幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

2006/10/25(水)07:35

キノコのデュクセル

 これは、シャラン産窒息鴨のフィレ肉のデュクセルソース。 そして、これはホロホロ鳥のデュクセルソース。 デュクセルというのは、本来マッシュルームをみじん切りにしてエシャロットや玉葱のみじん切りも加えてバターでゆっくりと弱火で炒めたもののことで、ソースの材料やファルス(詰め物)に使う物なのだ。 私の場合、しいたけやシメジ舞茸なども使って日本のキノコを使うことが多い。これらのキノコはマッシュルームに比べて旨みや香りも強いので、エシャロットや玉葱は入れないことも多い。(たまにニンニクを少し入れることもある) しいたけや舞茸、シメジなどは石突を取ってフードプロセッサーにかけてみじん切りにするのだが、ピュレのようになってしまわないようにある程度荒めにしたほうが、食感が楽しいかもしれない。好みで、オリーヴオイルやバターを少し使って弱火でゆっくりと火を入れる。炒めるというより水分を飛ばして味を濃縮する感じで、旨みを濃縮する。私のお気に入りのやり方は、新潟の米どころの魚沼産のしいたけを使い、プラック(鉄板ストーブ)の端の方で2時間以上かけて仕上げるという方法。 通常は焦がさないようにするのだが、デュクセル・ブリュヌといって最後は強火にして少し焦がす場合もあるのだが、普通は焦がさないことが多い。 上の2品のような肉料理には、フォン・ド・ヴォーや肉のジュと合わせてソースにしたものだ。また生クリームとも相性がいいのでクリーム仕立てのソースにすることもできる。クリーム系のソースは魚料理にも使える。 また、デュクセルを入れて炊き込みのピラフやリゾットにするとキノコの味が効いた美味しいものができるし、スープや煮込み料理に加えても良いしパスタソースやテリーヌの仕込みの風味付け等、とても応用範囲が広く重宝するものだ。

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