言語学を超えて(ソシュール記号学の新解釈)

2015/01/20(火)18:23

記憶は過去、でも人間には未来を作り出す力がある。。。

サイクル(6)

我々の意識は基本的に記憶、つまり過去を持続的に再構築することで成立している。この点は動物の認知と同じであるのだが、人間には言語を操ることからも分かるように、記憶を進化させる能力を持っている。 我々の周りに存在する物質や生命体は、物質レベルそして生命レベルで常に記憶のサイクルが更新されることで、その存在を保っている。つまり「記憶のサイクルの更新」が「現在」を支えている。そして我々も、この「記憶のサイクルの更新」の中で存在しているわけであり、更新がなかったら文字通り「一寸先は闇」ということになる。 物質的記憶と生物的記憶の更新があることが我々の生存にとって不可欠である。つまり、我々は既に過去に生きていることになる。しかし、全ての原子や分子、全ての生命体が、「個々」の枠の中で記憶の更新をしているが、この更新のサイクルは全ての個々が同じではないだろう。「個々」であるということは、お互いに差があることを意味する。まだこの個々間の差がどのような意味を持つか分からないが、まず間違いなくこれが記憶進化の推進力になっているはずだ。 人間にも「記憶進化のメカニズム」が備わっている。人間の認知も、動物的な認知の上に成り立っているが、このメカニズムのおかげで「意識」のレベルにまで引き上げられることができる。言語を単に理解することは、受身な意識(人間の記憶)の進化であるが、人間には能動的な記憶進化を起こす力がある。これが、科学技術や社会制度の発達に結びつく。 ただ今考えているのは、このメカニズムを自分で意識して、言語という表現を通さずに発揮することができないだろうかということである。もしかしたら、これは「気功術」に通じるものがあるのかもしれない。今、これを思いついたばかりで具体的に何も分からないが、もしかしたら一種の魔法のように人間にも何らかの力が発揮できるようになるのかも知れない。 言語を操ること自体、私は魔法と同じレベルであると思っている。これを自分の意思で発揮するとき、何ができるのか、何を起こせるのか。まだ分からないことばかりである。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る