Chuchotage

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Slash Listening

Slash Listening

スラッシュ・リスニングでは、リスニング・ユニットを長め区切りながらリピートします。
次にテキストを見ながらスラッシュを引いたところまでを順送り訳出します。それからモデルの順送り訳を聴き、自分のものと比べてみてください。人によってスラッシュの入れ方はちがいますから訳出法も変ります。訳出モデルの中で自分が利用できるものは採り入れてください。
全ての訳例を真似する必要はありません。注意して聴くことは、英語の単語に引きずられることなく、自然な日本語で訳出するためにどのような工夫をしているかという点です。
同時通訳では内容をあまり「溜め込まない」ようにします。聴きすぎるとオーラルレンダリングをしている時に次のセンテンスを処理できなくなるようなケースが多々見られます。
出来るだけ5語以内に訳出を始めたいと考えていても良いできっかけがつかめない場合は、編集をするか、主語と動詞(句)を順送り訳の応用で対処してください。

逐次通訳
実際に逐次通訳を行うときは、内容に応じて1センテンスから数センテンスをひとつの区切りにして訳出していくのが普通です。1分までの長さの音声はメモを取らずに処理できることがレベルアップの最低条件です。
通常の会話では話者がいつも論理的に話しているとはかぎりません。繰り返しや、何を言いたいのか意図が測れない冗長な言い回し、矛盾した理由付けなどにも行き当たります。このようなコミュニケーション活動を考えると、通訳者はまず、スピーカーが何を伝えたいのかを理解して、日本語または英語で練り直し、簡潔に伝えることを優先してください。
訳出ユニットが長いものも、理解ができるとメモに頼らないでも訳せると思います。理解ができないものは記憶に残りません。よく聴き、分析して理解することを心がけ、「理解の浅さはノートでカバーすることはできない。」という事実を認識しておきます。


通訳形態は要約通訳、逐次通訳、同時通訳という3つの異なるものがありますが、どの様式をとっても、通訳を行っていく上で言語の経済性の重視した基本ストラテジーがあります。

通訳は情報を伝達することが大切ですから、訳出にあたっては正確性と簡潔さ(わかりやすさ)を優先させます。正確性と簡潔さという目標がしっかり定まっていれば、どのようなアプローチで通訳処理をするかを確認すればよいことになります。この理解なしには、自分の訳出に自信が持てなくなったり、一貫性のある安定した訳出ができなくなったりします。

考慮する点は次の3点になります。
1.表層構造から脱却する。伝達意図は何かを考えて英語のシンタクス、構文、単語にとらわれないようにする。
2.言語の経済性を考慮する。できるだけ少ない言葉数で内容を的確に表現することを心がける。関連した事項は統合する。
3.情報価値を判断する。話のなかにあらゆるタイプの情報があり、価値の低いものもあれば絶対に落としてはいけないものもある。これを取捨選択して訳出する。情報を選別し、圧縮し、再編成する。削除もできる。
以上を考えてから要約通訳を行うには、しっかりした価値判断の基準を持たなければならないことがわかります。

センテンス逐次通訳
センテンスごとに逐次通訳をするときに気をつけるのは:
1. 聴衆を待たせないために、スピーカーが息を継いだところからすぐに訳出にかかる。
2. スピーカーのフィーリングが伝わるように、スピーカーと一心同体になったように訳出する。
3. 通訳者はスピーカーと同体なので、スピーカーが男性でも女性でもその人自身について話す場合は一人称「私」を使う。
4. スピーカーがユーモアをこめて話しているときは通訳者も同じ様な調子で、悲しい話はそれなりのトーンで、今日のレッスンのような商談の通訳は誠意と熱意を見せられるようにする。

論理的に一貫した訳出が即時に出来るまで練習します。言語によらないコミュニケーションも大切ですから、交渉の相手が目の前に座っていることを想定したイメージトレーニングも取り入れて練習してください。

同通
同時通訳で大切なのは情報を7~8割程度に整理することです。予め順送りの訳出練習を行なった場合、全ての文章が同通できるはずですが、今回の練習では、「待って理解して訳す」と「情報の整理」を念頭においてください。これに慣れると徐々にスピーカーが次に何を言おうとしているか予測ができるようになってきます。しかし、この次の段階にあがるまでは慣れるための基礎練習が欠かせません。


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