2009/08/19(水)01:23
サマーウォーズ■「戦い」ではなく「戦い方」の映画
この映画では戦いが描かれる。栄おばあさんを中心と
する一家と健二が戦う相手はサイバースペースの中の
怪物である。バグのようなものであり、この相手には
人格のようなものはない。
従って、この戦いには「正義対悪」のようなものはな
い。むしろ、身内の中に悪があり、その不始末の決着
という意味もある。
もちろん、映画においてサイバースペースの中の怪物
の戦いが見せ場のようであるが、実際の見せ場は、戦
いそのものより一家と健二の戦い方にある。
それはネットワークの作り方であり、役割分担の仕方
である。栄が国内のあちこちに、それも相当の大物が
相手のようであるが、電話をかけまくる場面こそが、
実はこの映画の真の見せ場ではなかろうか。
「ここで頑張らなくて、いつ頑張るんだい?」という
言葉こそ任侠映画の「お命戴きます」に匹敵する戦い
の決め台詞なのである。