フォーチュンな日々(仮)

2007/08/01(水)22:04

篠田真由美「聖女の塔」

ミステリー(312)

本日ご紹介するミステリーは、篠田真由美さんの「聖女の塔」です。 ●あらすじ 「白い天使の教会」の名を持つ新興宗教施設に行ったきり、友人が戻ってこないのだと蒼に相談を持ちかけた川島実樹。蒼と彼女は施設に調査に赴いた。手がかりを得られなかった実樹は「白い天使の教会」に入信し、蒼は京介に相談をしようとしたが、数日が過ぎても彼とは連絡がつかなかった。 ●簡単な感想 15作目でシリーズ終了というのを知らなかったので驚きました。たしかに、収束に向かってはいましたが。 今作でも過去の作品に登場した人たちが出てきます。ほとんど覚えていないので、よくわからない部分があったのが残念でした。後3作で終了することですし、また1作目から読み返してみようかとも思います。 今回の作品は、展開が好みだったのもありますが、最後まで楽しめました。先が気になって長々と読みふけったのは久しぶりです。すでに発売されている次巻も楽しみです。 「あとがき」にあった桜井さんたちのような「名探偵」ですが、御手洗さんは該当しないのでしょうか。30代からはじまって、今はもう50代だと思うのですが。御手洗さんをご存じないとも思えないのですが、知らないだけでしょうか。桜井さんのシリーズは蒼がいるので変化がわかりやすいですが、御手洗さんたちはあまり変化を感じないといえば感じないですが。石岡さんは退化してますけども。里美がわかりやすいといえば、わかりやすいですね。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 「あとがき」の最後にあった「二人の登場人物」は松浦さんと相原さんで良いのでしょうか。綾乃はいくつかで登場してますし。それにしても、よく思い出せない人がメインになると、効果が薄れてしまうように思うのが残念です。面倒でも、ファンにはただの無駄な説明になっても、できるだけ繰り返してもらいたいです。特に松浦さんはラストに向かって大きく関わってきそうですし。 今回の作品に翳があまり登場しないのが良かったです。刷り込みじみてますが、初期メンバーだけの方がしっくりくるので、翳は蒼の物語でのみのメイン参加となってもらいたいです。それにしても、彼は蒼に恋心を抱いているのでしょうか。京介がいなくなった後の支えとして必要なキャラではあるでしょうけど、そこまでいかなくても、と思います。蒼の中では翳>京介になってるのかと思っていたので、今回の蒼はちょっと意外でした。キャリアの差というのは納得ですが。翳に追いつけるようには思えませんが、どうなのでしょうか。 最終的に、深春は京介と一緒にどこかに行ってしまいそうな気もします。でも、このシリーズの要は京介と蒼ですね。次回作も京介と蒼のようですし。お互いからの自立が最終目標でしょうか。京介からの巣立ちは良いですが、結局翳に依存するような展開にはならないと良いです。適度な距離を保った上でのいい友人でいてもらいたいものです。 門野さんは亡くならないことを願います。いかにも最終的に亡くなってしまいそうなので。車椅子についても、本人は楽だからとか言ってましたが、実際はやはりないと動けないのかな、と思いました。 以上です。

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