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カテゴリ:夢と言語学
今日はちょっと趣向を変えて「夢の話」をしたいと思う。といっても全くこのブログと関係がない訳ではないので、少々おつきあいのほどを。
私は小さい頃から、夢と変わったつきあい方をしてきた。あまり多くの人と話した事がないのでもしかしたら皆、似た様な経験がある事なのかもしれないが,夜中、トイレに行くとき、夢の続きが見たくて自分の体を起こさないように注意しながら起きて、用がすんだ後、布団に潜り込んだ。意識のある夢遊病者みたいなものである。 夢の中で「これは夢だ」と分かったとき、まずする事は自分を起こさない事。変な話だが,意識もしっかりあるのに、もう一度起きてしまうと夢ではなくなってしまうので、これはとても大切。どちらにしろこの状態はそんなに長くは続かないので、早くしたい事を実行に移す。まずは空を飛ぶ事。スーパーマンみたいにはいかないのだが、宙を浮いて犬かきで進むように飛べる。これは気持ちがいい。(五十嵐大介さんのマンガ「リトルフォレスト」に、湿気100%の大気中を水かきで「泳ぐ」シーンがあるが,それと似ている)もし高い所にいたら、ジャンプする。落ちていく感覚がたまらない。着地はなんのショックもない。でも一度落ちてしまうと、同じ夢の中では二度は出来ないのが残念。 もう1つ、夢の中のディテールの観察。これが結構面白い。かなり細かい所まではっきりしているのだ。当然色もついている。普通、夢から覚めるといろんなことを、うろ覚えだが,一度集中してみるとかなりリアルに思い出せる。夢はきっと既に見た事のあるもので再構成されるのだろうが、全く見た記憶のないものも出てきたりする。謎だ。 後、夢での変な経験のいくつか。小学生の頃だったが、布団に入って目を閉じて,次の瞬間目を開けたらもう朝だった。今でも、その感覚をはっきり覚えている。なんといっても、一晩の眠りを損したのである。中学に入って、朝が弱かったとき、何度も続けて寝坊する夢を見た後,本当に起きたとき、これが現実だとどうしても信じられなかった。そのとき、本当に寝坊したかどうかはもう覚えていないが,その感覚だけは妙に生々しく残っている。 さて本題に入ろう。実は、「夢」というか「夢うつつ」の状態を、自分の研究の為に使ってきた。今はもうしていないが,まだ自分の研究が「海のものとも山のものとも」分からない状態の時、1つの疑問に関して、ありったけの情報を頭に詰め込み,そのままよくごろっと横になった。もともと頭がいっぱいになると眠たくなるたちなので、直ぐに眠気が襲ってくる。すると、それまで見えなかった物事の間の、新しい関係が見えてくる。起きている時は「常識」の枠が抑えていた自由な発想を、夢が解き放ってくれるのかもしれない。ところが,やはり夢は夢、覚めてしまえばほとんど何も覚えていない。だからこの状態で、自分の発見したことを、言葉で表現し、後で覚え出せるようにする。見つけた事の30%でも思い出せれば運がいい。後から何をやっても全く思い出せない事もあるからだ。 科学の進歩の鍵は、インスピレーションがあるかどうかにある。普通は、特に考えていない時に,ふとした事で面白い発想を得る事もあるが,これをいわば無理矢理、起こすのである。これに夢が大いに役立った。でも、新しい発見があっても、それを検証する時間が必要で、すぐには使えない。何度か、繰り返す事で、徐々に自分の目指す理論の輪郭が見えてきた。インスピレーションだけではダメなのだ。 以前に担当教官の先生から,あなたのしている事は泥のプールの中でもがいているのと同じ、という様な事を言われた事がある。先生は多分「無駄な努力」と言いたかったのだろうが、泥を少しづつかき出す事で,底に描いてあるモザイクの絵が見えてくるように、今それが少しづつ実を結びつつある。結局、先生とは協力して研究をする機会は得られなかった。もう今はそれで仕方ないと思っているが、個人的には残念に思っている。 皆が信じている常識に異を唱えようとするのは、大変な事だ。でも、どんな小さな疑問でも、常識とはあわない事が出てくると,どちらを取るかの選択を迫られる。私は、自分の直感を信じることにした。これからも、常識の一体何処がおかしいのか、きちんと検証をしながら,進んでいきたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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このごろは朝が慌しいため覚えていませんが、学生時代にはいろいろと変な夢を見ました。仰られるような夢にも、いくつか心当たりがあります。枕元にノートを置いて、メモを取っていたものです(これをやると生活がガタガタになるのですが)。たとえば、
