2005年CD&DVDベスト・テン《 2005年CD&DVDベスト・テン 》1位)モーツァルト:レクイエム K.626(DVD) カール・ベーム指揮/ウィーン交響楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団 グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S)・クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)・ ペーター・シュライヤー(T)・ヴァルター・ベリー(B) (収録:1971年12月) (グラモフォン〈ユニテル〉 00440 073 4081 輸入盤) ・・・数多い同曲の録音中でも、ベスト・ワンに挙げてよい名演だ。このような骨太のモーツァルトは近年聴くことができなくなってしまった。モツ・レクを愛する人にはもちろんのこと、すべての合唱愛好家、すべての音楽愛好家にお薦めしたいディスクである。 2位)ヴェルディ:レクイエム(DVD) クラウディオ・アバド指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 スウェーデン放送合唱団、エリック・エリクソン室内合唱団、オルフェオン・ドノスティアーラ合唱団 アンジェラ・ゲオルギュー(S)・ダニエラ・バルチェッローナ(A)・ ロベルト・アラーニャ(T)・ジュリアン・コンスタンティノフ(B) (EMI CLASSICS DVD-VIDEO 7243 4 92694 9 1 輸入盤) ・・・これも同曲のベスト・ワンに挙げたい感動的名演である。アバドの棒が創り出す音楽の集中力の凄さはどうだろう!オケ、コーラスも比類なき美しさである。 3位)ラフマニノフ:晩祷 マーカス・クリード指揮/シュトゥットガルト放送声楽アンサンブル (ヘンスラー CD 93.112 輸入盤) ・・・立て続けにたくさんの新譜がリリースされた『晩祷』。中でもポール・ヒリアーがエストニア・フィルハーモニー室内合唱団を振った一枚が大変話題になった。確かにそれも優れた演奏に違いないが、その上をゆくのがこのクリード盤なのだ。スケールの大きな名曲の、正統派の名演である。 4位)デュファイ:聖三位一体のミサ曲 「私の顔が蒼ざめているのは」 アントワーヌ・ゲルベル 指揮/ディアボルス・イン・ムジカ (Alpha 051 国内盤 ¥2,625) ・・・デュファイも珍しく新譜ラッシュであった。この曲には名盤といわれたマンロウ指揮/ロンドン古楽コンソート(EMI)の歌唱が存在するが、当盤はそれに更に透明感を加えたような演奏であり、デュファイの魅力を十二分に堪能することが出来る。 5位)優しい森よ~ダウランド/リュート・ソング集2 波多野睦美(S)・つのだたかし(リュート) (パルドン TH 5840 国内盤 ¥3,045) ・・・しっとりと、聴く者の心の奥まで染み込んでくるダウランドの音楽。名盤の多い波多野さんのディスクの中でも出色の出来だと思う。 6位)ビクトリア:レクイエム ハリー・クリストファーズ指揮/シックスティーン (CORO CORSACD 16033 輸入盤 SACD-Hybrid) ・・・ルネッサンス・ポリフォニーの“最高傑作”に、また一つ名盤が加わった。タリス・スコラーズ盤との聴き比べも愉しい。 7位)モンテヴェルディ:マドリガーレ集 第6巻 クラウディオ・カヴィーナ指揮/ラ・ヴェネクシアーナ (GLOSSA GCD 920926) ・・・これも既存盤との聴き比べが大変愉しい一枚。モンテヴェルディは大好きな作曲家であり、マドリガーレ全集の完成が待ち遠しい。 8位)ペンデレツキ:ポーランド・レクイエム アントニー・ヴィット指揮/ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、同合唱団 (NAXOS 8.557386/7 2枚組) ・・・強い表現力でグイグイと聴く者の胸に迫ってくる「ポーランド・レクイエム」。この曲の“決定盤”といってよいのではないか。 9位)ふるさと~日本語で歌う日本のうた デーネシュ・サボー指揮/カンテムス少年少女合唱団 ・プロムジカ女声合唱団 バンキエーリ・シンガーズ (HARMONIA HASF-101 プライヴェート盤) ・・・まるで宝物のようなCDが登場した。心に直接染み入ってくる透明感あふれる歌声!発音面でのぎこちなさなど、たいした問題ではない。 10位)ゴットヴァルト:コーラス・アレンジ集 ゲオルク・グリューン 指揮/ザールブリュッケン室内合唱団 (Carus 83.182) ・・・白眉はマーラーだ。音楽の表現力、表情の豊かさが素晴らしい。 <その他の注目CD> ベスト・テンからは漏れてしまったが、モラレスの宗教作品集(マイケル・ヌーン 指揮/アンサンブル・プルス・ウルトラ GLOSSA GCD 922001)も大変優れた演奏であったので、加えて挙げておきたい。 また、国内盤では初出となるバッハのモテット集(コンラート・ユングヘーネル指揮&リュート/カントゥス・ケルン BMG BVCD-38118)も、特筆すべき名演奏だと思う。 全集ものではタリスの作品全集(アリステア・ディクソン指揮/シャペル・デュ・ロワ Signum SIGCD 060 10枚組)が心に残った。 歴史的録音では名盤中の名盤といわれた「バイロイトの第9」が新リマスターで2種類登場したが、音の鮮明さにおいて平林リマスター盤(グランドスラム GS-2009 国内盤)に軍配を上げたい。 <期待はずれのCD> 1)デュリュフレ:宗教合唱作品全集 リチャード・マーロウ指揮/ケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団 (シャンドス CHAN 10357) ・・・音楽の流れが悪すぎる。録音も増え、珍しくなくなったデュリュフレの音楽、この程度の出来では存在価値は低い。 2)サウンド・イン・スピリット~シャンティクリア (ワーナーミュージック・ジャパン WPCS 11884 国内盤) ・・・人工的に磨き上げられた、無機質な演奏。テクニックは凄いが・・・ 「期待はずれ」というほどではないけれど「XL~サラウンドで聴く大合唱」(サイモン・ハルシー指揮/ベルリン放送合唱団 ハルモニア・ムンディ・フランス HMC 801873 SACD-Hybrid)も、筆者にとってはイマイチだった。このCDは複数のHPで絶賛されていたディスクなのだが・・・ ジャンル別一覧
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