波止場
フリーの「???」欄はひとまず落ち着きました。書き足りないことがある気もするので、思い出したらまとめます。そちらでは、監督のSupieへの敬意ということでまとめましたが、実はとても大切な場面が、それとは別にあるのです。 Smallvilleの養母Martha Kentを演じるのがEva Marie Saint。最近ではあまり顧みられない女優さんですが、映画デビュー作「波止場」でいきなりアカデミー賞に輝いています。「北北西……」「栄光への脱出」「いそしぎ」など名作にして名曲を産んだ、合衆国の素晴らしい映画に出演しています。そんな彼女がなぜ今回Martha役に?という気もしますが、実は「波止場」で恋に落ちる相手が同い年のMarlon Brandoなのです。同時にアカデミー賞を受賞した2人が、実の父と育ての母としてこんなところで並ぶのです。しかも、Kent家のピアノの上にはかつての繊細な美しさを見せたEvaの写真と共に、Jonathan Kentを演じたGlenn Fordの写真まで! 当初の設定では、隣人のBen Hubbard(「おやすみ、マーサ」と言って帰る爺さん、病院前でも隣にいます)と再婚話がでるはずで、病院前でもLoisとちょっとしたニアミスがあったはずなのですが、その辺りは採用されていません。 でも、こういう心憎い演出というか、映画作品への敬意というのが、ちょっと素敵です。