事故物件~恐い間取~【スリラー】
【事故物件~恐い間取り~】去る8月17日に静岡県浜松市では41.1度を観測し、歴代最高気温をたたき出しました!猛暑を誇る(?)群馬や埼玉ではなく、静岡ですよ!※読売新聞から一体全体、日本の夏はどうなってしまったのでしょうか?!この状況、日本に限ったことではなく、世界規模での気候変動なので致し方ありません。せいぜい40度超えの気温になったことを、職場の同僚らとこの夏の話題として記憶に留めておくぐらいでしょうか。さて、当ブログの更新を楽しみにお待ちいただいている読者の皆さま、大変お待たせしました。満を持しての更新ですよ、はい。夏はやはり涼を求めてあの手この手でひと時の悦楽を味わうのであります。私はやっぱり映画に求めるのです。それもジャンルは【ホラー】。背筋も凍るような作品を見て、彼岸の一歩手前に立ち尽くすのです。ところで我が日本の映画館はスゴいですよ!徹底した換気とアルコール消毒、入場者全員の体温チェック、さらには間隔を空けた座席。見事なコロナ対策!!私は安心してホラー映画を堪能しました。難点をあげるとすれば、私の右側に座っていたバカップルが周囲の視線を憚ることなくイチャイチャして、時折、彼女の「やーん!こわいー!」とか「もう泣いちゃう」など、ぶりっ子しちゃってるガールの現場を見せつけられたこと。もう勘弁してよー、と何度喉まで出かかったことか。そんな中、私は『事故物件』を観た。ストーリーはこうだ。お笑いコンビ、ジョナサンズの山野ヤマメと中井大佐は結成から10年が経つものの全く売れないでいた。食べていくのもままならない状況となり、中井は「解散しよう」と切り出す。それまでネタを考え、ジョナサンズを引っ張って来た中井は、放送作家に転身すると山野に告げて来た。一方、唐突に解散を言い渡されピン芸人となってしまった山野は、途方に暮れる。時を同じくして、番組プロデューサーの松尾は視聴率を上げるために様々な企画を考案中だった。ピン芸人として何でもやりそうな山野に目を付けた松尾Pは、お笑い番組への出演を条件に、事故物件に住むようムチャぶりするのだった。そして山野は、考える間もなくその場の流れに乗って、殺人事件が起こったアパートで暮らすことになった。この作品の元ネタになったのは、名古屋テレビで放送されている『北野誠のおまえら行くな』と言うホラードキュメント番組である。リアルな怪奇現象に体当たりでレポートすると言うもので、その一つのコーナーとして〝事故物件住みます芸人〟が誕生した。その芸人こそ松原タニシで、今や『恐い間取り』と言う自身の体験談を寄せた著書が話題となっている。(すでに続編も出版されている。)この松原タニシをモデルにして出来上がったのが本作『事故物件』なのである。私個人としての感想を言ってしまえば、やはりアメリカの実話に基づいて作られた『パラノーマル・アクティビティ』のような戦慄を覚えるほどの恐怖はなかった。なにしろ元ネタである松原タニシのリアルな動画撮影の方が、自然だし臨場感もあるし未知のものへの不安やら恐怖をより一層煽られるものだからだ。とは言え、『事故物件』のメガホンを取ったのは中田秀夫監督である。代表作に『リング』や『貞子』などがあり、ホラー映画界の奇才であり、本作も悪かろうはずがない。今回の作品はおどろおどろしいものではなく、ちょっとコミカルで笑えるホラーを目指した感がある。心理的にズシンと来るものは昨今のトレンドではないことを、この監督はよく理解しているようだ。主人公の山野ヤマメは言わずと知れたKAT-TUNのメンバー亀梨和也が熱演。売れない芸人の役でダサい格好しているのにもかかわらず、カッコいい!本作で見せた演技はとても自然で好感の持てるものだった。先日の〝女子高生モデル持ち帰り〟報道では、相棒の山下智久と同じバーで飲み会を楽しんでいたことで、矢面に立たされた。まだまだ伸びしろのある将来有望なトップアイドルなのだから、今後はくれぐれも自重し、役者として精進してもらいたいものだ。『事故物件』は涼を求めて観に行った私だが、本来は友人やカレシ、カノジョとキャッキャと楽しみながら鑑賞するホラー映画なのかもしれない。ツッコミどころ満載の作品である。2020年8月公開【監督】中田秀夫【出演】亀梨和也、奈緒、瀬戸康史