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2010年11月16日
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ボローニャといえば、今年は亡くなられた井上ひさしさんの
「ボローニャ紀行」に感銘を受けた。その感銘も覚めやらぬ
ときに出会った「ボローニャの夕暮れ」という映画。
第二次大戦中から戦後に至るボローニャのある家族の物語。
ごく普通の家族と言いたいところであるが、この中で起きる
事件は決して平凡ではない。
娘を溺愛する父親、夫婦にも妻の夫に対する感情は決して平穏
ではなく、娘と母親との感情的な対立もある。そんな中で娘が
犯した殺人事件。
時代背景には第二次世界大戦があり、戦争の波はボローニャに
も押し寄せてくるのだが、そうした出来事より家族の中の出来
事や人々のふるまいの方がはるかに衝撃的である。
それゆえ、この映画からは「ボローニャの夕暮れ」という平和
な感じの日本題名からははるかに離れた異様なものを感じる。
これは私の感想であるが、一人のダメ男が家庭を崩壊させなが
らもそこには一片の反省もないというドラマに見える。
ラストにこの家族の再生が描かれるのであるが、その再生こそ
が最も異様に感じられ、人間というものの複雑さを教えてくれ
るのである。





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最終更新日  2010年11月16日 07時37分03秒
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