・夢の入れ子(夢から覚めたつもりが夢の中)が6段階くらいになっている夢。 ・夢の秘密のすべてが書かれた本を探す夢。 ・夢と現実の境の壁をすり抜ける術を、師匠の下で修行する夢。 ・夢の中でもうひとりの自分と喧嘩になって、相手の脇腹をナイフで刺すと、急にお腹が痛くなって目が覚めた。 などがありました。しかし、極めつけは、 ・自分の人生をスキップなしに辿り直す夢。 夢は2歳位のところから切れ目なし早送りもせずに続いていて、この夢を見る前の日に就寝するところで終わり。翌朝目覚めるのと同時に実際にも目が覚めた、実に爽快な目覚めでした。人生が二倍になったようで、得をした気分でした。 かつて自分のサイトで文芸の真似事をやっていたのですが、下記は、見た夢をそのまま書いたものです。夢の雰囲気が出ている気がして、自分では気に入っています(考えては書けない)。お暇なときに遊びにお越しいただければ幸いです。 http://ww4.tiki.ne.jp/~j344/si/tyou.html http://ww4.tiki.ne.jp/~j344/short/ika.html http://ww4.tiki.ne.jp/~j344/short/choco.html http://ww4.tiki.ne.jp/~j344/short/tempero.html http://ww4.tiki.ne.jp/~j344/short/arimaki.html 雑談のようなコメント、長々と失礼いたしました。 スリープ・ウィズ・プロブレム。CLG2009さんの夢に、言語のベンゼン環が現れますように。 (2009.08.10 22:11:14)
あなたの小さなころを知っているから、いかにも貴方らしくって思って笑ってしまいました。
私も不思議な夢をたくさん見るほうです。 しかもはっきりおぼええていることが多いので、起きてから夢占いを見ると、割合にその時の心理とあたっているんですよね。 母におこられる夢とか、美人な妹を羨む夢とか、幼少時代のハプニングもよくゆめにでてきます。 ときどき、夢とげんじつが混ざって、どれが本当のことか分からなくなります。 (このあたりが、貴方と私の頭の出来の違いかな) それから、夢の続きを見るのは、私もなんども経験があります。 特に朝もうちょっと続きがみたくて、寝なおしちゃったりなんかすると、かなりの確率でね…母の怒りの罵声もそのあと降りかかってくるんですけれどね。 うちの旦那さんは、短時間熟睡型なので、私の夢の話は全然信じられないそうです。 ちょっと似た者同士ですね。 (2009.08.11 01:20:39)
みずすましさん
>ファンタジーですね。めまぐるしい展開なのに、どこか説得力がある。変ですね。黒田硫黄のマンガ「黒船」を思い出しました。イカの話もありますよ。彼ももしかしたら夢を使っているのかも。機会があったら本人に聞いてみます。 夢の続きはまた夢で。 (2009.08.11 07:54:20)
COCO~☆さん
>夢の続きは、今日の朝も一時間粘って見ました。何回も起きているのに、又目をつぶると,同じ夢の続きが見れる。こうなるとやめられません。遅刻しないようにお互いに注意しましょう! (2009.08.11 08:01:12)
アフタヌーンはつい最近まで、読み続けていました。黒田硫黄さんとか、リトルフォレスト、単行本も持っています。そうか黒田さんも夢を使っていた可能性が。ただ、ご紹介した夢の話は黒田さんを知る前に書いたものなので、直接の影響は受けていないかと思います。比べて頂いて光栄です。ご感想ありがとうございました。
(2009.08.11 23:14:42)
かなりシンクロしていたので書かずにはおれなくなって失礼承知で失礼致します。私も夢という存在がどのように私達の意識と繋がってるか非常に興味があります。寝ている間に自我と真我が相談をするらしいです。3次元思考から5次元思考に移行する際、夢が進化しました。というのは、常識という箍が外れた夢ばかり見出します。布団に入って次に目を覚ました経験、私も同じ経験をしました。時空を超えた感覚でした。また、うつつ状態の時に意識はハッキリしているのに身体が宇宙に行ってしまった時もありました。あまり書くとオカルトになってしまいますが、心理学的に、科学的にこの状態を分析してみたいです。
(2013.11.23 20:26:47)
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