渡辺温「イワンとイワンの兄」・本
1928(昭和3)年「新青年」1月初出。朗読時間約19分。父親が死の淵で遺言として賢いイワンの兄には馬鹿なイワンの面倒を見る条件で全財産を、イワンにはどうにもならない時に開ける小箱(中には生涯安楽にして食べるに困らないだけのものを見出すことが出来るものが入ってる)を与える。それから兄の小箱への執着が始まり、さらに兄が美しい孤児の娘と結婚することで頑なに拒絶したイワンに変化が起こる。画してイワンは兄の嫁を、兄は小箱を手に入れるが兄はまもなく行方不明になりイワンと美しい嫁は何十年も幸せに過ごす。その頃兄は生きてはいるが…という話。さて、父がイワンに遺した「生涯安楽にして食べるに困らないだけのもの」とは。作者は「みなさんは、それでもイワンの父親がその息子たちのためにして置いた事をば、間違いだとはお考えにならないだろうと思います。」と結ぶけど、いやぁそうかなぁ。父は馬鹿なイワンのことをどう思ってたんだか。まさか兄が欲にかられて小箱を開けイワンの代わりに穴に来ると見通してのことだったのか。そうだったらそれはそれで酷だ。どない解釈したらええんや、教えてちょんまげ。