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カテゴリ:イタリア語の研究
今、イタリア語を勉強している。Duolingoという無料のインターネットサイトを使っている。日本語話者には英語だけなのだが、フランス語話者には、イタリア語を含めて英独西伊葡の五ヶ国語がある。綴りをフランス語とイタリア語で入力しなければいけないのでフランス語の綴りも試されるのだが、これは過去にさんざんやったので全く苦にはならない。逆に、フランス語の文法を死ぬほどやったのが幸いして、イタリア語とフランス語との差がよくわかる。発音に関してはイタリア語の語尾は必ず(外来語を除く)「あ、い、う、え、お」のどれかで終わるので日本人には馴染みが深いかもしれない。アクセントもあるのだが、これは英語などの強弱というよりは、日本語のイントネーションに近いと思う。どちらにしろ、毎日やっていると上達してくるのでこれは楽しい。
https://www.duolingo.com/ このサイトは、イタリア語の単語や文が問題になる時、発音してくれる。始めは全く聞き取れなかったのだが、最近大分変わってきた。そして、自分の聞き取りが「直線的」でないことを改めて認識している。 フランス語や英語、そしてもちろん日本語の様に、聞いて理解することに問題がない言語の場合、自分の理解があたかも流れる川のようによどみない様に感じるものだが、新しい言語の場合、理解したことを記憶しつつ、同時にのべつ幕なしに流れる発音から理解できる意味を探し、更にそれらを組み合わっせて、文脈を理解するという作業を強いられる。つまり、頭の中で、一旦聞いたことがリフレーンされているのである。 これは、知らない単語や名前が聞いている文の中に入っていたりする場合にも起きる。わからない言葉の場合、後から聞く必要があるので、それを抜きにした文脈とその言葉自体を覚えておく必要がある。つまり、我々はこういう時に記憶を総動員しているのである。同時通訳の場合の例が、よりわかりやすいかもしれない。 フランス語とイタリア語の大きな違いは、フランス語が語頭に重要な情報が来るのに対し、イタリア語の場合語尾に来ることが多いというのがある。その例が、動詞の活用である。フランス語では、Je/tu/il などの主語代名詞を付けないと意味が通らなくなるのだが、イタリア語の場合、主語代名詞はあるが、強調の意味で使われることはあっても多くの場合、使われない。なぜなら語尾変化で、どの人称が話しているか区別がつくからである。 フランス語/イタリア語(話すという意味の動詞:parler / parlare ) je parle / (io) parlo tu parles / (tu) parli il parle / (lui) parla フランス語を話す場合、動詞の頭に何が来るか注力するのだが、イタリア語では語尾を聞き分ける必要がある。言い方を変えると、フランス語の場合、1・2・3人称の誰が話しているかを動詞が来る前に判断することが出来るのだが、イタリア語の場合、動詞がまずあって、その後ようやく1・2・3人称に関する情報が出てくるのである。 どちらの言語の場合も、動詞の活用として捉えるためには、(フランス語の場合は主語代名詞を含む)活用形を1つのまとまった「句」として捉える必要がある。フランス語では「主語代名詞+動詞の語幹」であり、イタリア語では「動詞の語幹+活用語尾」となる。 人称の情報が「句の前後」のどちらに来るという違いは、それぞれの言語の「ストリーミング理解」には、大きな影響を与えるはずである。 今、この部分に関して考察をしている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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イタリア語の動詞の語尾変化、面白いですね。
1人称が「お(単)・お(複)」、2人称が「い(単)・え(複)」、3人称が「あ(単)・お(複)」のようにみえるのですが、「う」がどうしてないのか、妙に気になりました。素人考えで恐縮です。 野菊さく野辺の道ゆく良き夫婦 (2019.10.05 07:48:26)
