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ご機嫌な毎日 <東京見聞録>

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翠川あやめ

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2005年10月23日
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カテゴリ:映画
 本日は昨日観た、フランス映画を2本紹介。

 刺繍、これをモチーフに、
望まない妊娠をした17歳の娘と、事故で息子を亡くしたばかりの女との
静かな交流を描くフランスの作品『クレールの刺繍』
 カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ受賞作。

 フランスには「マドモワゼルXの出産」という制度があるそうです。
つまり匿名出産。
捨て子や子殺しを防ぐ為に、出産後すぐに里子にだされる。
「出産に際し、母の身元を秘すべき事を求める事ができる」
という法律があり、
この物語の主人公、クレールはこの制度を利用しようとします。
だから地元で産まず仕事を辞め、
それまで大好きで続けていた刺繍のアトリエを訪れ、
弟子にしてもらおうとします。
 フランスでは、クリスチャン・ラクロワを代表するように
オートクチュールなどで刺繍が大切にされ、工房もあります。

 映画の中でも、数々の刺繍が出てきます。
その中でもラクロワのショー用ものが、息をのむような見事さ。
でも日本でよく見るような、クロスステッチと違い、
ビーズなどを鈎針でひとつづつ止めていく、ちょっと変わったものです。

 心を閉じた女がふたり、黙々と刺繍を刺し続ける姿は、
静かながらとても深い繋がりを感じます。
息子を亡くした女の前に、子供を里子に出そうとする女が現れ、
そしてその母親は子供に関心がなく…
 女という”業”を考えさせられる映画でもあります。


 また豪華な1本は、ルパン生誕100年で制作された
その名も『ルパン』。
 これはアルセーヌ・ルパンの子供時代から、カリオストロ伯爵夫人や
奇岩城などの有名作品をフューチャーした、新解釈娯楽作品。
(ちなみに”ルパン三世”のおじいちゃんですね…)

 必見は、怪盗ルパンが狙う宝飾類の数々。
これが、カルティエが全面協力しての本物(一部レプリカもあり)!
いやぁ見事です。

 フランスの美に対する審美眼の高さが際立つ2作品です。


『クレールの刺繍』 2004年 フランス
 監督   エレオール・フォーシェ
 キャスト ローラ・ネマルク/アリアンヌ・アスカリッド

『ルパン』 2004年 フランス
 監督   ジャン=ポール・サロメ
 キャスト ロマン・デュリス/クリスティン・スコット・トーマス
 





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Last updated  2005年10月23日 14時54分17秒
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