2008/11/11(火)01:15
たみおのしあわせ■これは父と息子の「パラダイス鎖国」か?
この映画の終盤にアメリカ映画「卒業」の有名なラストシーン
をほとんどそのままもじったシーンが登場する。
こうしたシーンの場合、ほとんどが出来損ないのパロディに
なりがちであるが、この映画ではなかなか効果的に演出されて
いる。ここでは逃げる為に花婿の手を取るのは父親である。
息子の心情と花嫁になる女性の実体を考えると、これが最良の
解ということだろう。
バスに乗って逃げ出した先の野原で一人の女性の姿を見つける。
亡き母の姿であろう。
花嫁となる女性と亡き母の幻の対比。
これがこの映画のテーマなのかも知れない。
亡き母が息子・たみおの理想とすれば、その生きた理想に会える
日はやってくるのか?
それまでは父と子はひっそりと己たちの世界に引きこもるのか?
この映画は個人的パラダイス鎖国を正当化したものだろうか?