青 天さんへ
実は私も同じことを考えています。考えることが似てますね、 イタリア語では「う」は、過去分詞には出てくるのですが、形が変化しません。それに名詞や形容詞の変化にも絡みません。 今、日本語とも比較しながら考えています。 (2019.10.05 16:09:00)
CLG2009さんへ
この「形が変化しない」というのが、特徴のように感じます。 不変形に「う」が現れていた、そんな連想です。 日本語だと、アイウエオとワヰウヱヲの関係と相似ですね。(ウが不変) 今日は、この時期にしては異常なぐらい暑い一日でした。(30度超え) 彼岸花枯れて真夏日むかへたり (2019.10.05 16:58:56)
青 天さんへ
>>>この「形が変化しない」というのが、特徴のように感じます。 不変形に「う」が現れていた、そんな連想です。 日本語だと、アイウエオとワヰウヱヲの関係と相似ですね。(ウが不変) 確かにそうですね。わ行でも「う」は変わりません。 実は子供の頃、ワ行の「ヰ」と「ゑ」は発音できるのに、五十音表では穴が空いているんだろうと本気で悩んだことがあります。 私が学校で習った五十音表は新仮名遣いだというのが、その理由ですが、「ヰ」と「ゑ」は今の日本語でどこに行ってしまったのか、考察してみる必要がありそうです。 >>>今日は、この時期にしては異常なぐらい暑い一日でした。(30度超え) フランスは、もう冬将軍がそこまで来てます。 (2019.10.05 18:38:21)
CLG2009さんへ
ヰ・ヱが省略されたことは、日本語言語学的には大きな事件だったと思います。 本来のヰ・ヱの意味が、現代になってまったくわからなくなってしまった、のでしょうね。 言語は、時代とともに進化するのではなく、むしろ劣化・退化していると感じます。 その言語を使う現代人の精神・魂が劣化してゆくのと同期していますね。 正しい日本語が、話せない・わからない、そんな日本人が増えているようです。 学校で正しい日本語を教えられる先生がいなくなってしまった、のでしょうね。 原日本語を知ると、ヰ・ヱの本来の意味やイ・エとの違いがよくわかります。 イタリア語の語尾変化から、「う」という音の特殊性や日本語との関連性など、 まだまだ奥が深そうですね。また、新たな発見がありましたらおしらせください。 楽しみにしております。 フランスは冬へ、日本はまだまだ夏の名残、そして台風シーズン真っ只中です。 風邪などひかないよう、ご自愛ください。 消費税あがり財布の紐かたし (2019.10.05 19:06:44)
青 天さんへ
>>>原日本語を知ると、ヰ・ヱの本来の意味やイ・エとの違いがよくわかります。 簡単で構わないので、違いがどこにあるのか解説いただけますか? 気になるので。 (2019.10.06 01:12:21)
CLG2009さんへ
日本語の1音1音には、それに対応する幾何図象があります。 これが、原日本語(カタカナの起源)です。 相似象会誌3号に、48声音符として一覧表があります。 この表を見て、ご自身で学ばれるのが一番です。 原日本語は、高度抽象幾何言語でした。 ヰとイは、全くその抽象内容が異なります。 ヰは、大円があり、中に縦線2本、横線2本が交差しています。 小円はありません。 時空全体(大円で抽象)の中で、井桁で囲まれた領域が表されています。 縦軸を時間性、横軸を空間性と抽象することで、時空の差分が示されます。 図象は、あくまでその物理を表明しています。元は、ヤタノカカミ図象です。 ここから演繹して、ヰには「存在性」というキーワードが浮かびます。 存在(居る・ゐる)という使い方です。居るは、いるでなく、本来はゐるです。 そのほかには、井戸の井(大円をとった形そのまま=ヰ)、田舎のゐ、 鴨居のゐ、井桁のゐ、囲炉裏のゐ、などいろいろあります。古典を読めば出てきます。 井の中の蛙大海を知らず、などの井はヰ(ゐ)のことです。 それに対して、イは、大円半分(左側)に横線が半分あり、その交点に小円が配置 されています。小円は、表明している対象・該当単位の位置を示しています。 幾何抽象すると、我々が存在している観測可能な場所、全体の半分しか観測できない (大円右側の部分は、潜む象として抽象されています)限定された状況を示します。 