フォーチュンな日々(仮)

2011/12/12(月)21:27

蝦蟇倉市事件2

ミステリー(312)

本日ご紹介するミステリーは、秋月涼介さん、北山猛邦さん、越谷オサムさん、桜坂洋さん、村崎友さん、米澤穂信さんによる「蝦蟇倉市事件(2)」です。「1」もありますが読んでいません。 ●あらすじ 不可能犯罪の発生率の異常に高い蝦蟇倉市で起こる不可解な事件。不可能犯罪係の真知博士は難事件を次々に解明していた。 ●簡単な感想 読んだことのある人が何人かいるので、ということで読みました。1はほとんど知っている人がいないので読んでいません。 2から読み始めてもそれほど困らないと思います。真知博士については3作目まであまり語られないですが、特に差し支えはなかったです。 蝦蟇倉市を舞台にしたミステリーをいろんな作家さんが書かれています。 同じような話ばかりだったのが残念です。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 さくら炎上(北山さん)…少女らしいひたむきさだとは思いますが、さすがにやりすぎです。真知博士のことを知らないわけでもないでしょうに、もっと離れ離れになることはどうでも良かったのでしょうか。 毒入りローストビーフ事件(桜坂さん)…殺人現場で話しているのかとはじめに思ったので驚きがなかったです。無駄話で枚数を稼いでいるだけに思えたのは残念です。 密室の本(村崎さん)…その自殺は無理があると思ったら他殺でした。不可能犯罪と呼べるほどの事件ではないように思うのですが、大々的に取り扱われるのでしょうか。あの程度のトリックで身を滅ぼすのもどうなのかと思います。 観客席からの眺め(越谷さん)…智代が犠牲になることなんてわかりきっていると思うのですが、何の対策もせずにおいしい思いあけして被害者みたいな顔をするのってどうなのでしょうか。結局、智代が手を下すまで何もできなかったわけですし。狂っていたということで落ち着いたようですが、それで終わられても、と思います。四作中三作が語り手、または語り手の友人(恋人)が犯人なのも多すぎました。 消えた左腕事件(秋月さん)…ミステリーらしいミステリーで安心して読んでいたらまたこのオチですか。いくらなんでも続きすぎな気がするのですが。被ったということで書き直してもらうわけにはいかなかったのでしょうか(書かれた順番がわからないので、特に秋月さんに、という話ではないです)。捕まらずに終わってばかりですし、同じ最後の作品ばかりで面白くないです。 そもそも、今回書かれた方々にとっては、他人が作ったと思われる真知博士が動かしにくいのかなと思いました。逮捕の様子が書かれないのはそういう意味もあるのかとは思いますが、犯人の心情描写で終了ばかりなことにもうちょっと何か工夫をしてもらいたかったです。 ナイフを失われた思い出の中に(米澤さん)…妹についての描写がなく、前提が良くわからないままだったので読みにくかったですが、まっとうなミステリーだったと思います。蝦蟇倉がほとんど関係ないような気がしますが。15年も経過してからの来日が不思議ですが、時間がなかった、というだけなのでしょうか。蛇足といえば蛇足ですが、もう少し情報があっても良かったかと思います。 以上です。

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