するからプログレなんだろうか。
一方、イエスの拍子変えは予測できないんだよね。え、ここでこう入れてくる?って感じで。理屈わかってないでやっていて、たまたまちょっとやってみたらはまった、みたいである意味天然で最強。だから一般には逆の理解なのかもしれないけど、イエスのピーク時の大曲はクリムゾンよりもっと混沌としている。なんというか、形式にとらわれない組曲なんだ。
→お昼食べながらREDの拍子をカウントしてたら、3(5+5+6+8)+8+(8×14)+2(7+7+8+8)+とか、記譜上はまた別の拍になるかもしれないけど、私ならこう割る、という形がちゃんとみえてくる。
そしてリフレインが多いので、形式割りできるわ。楽しい。でも破綻があるのがロックな気もする。

■5年の間になにがあったのか
リックのバンド入りのコンサートが結構面白かったので、もう一回70年代のソロアルバムNo earthy correctrionを聞き直したら、クリムゾンに似ている(笑)。たぶん変拍子の使い方がイエスじゃなくてクリムゾンなんだよね。設計図が思い浮かぶ。クリムゾンにリックが入っていたら、もっとまじめにバンドに貢献してくれたかもしれないとか思った。まあ、フリップのもとでは1カ月も耐えられそうにないというか、フリップから「お前うるさいから出ていけ」と言われそうだけど。フリップさまは下品なのはお好きじゃないだろう。

リックは10代のころ、すでに全調自在に展開できて、曲を一回聞けば、自分がどうそれに参加すればいいのかがわかる子どもだったんだろう。ジャズ的なフレーズもブルーノートもビバップも、もちろんダンスのリズムも弾けていたことがよくわかった。14歳前後って誰でもそうだけど、なんでも貪欲に吸収できる時期だから、その頃にはあらゆるスタイルを再現できるようになっていたんだろう。
極端なことを言うと、ストローブスの頃には、その後の彼の特徴といわれるものはすべて出そろっている。完成はされていないので、その後に展開があるわけだけど。でも最終的にリックはブルーノートにもフリージャズの方向にも行かなかったから、本人の意思にかかわらずいつまでたってもクラシックベースで「お上品」と言われるんだろう。

98年の暮れに放映されたThis is your lifeに出演していたリックは、その年の夏に大病をして一気に体重が落ちたせいか、いまだかつて見たことがないほどスリムになっていて、とても下品なジョークを飛ばしたり大酒飲んだり、本番中にカレーを食べたりするような人には見えなかった。なんつうか、経済界のエグゼクティブみたいに見えた。
しかしそれからわずか5年後のイエスのツアー(フルサークル→35周年)時には、かなり人相が変わっていた。なんつうかより怪人に近くなったと言うか。
体もふた回りほど大きくなって恰幅がよくなり、首(顎の下)がたるんできて、眉間に深いしわが刻まれていた。49歳から54歳までの間に彼になにがあったのか。
一つはニナとの離婚だろう。放映当時既に2人の生活は破綻していたかもしれない。クリス・ウェルチの評伝でもそんな書き方だった。だからこそ、あの番組中、ニナが隣に座っている状況で、いつも饒舌なリック節がほとんど出なかった。そして、一緒に暮らしているはずの四男オスカーが、久しぶりにリックに会えたみたいに、必死に抱きついていた。まだ子どもたちはお金がかかるし、慰謝料相当だったかな。

YESSPEAKの英語字幕付きが届いたので早速見たら、メンバーがもっともくつろげる場所(自宅など)で個別にインタビューしていて、リックは なんとスペイン領カナリア諸島のテネリフェ滞在中だった。ホテルなのか別荘なのか不明だけど、ホテルっぽい感じかな。テネリフェ、世界遺産のリゾート地だよね。さすがに日本からはかなり遠くて、ヨーロッパのお金持ちのリゾート地という感じがする。あの赤ら顔は日焼けだったんだな。毎日ゴルフ三昧でもしていたか。
そして、経済的苦境について、例のアーサーオンアイスの借金のことと、やはり何度も離婚していることが原因、みたいなこと言ってる。お金が無くなって初めて自分がリッチだったことに気が付くんだって。使っている自覚はあったんだな。

■息子二人は見た目から入る
最近、リックの2人の息子にもご執心だ。ゴリラ顔リックから、こんなナイスガイな息子が生まれるなんて。でもその才能は父親を上回ることはない。

オリヴァーは、アコースティックギタリストとのアンサンブルの映像をyoutubeで見たり、本人のアルバムの一部も
聞いてみたりしたけど、いまひとつピンとこない。少なくとも新しい音楽には聞こえない。プログレにも聞こえなかった。
でも見た目はすごい好み。ちょっとたれ目だけど涼しげなブルーの目元と、サラサラのロングヘアは前髪をつくらないで、少し斜めからサイドに流しているスタイルも似合っている。70年代の少女マンガで育った自分の萌えツボを直撃してくる。口元は父親によく似ている。めったに笑顔にならないので、なんかちょっと屈折した過去があるっぽいところがいい。

父リックはキーボードを弾きながら恥ずかしげもなく陶酔の表情を見せることがあったけど、オリヴァーはそんなことはしない。イエス在籍中は無愛想なほど無表情で、ひたすら淡々と自分のパートをこなしていた。で、一応、完コピ目指して、そこに自分らしさを加えようとしていたらしいけど、残念ながら本家よりは明らかに劣る(音が少ないとか音色のセンスが悪いとか音量がミスマッチとかリフのリズムに遅れるとか)パフォーマンスだった。完全にデジタル時代のキーボード弾きのはずなのに、器用さを見せることができなかったのは残念だ。

