2006/07/20(木)22:27
母の焼くドイツパン
ボワドヴァンセンヌのパン
私が小さい頃、母は忙しい合間をぬって手作りのパンを
焼いてくれました。
パンに限らず、お団子、草もち、中華まんにドーナツ。
いつもおやつが楽しみでした。
特に好きだったのがドイツパン。
カトリックだった上に、叔母が神父様の秘書をしていた関係で
我が家はスイス人の神父様がよく出入りしていました。
パンはその神父様に教えていただいたそうです。
パンのみならず、スグリや苺ジャム。バター。ケーキ。
果ては自家製ハムまで作っていました。
パンはライ麦の多いハードなずっしりした黒パン。
キャラウェイシードも入った本格的なパンでした。
ぼそぼそするけど、薄くスライスして、スグリジャムを
たっぷりつけて食べるとおいしくておいしくて。
白いパン、つまり普通の食パンとか菓子パンは
家で焼けないものだと思っていました。
あれは買うもの。
自家製パンはみな黒パンだと信じて育ってきたのでした(笑
回りでパンを焼く家なんてなかったので
比べようもなかったのです。
母が「おはよう奥さん」とかいうNHKのTV番組に
出ることになった時のことです。
私はカルチャーショックを受けました。
お店で売ってるようなパンを焼くお母さんがいるんだってことに!
それから○十年。
料理の嫌いな娘が、何の因果かパンの講師・・・
私の根底にはいつも母のドイツパンがあるのです。
それは決して超えられない母の味。