カテゴリ:シェフのスペシャリテ
お米でつないである蕪のポタージュです。米でとろみをつけるという技法はとてもクラシックでもう忘れされている感があるが、うまく使うととても上品なポタージュができる。 さて、8周年コースが大好評です。 毎年のサンク・オ・ピエの二大メニューが、この開店記念のコースとクリスマスディナーなんです。クリスマスディナーの時期にはトリュフがあるので、クリスマスはトリュフの香りを中心にメニューを組みます。開店記念コースは、2月21の開店記念日から毎年3月末までのコースですが、クリスマスが終わったらもう考え始めます。 ここ数年の課題があって、まずはクラシックなメニューで普段なかなかできないものを一品入れること。それから、三ツ星シェフまたは有名店のコピー料理を一品入れることと、かなりユニークなデザートを考えるという3点。 まずはクラシックなメニューとして、オマールのビスク。 スープのために活のオマール海老を二人で一尾使ってしまうこのメニューは、原価がかかりすぎるのでそうそうできるものではない。オマール海老は高いので、もしこれをアラカルトで出したら、一杯¥3000は超えてしまうことになる。スープ一杯が¥3000ではなかなか売れないだろうから、今時こんなゴージャスなスープは作られることはほとんどないだろう。だが、やはりビスクというスープは、コンソメと並ぶフランス料理のスープの最高峰であることは間違いないのだから、こういう機会にぜひ味わってもらいたいものだ。 三ツ星のコピー料理。今回は20世紀最高のシェフと言われるジョエル・ロブション氏のレシピによるもの。レシピは彼の著書から頂いたものです。ロブション氏のレシピは、とても正確で嘘偽りなく、その料理のポイントやコツなども惜しげなく伝えてくれる大変ありがたいもの。 ただ、レシピというものは、当たり前だが料理そのものではない。音楽における楽譜のようなもので、レシピがあれば料理ができるというわけではないのだ。私の場合、他人のレシピで料理を作るときは、まず何回も読みこんでその料理の味わいのポイントや使われた調味料や食材の意味や役割などが、自分なりに完全に把握できたと感じるまでは絶対に作らない。 つまり作者がどこをどのように美味しく感じてもらいたくて作るのか?その焦点が見えなければ、作る意味がないと思っている。 この料理は、半分ピュレにしたレンズ豆と丸のままのレンズ豆をクリームで仕上げ、蒸して柔らかくなったフォアグラの滑らかな食感との渾然一体となる食感がポイントになる。さらにほんのりかおるスパイスのバランスもポイント。その香りが、アルザスのゲヴェルツトラミネールというワインと見事にマリアージュするのだ。 作る前に考え抜いて、味わいや合わせるワインまで思いつくくらいになったところで初めて試作する。たいていは、一発で決まることが多い。
デザートには、フォアグラのプリン!これならユニークでしょ?ただし、ユニークなだけで食べて美味くなければ意味がないのですが、自分で食べても美味しいと思うし、評判も良いですよ。 詳しくはホームページをご覧ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 14, 2009 09:32:25 AM
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