氷子イズム

2016/09/04(日)12:56

水戸黄門 第30部第8話「記憶を探した津軽三味線」

石坂浩二さん(35)

(あらすじ) 光圀一行は、十三湖で津軽三味線を奏でていた男女が心中を図ろうとしているのに気付き助ける。 女・おようは記憶を失っており、心中はそれを気に病んでのことだった。 おようは何者かが自分を殺しにくると怯えている。 老公はおようが着ていた津軽こぎんの半纏の模様から、惨殺事件があったことを知る。そこには老中の悪事と侍一家の悲劇が隠されていた。 (感想) はい、今回はよくある記憶喪失もの。記憶を失った人の記憶を戻し、事件が暴かれ解決する。そんな話です。 今回、記憶を失った女性・おようを演じたのは三船美佳さん。ちょっと前に離婚問題で賑わったあの人です(苦笑) 女性にずっと寄り添う男に中村獅堂さん。 この二人に出会い、事件が始まります。 この話を観ましてね、氷子さんは面白いなあって思ったんです。 何に?というと、それぞれ俳優さんの時代劇に対する演技の仕方。 中村獅童さんが顕著に出ていましてね。動き・台詞回しをオーバーに演じている。それは、氷子さんが小さい頃から観てきた時代劇の感じ。 対して、水戸黄門を演じる石坂浩二さんは淡々としたもの。 見比べる気はなかったんですが、話が進めば進む程、自然と俳優さん達の演じられる姿に注目していました。 さて、石坂浩二さんの演技の仕方を存分に感じたのは終盤。 ずっと旅を共にし、源吾の母親を探していたご老公一行。母親の手がかりに行き当たったものの、結局母親は見つからなかった。源吾の気持ちを察するに余りある。かつて母親がいたであろう家を訪ね、中から笑顔で出てきた源吾の口から出た言葉は「ありがとう」。心配そうに源吾が出てくるのを見ていたご老公。源吾から「ありがとう」の言葉を聞いても笑顔は一切なく、切ない表情を浮かべ、己にも何か納得させるような頷きをする。よく見ると、目が少し潤んでいるようでもある。対してお娟を演じた由実かおるさんは優しい笑みを浮かべて源吾を見る。 そう、これがね、石坂浩二さんなんだね、と思う訳なんです。 由実かおるさんが見せたものは、時代劇で見る定番なもの。安心感のある、視聴者が観て「良かったね。」と感じさせてくれるもの。 対して石坂浩二さんが見せたものはストレートには見せない、視聴者に考えさせるもの。ご老公はこの時、何を考えているのかなあと思うんです。この見せ方を観ると、源吾の笑顔と「ありがとう」の言葉の意味に深みを増すんですね。健気な子、なんていじらしいんだ、ってね。 ストレートじゃない演技によって、作品に重みと深みを持たせる。石坂浩二さんの演技はそんなことを感じさせてくれました。 もちろん、中村獅童さんや由実かおるさんが見せてくれた時代劇定番の演技好きです。時代劇が好きな氷子さんですもの。 でもね、石坂浩二さんが「水戸黄門」で見せてくれた演技によって、あらゆる気付きや、考えるきっかけをもらいました。そして、石坂浩二さんの俳優としての更なる魅力をね 王道の時代劇でも、あらゆることを試せる。オーバーなことを言ってると思いますが(苦笑)、そう氷子さんは思います。 是非ね、この話の石坂浩二さんも観て頂きたい!

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