2009/10/25(日)07:33
「のんちゃんのり弁」は緒方明監督の職人技で成り立っている
緒方明監督は「独立少年合唱団」と「いつか読書する日」を
見ればわかる通り、とにかくきっちりと作品を撮る監督であ
る。この作品もその通りで、実はさほど面白くもないような
素材と人物たちを実に巧く描いて、面白い作品に仕上げてい
る。上記で紹介した2作品には地方の共同体や風土というも
のが背景にあったのだが、この「のんちゃんのり弁」では東
京の下町がある。その下町の共同体の風情に寄りかかること
なく、それが次第に消えつつあることを工事現場を多く見せ
ることで描いている点がこの作品の特長であろうか。
この監督には、もっと企画が来てもいいと思うのだが・・・。