2012.01.15

『神様も知らない』高遠琉加

カテゴリ:BL小説


高遠さんの徳間から初文庫作品。なんかかなり真面目なミステリー仕立てになっていて、クライムサスペンスまではいかないけど、警察内部の事情(県警と警視庁の縄張りとか)、警官の階級とか、結果を残すので放し飼いにされているアウトローな刑事とか、いつかどこかで読んだデジャビュ感はあるけど、BLというラノベであることを忘れて読みふけった。

なにしろ主人公の刑事の名前は加納さんだった。これはもう高村作品へのオマージュ以外なんであろう!というのは妄想かもしれないけど。義兄弟いないしね。

でも、なんつうかクロスバイク(説明なしでも今の若者はすぐに理解するわけね。なるほど…)で通勤していて、海外生活の長かったモダンなばあちゃんと元町あたりで暮らしている(このヘンが少女向け設定)。どんだけお坊ちゃまなんだと思いきや、機動隊上がりで柔道有段者のたぶんマッチョ。でもさわやかさん(笑)。男臭さに徹しきれない迷いが作者のなかにあるんだよねえ。だってBLだし。

最初、だれがだれとカップルなのか(になるのか)全然わかんなくて。だって花屋の青年と美形の元モデルはデキてたし、まさか蟒蛇の流さんとくっつくはずはないしと思っていたら、一方的に待つ身の花屋青年がさみしさに耐えかねて刑事に恋してた。おいおい容疑者リストにはまだ載ってないけど、彼は事件に絡んでいるんだよね?

そしていいところで「続く」となって残念。なんか本格(というか普通の警察小説)に擬態したBLだな。複数の視点(といっても2人だけど)から書かれているし、頭の悪い人間が出てこない話は私は大好物。倦んだBLリーダーは(私も含めて)きっとこういうのを望んでいるような気がする。

でもメインの二人じゃなくてどうしても流さんが気になるのは仕方がないなあ。
それにしても、ヒーロー刑事さん、金沢育ちで優雅なばあちゃんとの生活で県警エリート道まっしぐらっぽくて、かなりな王子様キャラだな。告白シーンもなんかお上品だし。流さんの番犬にしろ、ありえない品の良さ。

とか思っていたら、今日WOWOWでやっていた英国クライムサスペンスに、流&加納コンビそっくりの刑事ペアが出てきて笑った。あまりに強引で道に外れた捜査をする刑事は、妻へのDVで階段から転げ落ちて死んじゃったけどね。





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Last updated  2012.01.15 21:52:43
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