Oliver Wakeman Bandとしても活動しているけど、イエスと同じ編成のバンドでキーボード担当となると、主役にはなりえない。音楽もロックなんだかよくわかんない。あ、そうか。息子は父同様、ヴォーカルやらないんだもんな。これでシンガーとしてもうまかったら、また別の活動領域ができるだろうに。
https://www.youtube.com/watch?v=lDkPLtokq-0
▲30歳くらいの頃のオリバーのアコピ(といってもデジタル音源)のソロだけど、なんかパパリックのヘンリー八世のマイナーアレンジみたいなフレーズがあったり、ジョージ・ウィンストン風だったり、いろんな要素が出てくるんだけど、なんかはっきり言ってプロのレベルではない気がする。テンポや曲調にメリハリがないせいか、ただピアノの試弾きをしているようにしか見えない。鍵盤弾く時の手つきは、指は跳ねるわ無駄に手首が動いているわで、あんまり脱力できていない感じがする。左手はかなり不自由そうだな。ウエイト鍵盤だろうけど、音の粒が揃わないのがわかっちゃうんだようね。それと、音楽の方向性としては、全体として中高年のためのコンソレーション的な音楽をやっているのかと思う。
でも髪を後ろで縛ってオールバックにしていると、面長な顔つきの額からこめかみにかけてのラインがきれいなのがわかって、本当に品がある。そしてきれいな英国英語を話す。Live from Lyonのドキュメント映像でも、まあわかりやすい英語だったけどこれほど美しくはなかった。客層に合わせているのかもしれない。
音の圧が強いところは父に似ている。でも本当に音に強弱ないのでのっぺりしている。なんとかならんかのう。

一方、アダムは、兄のほうが絶対にハンサムだと思うんだけど、なんだか笑顔がかわいくてくったくがなく、愛すべきキャラクターという感じがする。目がクリクリしてて、ちょっとエラが張っていて、いつも口元が笑っているのもいい。無精ひげでも汚い感じがしなくて、オリバーがほとんど笑わず時折厳しい表情をするのにくらべ、天真爛漫なキャラのように見える。そしてあんまりリックと似ていない。自らベジタリアンだと公言していて体型も気遣っていることがわかる。いや、オリヴァーも十分スリムなんだけど、この人は自分から「ベジタリアン」とか公言しなさそう。

一緒にアルバムつくったりツアーに同行したりと、アダムの10~30代はリックとの仕事が多いけど、いまはサバスやオジ―のサポートキーボーディスト。ハードロックやヘヴィメタルは全然聞かないからわからないけど、パープルのジョン・ロードみたいなのを目指しているのだろうか。自分名義のソロアルバムとかに興味がないのは、己の実力を客観的に判断してのことかも。
でも10代から父と競演って、ほとんど一緒に暮らしたことはないと思うんだけど(少なくとも記憶にはないはず)、たまに会ったときに「自分もショービジネスの世界で仕事をしたい」と相談したのかもしれない。単に、息子たちを構いたいリックが、オリバーにはすげなくされてアダムをおもちゃにしているだけかもしれないけど。
私はリックの本に出てきた、南米をツアーで回っていたとき、19歳のアダムがアテンドした1日観光のエピソードが大好き。We will go to the butterfly farm!

■最後に泣かせるリック本
そうそう、Grumpy2冊目、ゴルフのところは半分飛ばしたりしたけど、ほぼほぼ読み終わった。最後にまたサインの話になって、プロローグとちゃんとリンクするつくりだったんだけど、最後に亡き父親とのサインをめぐるエピソードが紹介されていて、道徳の教科書に載せたくなるようないい話で泣きそうになった。なんというか、教育がうまくいった労働者階級らしいエピソードなんだ。リックは一人っ子で、父親は信心深い音楽家。両親に愛され、ロックスターとして成功した息子に母親が電話するとHi, dear! と電話に出るリック。いかに両親を尊敬しているかがうかがえる。
リックはストローブスに入って最初にもらった給料で、両親に特別な夜をプレゼントしようとステーキハウスに連れていく約束をしていた。レストランの予約はライブが終わったあとの11時くらいからで(日本の感覚ではちょっと信じられない)、ステージが終わるとサインを求めるファンが殺到したので、レストランの予約に遅れると思ったリックはその場を逃げ出してきた。でも父親はそんなリックを叱って「戻れ」と言う。「たとえ1人だろうが10人、100人だろうが、お前のサインを欲しいといってくるファンを失望させてはいけない」と。いいお父さんだね。
父亡き後、南米でのコンサートで数百人のファンがサインを求めて殺到したとき、プロモーターは「裏から逃げて」と言ったけど、リックは父の言葉を思い出し、わざわざ戻ってサインに応じている(トニー・フェルナンデスも一緒に戻っていた)。自分の仕事が、ファンあってこそ成り立つものであることをちゃんと理解している。リックはアーティストではなく、スターなんだなあと思わせるエピソードだ。

Yesspeakにも公演後、バックステージにつめかけたファンがサインをせがむのを、大きな鉄の扉ごしにプログラムやノートを受け取ってメンバーたちがサインしている様子が映っていて、ああこれだなと思った。ハウもいつも気軽にサインに応じていて、なんか微笑ましい。なんだろう、テレビで人気のスター、というのは全然違うし、ヒット曲だって誰もが知っているのはロンリハぐらいなのに、ファン一人ひとりを大事にするという姿勢は、イエスメンが労働者階級の出身だからかもと思ったりした。ビルだったらそこまでしないかも。「やってらんないよ」とか言って。






Last updated  2016.05.02 01:02:19
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