ご機嫌な毎日　＜東京見聞録＞

　世界初サンゴ礁の再生を行った、金城浩二さんの実話を元に、

夢を追い続ける人、それを支え続ける人々を追った

『ていだかんかん』。

　子供のころから生物にしか興味無く、大人になっても何をやっても

上手くいかない”欠陥品”の金城、

幼馴染でみんなの憧れの女性・由莉との結婚を機にバーを始める。

ようやく軌道に乗ったところで、「店を全部やめてサンゴの再生をする」と宣言。

「子供たちに由莉に、あの美しかった海をもう一度みせたい」

　そんな金城に友人たちはもちろん、由莉も文句も言わず協力する。

しかしあまりに馬鹿げたことに他の人たちは見向きもしない。

多くのバッシング、多額の借金・・・くじけそうな心を支えたのは、

いつも一生懸命な金城の姿を応援し続けた、友人であり、由莉であった。

 　「森に木が無くなったら、木を移植する。

　　海にサンゴが無くなったら、サンゴを移植する」

とってもシンプルな考えだけど、中々思い至らないかもしれない。

　「（サンゴが失われたのは）地球温暖化のせいじゃないよ。

　人間が海を汚したせいだよ」

金城の言葉は分かりやすく、心に飛び込んでくる。

ずっと海を愛した男の心の言葉だから。

　そしてそれを陰でときに正面切って助ける、妻の姿。

こんなに信頼し続けられる夫婦の愛がうらやましい。

協力を惜しまない友人たちの姿も心をうつ。

それもこれも、金城がまっすぐにぶれなく夢に向かって歩み続けるから。

一人ではじめた”夢”だが、それは多くの人巻き込んだ”夢”になっている。

本当に信じた道を歩んでいる人のまわりは、

そんな風に開けていくのではないのだろうか・・・。

　監督　李　闘士男

　ＣＡＳＴ　岡村隆史　松雪康子　國村隼　原田美枝子

　　４月２４日より全国公開です。