2007.08.28

バルトの楽園

カテゴリ:萌え映画

「バルトの楽園」

去年こんな邦画が封切られていたことすら知らなかったよ。テレビとかでまったくプロモーションしていなかったような気がするんだけど。なんか特殊な法人(宗教関係)とかがお金だしているのかなあ。

坂東捕虜収容所
二次大戦での日本人のシベリア抑留ばかり話題になるけど(まだ生き証人がいたりするからな。こないだインタビューした俳優の池部良氏も抑留組だった)、一次対戦で青島陥落させた日本軍が、降伏したドイツ人を数千人も日本に連れてきていたとは、高校までの授業では習わなかったぞ。

そうだよ、一次対戦では日本はイギリスと同盟結んでたから、ドイツは敵だった。だけどちょっと前までは、秀才を国費でドイツに送り込んで技術を学ばせているし、一次対戦前の日本の軍事技術はドイツに依るところが多かったはずだ。そんな先進国としての尊敬の念があるせいか、捕虜たちは気候のいい徳島で(鳴門市とかそのあたり?)、軍部の監視はあるものの言ってみれば治外法権に近い状態で捕虜の自治を認め、一種のドイツ村を築いて、パン屋から出版社まであったとは驚きだ。どんだけ敵軍の捕虜を大事にするんだよ、ニッポン!

それにしても、現代ドイツを代表する名優ブルーノ・ガンツを起用しておきながら、なんておそまつな出来だ。子供向けの勧善懲悪道徳映画なのか。ドイツ人は皆、知識と技術をもった優れた人種でした。日本はそんなドイツ人を捕虜であってもとても大切にしました。両国の兵士たちの間には、敵・味方や人種を超えた友情が生まれたのでした。おはり。
う~ん、きれいごとばっかりだ。
だまされないぞ(笑)。

最終的に一次対戦が収束しドイツが敗北したと知るや、チンタオ総督でもあった(?)ドイツ軍のボス(ガンツ)は、ヴィルヘルム2世に顔向けできないとピストル自殺しようとして、マツケン演じる収容所の所長がそれを止める。そして、自分が会津藩士の息子で、武士としての誇りを最後まで守った父の話とか始めちゃって、軍人なら誇りを捨てるなとか言い出しちゃって笑った。ドイツ帝国代表と会津藩士を比べるか?

へんな映画だったなあ。真新しいでっかいピカピカのかやぶき屋根に住む農民とか、青い目の日本人の少女とか、恵まれた環境なのに脱走して、日本人の若い娘と対峙するのに犯しもせずに逃げちゃうとか、おまいらほんとにゲルマン戦士ですか?
いや出てくる若いドイツ軍兵士が、みんな美形で笑ったよ。かわいーよ。10代とおぼしき兵卒の果てまで捕虜にしてどーすんだ。1000人も養って、終結後皆返すってどんだけ悠長なんだよ、日本。妻まで呼んで宿舎与えるって、アホかと。今なら「国民の税金を惨敗兵に使うなど許せん!」とか世論が黙っちゃいない気がする。

でもこの時の「客人待遇」の恩義があるから、二次大戦でドイツはいち早く日本と同盟を結んでくれたんだし(日独伊三国同盟は少なくとも1940年当時は無敵に思えた)まあナチスが台頭する限り負けは見えていたにしろ、この収容所でパンやソーセージの作り方まで捕虜に教えられた日本人、たとえにっくき敵であろうとも、もてる技術は評価するというのが、明治政府以来変わらぬ態度でなかなかよろしいじゃないか。
この時、ドイツ風パンがももっと普及していたら、あんな体に悪そうな白パン文化にならずに済んだのになあと、90年前を回顧してみる。あと音楽ね。
野外で、まともな楽器もなく、そもそもどうやって第9の楽譜を入手したのか不明だけど、あんな立派な演奏であったはずがないのに。クレジットでは恥かしげもなくカラヤンの映像を出して、音源がベルリンフィルだと知る。やりすぎだって。

まあ、この時まで大日本帝国は負け知らずだもんな。日清日露と勝ち抜いて、途中参戦させられた一次大戦でも勝っちゃったもんだから(特にロシアを負かしたのはたいしたもんだった。まああの大国は日本を甘くみていたのだが)、ずっとロシアにいじめられていた東欧やトルコは未だに日本を崇拝している。チェコだったかハンガリー行った時に、いきなり「Admiral Togoを知ってるか」と言われて、それが東郷平八郎だと知ったのはずっとあとだった。ウィキってみれば世界三大提督の一人で、元帥海軍大将従一位大勲位功一級侯爵というとんでもない人なんだな。日本はさ、戦後教育で「大日本帝国」を否定しちゃって、こういうのをちゃんと学校で教えないから、外国行って恥かくんだよな。その点、ドイツは偉いぞ。自分たちの先祖がどんなにひどいことしてきたかをちゃんと教えている。
先日も、実録ニュルンベルク裁判を見たけど、ドイツの戦後処理が済んだのは、なんと1965年だった。20年の間におもな幹部は南米に逃げたりしていたが、ドイツ政府は国の名誉のために地獄の果てまで探し出して、裁判にかけたのだ。
日本の東京裁判はアメリカによる一方的な軍国主義政策つぶしだったけど、自国民が自国民の過去を「過ちだった」と裁けるのは大人だと思う。

ところで今日、唐突に極東(far east)に対する極西(far west)の謎が解けた。どこだと思う? 今はそう言わないらしいが、FENはfar east networkの略だ。で、対するfar westは在りや否やと思っていたら、お菓子やさんのガム担当者から「当社のミントは中西部(mid-west)とfar westから輸入して……」とのたもうていて、なんだそうかと合点がいった。
なぜ五大湖周辺が中西部なのか、ずっと疑問だったんだよ。あれは今のアメリカ合衆国地図でみれば、どう見ても北東だろう。なのに中西部。この言い方時代が19世紀フロンティアスピリッツの頃の名残で、当時はミシガンあたりは十分西部だった。で、東側から見たら未開拓の西海岸がfar west。西部劇見ていると、よくGO TO THE WEST! とか言ってるから、アリゾナあたりのことだろうと思っていたら、なんだよカリフォルニアだったのねと納得。まさか太平洋を渡って東洋人が入植してくるとも知らずに、勝手に極西呼ばわり。

まあ、南部の労働者を未だにred neckなんて侮蔑して言うぐらいの国だからな。あの国の平等主義は薄皮一枚で、すんごい差別主義に実は満ちているんだよな。同じアングロサクソンでさえ、氏素性で区別するし、何代遡れるかで自慢しあう。歴史の短い国ってなんか哀れ。

ああでも、○○系大統領とかって自分たちのルーツを自慢するのは、日本で○○県からは首相が出てないというのと逆だけど似ている気がする。秋田が発展しないのは飢饉も多かったことと首相が出てないからだと秋田の人が力説してた。でも美人が多いからいいじゃないか!





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Last updated  2007.08.28 08:58:49
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