◆ ハーフタイム ◆
早朝、東の空に、ゆらゆらと赤い太陽が上って来る様子を久しぶりに見ました。早起きの辛さも忘れてしまうほど、清々しい朝を、私は、ワゴンの後部座席で、コンビニで買った缶コーヒーを飲みながら迎えたのでした。*-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----*この冬2回目のスキーに、行ってまいりました。とは言いながら、時間、予算、その他の都合により、日帰りスキーです凹。(だから、早起き)家を出たときは、いつもより気温も高めで、天気もよかったのにスキー場の天気は、雪。それもかなりな勢いの雪でした。風も強く吹き荒れて、ちょっとした吹雪のよう。それでも、折角早起きしてきたのだし、スキー場での短い一日を、少しでも楽しもうと寒さをものともせず、何度も何度もリフトで上っては滑り降りてきました。が。朝から2時間以上も、滑っていると、さすがに体が冷えてきます。11:30。昼食には少し早い時間でしたが、レストハウスが混む前にと言う事で、ランチ休憩を取る事にしました。意外に、早くテーブルに着くことができ、雪が溶けかけて濡れているグローブ、ゴーグル、帽子もはずし、がっちりと着込んでいた、ジャケットを脱ぐと冷たい、雪と風の中で縮こまっていた体がとたんに、ふわっとした開放感につつまれ、顔はほてり、全身が脱力気味。外の降りしきる雪を眺めながらボーッとしていたら、なにげに、隣のテーブルの男女の会話が勝手に耳に入ってきました。(盗み聞きしていたわけではありません。)青年2人と女の子1人の3人のようでしたが、どうやら、その女の子は、青年達とそれほど親しい間柄と言うわけでも無さそうで、自分の職場の話などをいろいろ彼らに話して聞かせています。今度、合コンをやろうとか、そんな話で盛り上がりつつも「友達は私以外は彼氏がいる子ばっかりだけど・・・それでもいい?」 とか、「いや、それはカンベン・・・」とか、女の子は、その場を盛り上げんと、明るく元気によく喋り、青年達も、その話に、相槌をうちつつ、さわやかに「あっはっは・・・」とよく笑い・・・一見楽しげな会話のようでありながら、乙女心、青年心の複雑な思いが錯綜しているように見えました。チラリと横目で見た、女の子の顔は、結構カワイイし・・・青年2人は、何を思っているのやら・・・( ̄ー ̄)ニヤリと、ついついオバサン根性が・・・、益々、そちらのテーブルの会話ばかりが、集中的に私の耳に飛び込んできてしまいます。一服して、女の子が「トイレに行って来る。」と席を立つと・・・青年達が、今までの明るい笑い声よりワントーン低くなった声で、なにやら話し始めました。「どう?」「うーん・・・すごくいい人だと思うんだけどなぁ・・・なんか、ちょっと違う気がするんだよなぁ・・・」「あ~、わかるわかる。そんな感じだよなぁ。」いい人だけど、どうもダメ・・・って、女の子がいない間に、彼女の批評会議だ・・・。君たち。彼女は明るくて、元気でかわいいじゃないの!そんなこと言う前に、自分達自身の事を振り返りなさい! と言いたい気持ちがフツフツ・・・。一人の青年は、「いいじゃん。今から1年ぐらい付き合ってさ、そしたら、お前も30になるんだから、ちょうどいいじゃん。」とか、相手を結婚させようとしているし。気が早いっての!別に自分がいらないからって、相手に押し付ける事もないだろうに・・・ やっぱり、自分的にもちょっとは惜しい気持ちが、どこかにあるに違いない。相手の青年も「う~ん・・・・・」とニヤニヤしながら、煮え切らない返事。ヤレヤレ・・・そうこうしているうちに、彼女がトイレから戻ってきました。二人の青年は、示し合わせたように、彼女の恋愛遍歴をさりげなく聞き出し始めました。「いままで、8人ぐらいかな?」ほぉほぉ・・・ 「でも、みんな短期間なんだよねぇ・・・2ヶ月とか3ヶ月とか・・・どうも、あたしって、サバサバしすぎらしいんだよねぇ・・・」と彼女はサバサバと答えていました。なーるほどぉ・・・・・・ちょっと納得 さて、それを聞いた青年達は、果たして何を思ったことやら・・・と言うところで残念ながら、タイムアウト~ 彼らも、再びジャケットを着込み、空いた食器を片付け始めました。私も、グローブと帽子とゴーグルを着けて、冷たい雪と風の中へ再び繰り出す事に。不完全燃焼な感じの話で申し訳ないですが・・・、スキー場のレストハウスでのランチタイムっていうのは、午前と午後の、スキーやボードの楽しみの合間のちょっとドキドキするハーフタイムだったりするのねぇ・・・と、ちょっとニンマリしてみました。