読了メモ1
『世界でいちばん君が好き』樹生かなめ「ぶたごりら」で一躍有名になった珍書。しかもイラストは雪舟さん。受けのイラストが結局1度もでてこない。こんなんもありかと思って関心していたら、木原音瀬さんにもっとすごいのがあった。130キロ4段顎の短小包茎小男!ありえない設定でついていけないけど、文章そのものは読みやすくて、あっという間に読み終えた。『夜の砂漠に咲かされて』遠野春日/御園えりい御園えりいさんが挿絵を描いているゴージャスな表紙に魅かれた。ペットのライオン……。鎌田幸美のノアールシリーズを思い出したよ。あれは黒ヒョウだったけど。でもアホアホのエロエロ、ありえない設定。こういう軽い感じが今は受けるのかな?私がわずかにBL寄りになっていた頃は、山藍紫姫子とか吉原理恵子とか、重いものが多かったせいか、ついていけない。1時間位で読めた。「咲かされて」じゃなくて「裂かされて」「割かされて」だな。『お手をどうぞ』『キスをどうぞ』『秘密をどうぞ』水壬楓子/白砂順3冊まとめてみつけた。3冊で1冊分の値段以下だった。『コルセーア』以外の免疫のない水壬さんのBL。これもベタベタおやじスキー全開。35歳と20歳かあと思ったら、途中から35歳の父親(52歳)まででてきた。親子2代でホモスキーとは……。私はショタにも萌えないけど、あまりオヤジにも萌えないなあ。トイレ本として活躍中。白砂さん、ムーンリットシリーズの時も思ったけど、パース狂いすぎ。ていうか攻めと受けの体格差ありすぎで気持ち悪い。『クラッシュ』水壬楓子/佐々木久美子『エスコート』シリーズは人気らしいが、リーマン系はあまり興味がない。これに車いす男が出てくるというので、新刊本として購入。なんだよ、ブラフかよ。結果、始球式本と成り下がる。相変わらず心理描写は上手いんだけどねえ、イジイジ系はだめだなあ。魚住君シリーズ『夏の塩』榎田尤利/茶屋町勝呂これがデビュー作? 完成度高いなあ。それにほんのりBLで読ませるなあ。これはぜひ続きが読みたい。榎田さん、先に数冊読んでいて、そっちのほうも割りと楽しめたけど、これはもうBL界の純文学かも。人物描写が自然で生っぽくてよい。よしながさんの「1限目はやる気の民法」の1巻をほうふつとさせる。どこにも似たところがないけれど。そこはかとなく純文学系というか。茶屋町さんが、BLに挿絵描いているとは知らなかった。合うのか? 合っているのか!?『執事の特権』『寡黙な華』榎田尤利/佐々木久美子・雪舟薫シャイノベルズは、普通の新書サイズよりやや小ぶりの変形で、薄くて、おそらく150枚足らずの内容なんだろうと思う。でも表紙デザインが秀逸で、センスいいなあ。あの大洋書房の本とは思えないぐらい。大洋といえば、私には『麗人』のイメージが強いからねえ。でもシャイノベルズはタイトルの処理や、紙質、PPの処理まで一冊一冊違っていて、中には美しいのもある。イラスト次第だけどね。優秀なデザイナー使っていると思う。この2冊、テイストは違うけど、文章が上手いので読ませる。寡黙…は雪舟さん描くロン毛男&女装にワラタ。スレイヴァーズシリーズもそうだけど、幼いころから受けが好きだった攻めが成長して再会し、鬼畜攻めに近いなぶりで受けを落とすというのは、腐女子のツボなのだろうか。榎田さんは脇キャラの造形がいいよねえ。特権の老執事や寡黙の女装をそそのかす医者とか。印象的だ。この人の文章は品格があるし、エチシーンは記憶に残らないほどたんぱくだ。『ムーンリットハンティング』『ムーンリットエスケープ』水壬楓子/白砂順獣耳や魔法の世界は、あまり得意じゃないんだけどなあと思いつつも、100円だったのでエスケープを先に読んで、続いてハンティング。話しとしては逆の順番だった。これは同じ次元、同じ時間軸で動いている各国の主役(攻め)と受けのお話だ。猫耳ではないが、狼男だった。私は子供受けは苦手なので、15,16歳ぐらいのか細い少年がエチーされるのには抵抗があるんだけど、まあ、水壬さんの巧妙な語り口ですいすい読めてしまう。100円だったら他のも読んでみたい。でも風呂本、トイレ本だけど。『騎士と誓いの花』六青みつみ/樋口ゆうりBL系のブログで大絶讃されていた「泣ける」BL。でも私は泣けなかった。世界観に広がりがないし、先が読めてしまう。人物描写はなかなか説得力あるけど、いかんせん、あのグリファスがいくらなんでも簡単にリィトに魅かれてしまうのが解せない。やっぱり子供受けは私、だめだ。六青さん、他のもなかなか評判いいんだけど、信者が多そう。樋口ゆうりさんのカラーはファンタジーに合っていると思う。『永遠では長すぎる』ふゆの仁子/雪舟薫(よみかけ)おお、因縁のふゆのさん。森口さんは元気だろうか?これ、読みにくい。さっぱり進まない。ふゆのさんが「イタイ系」と言われるゆえんが少しわかった気がする。登場人物の背景が重すぎる。『コルセーア』みたいに最初からファンタジー仕立てだと、どんなにドロドロの過去しょってようといいんだけど、ストーリーが始まる前から、延々と主人公たちのトラウマやら不幸な幼少時代を語られると、さすがに引く。先を読み進めようという気力をそがれる気がする。ちょっとほっぽっとこう。『世界の果てで待っていて』高遠/雪舟薫これも読みかけ。私立探偵のところに少年が依頼にくるところまで読んだ。あまり雪舟さんの絵である必然性がないというか、もっとハードなタッチの絵のほうがいいんではないかと思った。『太陽と月のカタチ』五百香ノエル/雪舟薫初五百香さん。ちょっと後味悪いなあ。10代の二人に数年のブランクというのはきつい感じがする。女好きすぎる父親の存在とか、気の触れている母親とか。これも一種のイタイ系かも。『Don’t worry, Mama』木原音瀬/志水ゆきげげげ、最初の数十ページのノリがBLではない。性格最悪のデブの描写が本当にリアルで、嫌悪感いっぱい。それにすら魅かれていく攻めの感性を疑う。無人島での極限状態とう環境設定がなければ有り得ない話だ。あ、多分、初木原だね。存外読みやすかったけど、名作というより迷作だろう。無人島での部分に受けの挿絵(顔や全体)が一切出てこないのは「ありのままの君が好き」と同じ。でも、痩せてみたら紅顔(童顔?)の美青年になるってのは、できすぎだよ。この作品、ノベルズになったのが奇跡みたいだけど、450円で買ってちょっと損したかも。エチシーンはそんなにエロく感じなかった。でも真性包茎の描写とか、BLには珍しいな。ソムリエとかロマネコンティとか、今更な流行ネタに結びつけているのはどうかなと思うし、あれだけマザコンで性格悪い受けが、痩せたぐらいで豹変するはずはないし。それより木原さん、専業作家じゃないのかね。去年までのブログにはさかんに職場の話が出てくる。今は両親同居みたいだし。でも最近は職場ネタもほとんどないし、かなりの冊数で本を出版しているから、専業になったのかな。音楽の趣味などから察するに、まだ30台半ば頃と思われますが、どうなんでしょうね。