2009/08/28(金)03:12
G.I.ジョー■アクションはあるが、ドラマはない
もし、「忠臣蔵」が全編にわたって討ち入りシーンで
あったとしたらどうであろうか?そんなものは意味が
ないと即座に言われるであろう。当然だ。討ち入りが
クライマックスになるのは、その前のドラマが積み重
なっているからである。
この「G.I.ジョー」を見ながら、そんなことを考
えた。この映画の作者は、おそらく視覚的な効果につ
いてのみ考えて創ったのであろう。こんな場面を作っ
て、実写で見せたら観客は驚くであろうと考えながら
創られたそんな場面の連続である。
それゆえ、全体は単調なメリハリのない仕上がりにな
ってしまっている。
アクションはあるが、ドラマはない。
ドラマがないゆえに、登場人物たちのキャラクターの
魅力もなく、もちろん出演俳優たちの魅力もない。
それでも続編が出来そうな設定。
観客はこんな映画を待っていると思われているのか?
戦闘場面は全く登場しないが、戦争状態に置かれた社
会とはどういうものかを描いた「シリアの花嫁」とは
対極の映画表現である。