チューさんの今昔ばなし

2012/03/26(月)10:44

大学入試に 共通一次試験 始まる

・ 昭和54年(1979年)から 国公立大学の入学試験制度 が変わり、1月に “国公立大学共通第一次学力試験”(略称・共通一次試験)、3月に 各大学での試験、と2段階に分けて行うことになりました。大学入試 にとっては始めての試みです。 この 大学受験制度改革 のために、昭和52年(1977年)5月に 大学入試センター が設立され、準備期間を経て、昭和54年(1979年)から “共通一次試験” が実施されることになったのです。                                 入試センターの開設 “共通一次試験” 開始の年、私は入試の責任者の役目を充てられて、“共通一次試験” に真正面に取り組むことになりました。 日本では、昭和30年代から始まった産業と経済の大発展につれて、大学進学率 が年々高まりました。そして、どこの大学に入学できるかによって、卒業後の将来まで決まるかのように言われて、大学入試が社会の注目を浴びるようになりました。 出版社は、各大学の 入試問題 を調べて、 「OO大学入試・出題の傾向と対策」 というような本を販売し、高等学校側 からは個々の入試問題を採り上げて、 「難問・奇問 が多い」 とか、 「A大学の今年の問題は、B大学のO年前の問題とそっくりだ」 などと批判するようになりました。 私も、“共通一次試験” が始まるまでに、入試問題出題者 となったことがありますが、それはとても気骨の折れる仕事でした。まず高校の当該科目の教科書10数冊を読み、過去数年間の各大学の当該科目の出題内容を調べ、それから問題の作成にかかります。 自分が出題者、ということは、学内でも秘密ですし、問題作成についても、だれに相談することも許されません。試験問題の内容や文言に少しでもミスがあると、マスコミに採り上げられ、大きなミスの場合は、問題作成者の引責辞職につながることにもなります。                               最初の共通一次試験受験生たち “共通一次試験” は、それまでの 大学入試 にかかわるさまざまな問題点を少しでも解消し、全国公平に受験ができるようにと、始められたものです。 しかし何しろ、初めてのことなので、私は数日間、大学本部に詰め切り。2日間の試験 が終了して、整理した答案を送り出し、ほっとしたことを思い出します。 “国公立大学共通第一次学力試験” は、その後に 私学の参加もあって、“大学共通第一次学力試験” と改められ、さらに “大学入学者選抜大学入試センター試験”(略称・大学入試センター試験) と改称して、現在も続けられています。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る