縦走クラブ・放浪人 --西中国山地を絆にして--

2008/10/08(水)22:28

秋の上越、谷川岳と平標山・仙ノ倉山

谷川岳から平標山と書かなかったのは荒天に阻まれて10km余りの大縦走路を歩けなかったため。2000mほどの標高だが、荒れたときの厳しさを痛感した山行だった。とは言え、古い仲間たちが久しぶりに行動を共にできて楽しい山だった。 10月5日 上越本線で土合まで行く。久しぶりの再会に話が弾み、気がつくと列車は山あいに入っている。車窓から尖った二つのコブを並べた谷川岳が見える。谷川岳はこれが今回の山行の見納めかもしれないなあなどと悲観的な感想。関東南岸を低気圧が進むため、今夕から明日前半までは雨の予報。今晩だけ降って明日は上がって欲しい気持ちだが、回復は遅く明後日も曇りの予報だ。 土合駅の地下ホームは30年ぶりだが全然変わっていない。長い階段も同じだ。しかし行列をなして登っていった登山者の姿はなくて数人だけ。昼間という時間のせいか、時代が変わったのか。 〔土合駅下りホームから駅舎への階段〕 登山口までの途中、遭難者慰霊碑の前で僧侶や地元の関係者、遺族(?)などが集まって慰霊祭が行われていた。魔の山、谷川岳である。 11:40マチガ沢から西黒尾根に上がる巌剛新道に入る。 〔登山口付近からマチガ沢を見上げる(沢奥のとがったコブが三角点のあるトマノ耳。見えてた!)〕 最初は緩やかな登りだが、徐々に急になってくる。木々の間から見えるマチガ沢もスラブ状の岩となり、沢の向こうの東尾根も岩壁、岩峰となってくる。この辺りから紅葉も鮮やかになり岩と紅葉がとても美しい。 〔マチガ沢の紅葉〕 西黒尾根との合流点が近づくにつれて鎖場、岩場が続く。ガスも降りて景色も見えなくなる。 14:05西黒尾根との合流点。下山してくる人が多いが、ほとんどは岩登り装束のクライマーで一般登山者は少ない。一般者は天神尾根を下るのか。 合流点までは風もなく、暑い暑いと汗を拭きながら登ったが、尾根に出ると南からの風が吹いて寒いくらいだ。ガスで何も見えない中を頑張って登る。超久しぶりに本格的な山に登る○さんもとても重い荷物を背負って頑張って登る。 15:50谷川岳山頂(トマノ耳)。ガスが吹き付けてメガネが曇る。オキノ耳はパスしてすぐに引き返し肩の小屋にもぐりこんだ。小屋に入ってすぐに雨が降り始め、明日は少なくとも午前中はカッパを着ての行動かと覚悟を決める。 宿泊者は食事付きで泊まる人が我々を含めて10人、素泊まりが4人だった。トイレは循環式水洗で臭わなくてきれいだし、食事も美味しかった。 10月6日 夜半から吹き始めた強風が続いている。予定通り5時に食事をして準備をするが、稜線上はここよりももっと風が強いから平標に向かうのは止めた方が良いのではないかと小屋の人は言う。 平標山の家までコースタイムは7時間30分だが余裕を見て10時間はみた方がいい。16時までに着こうと思えば予定通り6時に出る必要がある。午前中様子を見て天候が回復しても時間的に縦走は難しい。避難小屋に泊まる非常事態は避けねばならない。日程にも余裕はないため沈殿という選択もない。 縦走を諦めた場合、次の手をどう打つか。最終日に日帰りで行くとすればやはり平標をターゲットとするのが最善と思われる。天神尾根から水上に下山、JRで越後湯沢に回り、バスで平標登山口付近に入るルートは調べたことがあるので可能だが、乗継時間や宿の手配を考えるとのんびり出たのでは間に合わない。 取り敢えず歩いてみて縦走するか下山するか決断することとした。 しかしすぐに決断はついた。小屋を少し離れると風は猛烈だ。おまけに寒暖計は6℃をさしている。リスクが大きすぎる。下山することにした。小屋に残った人たちはもう少し収まってから出ればいいのにという雰囲気だったが、これでいいのだ。 肩の小屋を少し下れば風は弱くなり、単なる雨の中の下山となった。天神平から保登野沢に下る道を降りたがあまり良い道ではなく、沢も増水していて渡渉も大変で谷川温泉まで5時間近くを要した。 〔この日唯一の写真、アザミ風の花だが葉っぱは丸かった〕 水上で昼食を取ってようやく一息。駅レンタがあったのでレンタカーで動くことにした。人数的にも丁度いいし、行動範囲がぐんと広がる。平標の登山口と下山口が同じなことも幸いだ。 平標登山口付近で宿を探す。この辺の宿はスキー客相手でどこも閑散としているのは仕方がないが、できるだけ安くて綺麗な方がいい。登山口に一番近い「元橋ヒュッテ」という民宿(?)に飛び込むと適当な値段で泊めてくれると言う。宿がすぐに決まって良かった。すぐ近くの「宿場の湯」に浸かって疲れを取る。 この宿、部屋もきれいだけど食事がとてもいい。帰ってネットで調べてみると、どのHPも食事が美味しくてボリュームがあると書いてあった。食後にパーティーがあったけど、これは別に。 次の日のことはまた後日。

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