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カテゴリ:自己同一性
ともちゃんさんからいただいた宿題があまりに大きいので、まずは出来るところから始めたいと思う。 (佐藤) まず、何故「記憶」が「自己同一性」になるかということだが、時間軸上で見た場合に、過去と現在での持続性・再現性があるということからである。つまり、雨散霧消せずに「残る」ということが記憶の原点である。 これに対して、ともちゃんさんからは「時間軸」と「再現性」がわからないとの質問をいただいた。 正直なところ、あまり用語にとらわれずにとにかく思いついたままに出てきた表現を書き留めた文だったのだが、今思い返してみると「進化」という観点が抜けていた事に気がついた。 私にとっては「記憶」は「進化する」という属性をはじめから持っている。つまり進化しない記憶というものは存在しない。この進化というフィルターを通してみると「自己同一性」というのは正しい表現でないことがわかる。 「再現性」というのは「周期性」と言った方が適切である。物質の元となる原子や分子は、常に同じ状態ではない、固有の周期を持って常に変化している。我々人間のスケールから考えると「不活性(inert)」に見えるが、同じ状態を維持しているわけではない。 「自己同一性」というのは、周期的に自分が「ほぼ同じ状態」であることを確認するメカニズムでると言える。更に踏み込んで言えば、自分を更新していることになる。長い目で見て、全く同じではないということに樹店を置くのでれば、「自己相似性」と言った方がいいのかもしれない。 原子の中には、二つの状態があり、それがまるで追いかけっ子をするように代わりばんこに現れる。脱皮を繰り返すバッタの様なものをイメージすればわかりやすいかもしれない。ただしバッタは大人にはならないで、原子のままをずっと繰り返す。原子核の回りを電子が回っているのを、私流に解釈するとこうなる。 この周期というのは不可逆性であり、更新された原子は、前の原子とは厳密に言うと違う。この二つの状態を二極として軸が発生し、これが時間軸になると考える。 これが進化する記憶に関する私のイメージである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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