フォーチュンな日々(仮)

2009/04/11(土)21:32

日渡早紀「ぼくの地球を守って 8」

本(100)

本日ご紹介する本は、日渡早紀さんの「ぼくの地球を守って 8」です。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 今回はありすが、わたしが思っていたことを思ってくれました。読者の疑問というか思いをキャラクターが思ってくれると入り込みやすいです。 輪は輪というよりも紫苑になってしまって、それは少なくとも両親にとっては喜ばしいことではないですし、苦しんでる輪にとっても同様だと思います。最後には記憶から解き放たれると良いです。月基地のことさえ何とかできれば、記憶にはもう用はないと思いますし。 輪というか紫苑は不幸なんですが、現代では春彦に気遣ってもらえてて、迅八も紫苑を認めていて、未来路の母親までもが輪にも気遣いをしたらどうかと言い出して、周りが優しすぎるのが気がかりです。紫苑の時代のことは紫苑の時代のこととして、輪にどれだけの言い分があろうとも、春彦を殺していい道理も田村さんたちを傷つけていい道理もないわけですから。とはいえ、輪があまり悪く思えないのも事実です。結局のところ、肉体的に一番傷ついているからでしょうか。 輪の思惑は進んでいるのだかいないのだか良くわかりませんが、春彦はありすとデートする気はなさそうです。キィ・ワードのことは少しお預けでしょうし。 紫苑はよく曲がらずに育ったな、と思います。シュウカイドウと出会った頃もずいぶん素直なように見えますし。口は悪ですけど、あまり曲がっているようには思えないです。玉蘭は無神経な人のように描かれていますが、こちらもあまり悪くは思えないです。とはいえ、学生時代から月基地に行くまではまた紆余曲折がありそうですけども。月基地での紫苑と玉蘭は親友や幼馴染という感じでもなかったですし、学生時代の紫苑よりも輪の方が玉蘭を嫌っているように思いますし。 前巻は輪贔屓が少々目に付きましたが、今回はそう思いませんでした。紫苑の不幸な過去は色々ありましたが、他のキャラを下げて輪を持ち上げている感じがしなかったからかもしれません。 以上です。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る