2009/10/02(金)21:24
古処誠二「線」
本日ご紹介する本は、古処誠二さんの「線 」です。
9作の作品が収録された短編集になります。
●簡単な感想
戦時ニューギニアでの日本兵をはじめとする日本側の人々の様子が書かれた短編集です。
古処さんの短編ははじめてだと思います。
これまでの作品に比べても非常に淡々とした話になっています。
あくまでも実直に描かれた作品は、ともすれば退屈さしか感じないかもしれません。読者を突き放したようにも思える作品ですが、押し付けがましさがないだけに、自分でどこまでも考えることができる作品だとも思います。
悲惨さが強調されているわけでもなく、山場や感動があるわけでもないですが、飾り立てられていないだけに、真に迫るものがありました。
こういった作品を書き続けてもらいたいです。