また、瞬間性、電気性、今(いま)を表します。今は、イのマ(間)のことです。 イマは、絶えず変化しています。息・イキ、命・イノチ、色・イロ、雷・イカツチ、 五つ・イツツ、荊・イバラ、歪・イビツ、イライラ、イガイガ、などの用例があります。 ヰとイは、その物理的背景が異なり、そこから演繹される意味合いが異なります。 音(語感・音感)だけでは、判断しづらいですが、昔の人は使い分けていました。 ヰが使われなくなった理由は、その音・文字の本来の意味を現代人が理解できなくなった ためだと思います。おそらく、江戸や明治の人たちには、上古代から伝わっていた日本語 の響きに共鳴できる感受性が豊かだったのではないかと推測しています。 ヱは、大円4分の1(ヒフミのフの位置・・潜む象の側)に小円があり、横線が1本あります。 その横線は、イの位置まで伸びています。潜む象から、イの位置(現象・事象・我々の位置) に伝達される「何か」という幾何抽象ができます。ヱには、フ・クと同じ位置に小円があり、 福・フクを感じさせる語感が残っています。見えない世界からの縁によって、見える世界に 影響を及ぼすことを意味します。恵比寿・ヱビス、海老・蝦・ヱビ、縁・ヱン、などの 用例があります。 エは、縦線1本の両端に小円が配置されています。縦軸を、時間性(エネルギー性)と 抽象することで、空間的には希薄なもの、虚部を表します。また、その形から、枝・エダ、 笛・フエ、襟・エリなどの用例があります。 縦に伸びたもの、という意味です。 ヱとエの違いも、音だけではわかりづらいですね。 ヱで好きな言葉は、靨・ヱクボ、笑み・ヱミです。ヱの特徴が現れています。 現代人は、エクボ・エミと書くでしょうが、元々は、ヱクボ・ヱミでした。 この失われた2音・2文字、とても残念ですが、原日本語を知った者として 終生忘れることなく、使ってゆきたいと思います。 ヱミ浮かべヱクボかわいや我妻よ (2019.10.06 05:24:53)
そもそも、後代の人間が決めたアルファベット(a b c d ・・・)による「音韻」形式の記述には無理があると思います。原日本語を例にすると、アルファベットができた時代よりはるか昔に「図象」があり、それに対応する「音」がありました。古事記よりはるかはるか昔です。
この考察から言えることは、子音だ、母音だ、などというのは、後代の人の思いつきで「アイウエオ」などの順番には、何の本質的な意味もありません。というのが私の理解です。原日本語の清音の数は、たった48です。これで、森羅万象を表していました。濁音や半濁音などは、後代のつくりものだと考えています。 原日本語の音の配列は、ヒフミ・・・・ネホン(48)となっています。(原典文献5・6首参照)ここに、ヒントが隠されていると思います。50音図をいくら眺めていても、日本語の真実にはたどり着けないでしょう。 ひふみよいまわりてめくるむなやこと (2019.10.06 09:04:33)
青 天さんへ
ありがとうございます。 現代日本語が失ったものは大きいですね、 イタリア語は、一種の人工言語ですが、ラテン語の名残をとどめています。日本語とイタリア語を比較しながら研究しようと思います。 >>>50音図をいくら眺めていても、日本語の真実にはたどり着けないでしょう。 これには大いに同意します。 もう一つ質問よろしいでしょうか。 日本語のラ行は、単語の語頭には普通来ません。瑠璃やロシアなど外来語の場合が殆どだと思います。 これは、原日本語ではどのように説明できるのでしょうか? 宜しくお願いします。 (2019.10.06 19:55:35)
CLG2009さんへ
そういえば、以前、メールで同じような質問をされましたね、思い出しました。 ラ・リ・ル・レ・ロ、まったくない訳ではありませんが、思いつくまま・・・。 落語、駱駝、楽園、羅漢、卵管、欄干、拉致、雷電、など 音としてはありますが、古語や和語での読み方とは異なります。 雷はライと読まず、カミナリ・イカツチと読むのが古語であり和語です。 りんご、理科、梨花、理論、理屈、理性、理由、理解、利用、離陸、林道、林間、など 留守、類推、類似、累計、流浪、流刑、流転、など 練習、連絡、連結、連動、連鎖、蓮華草、例、列、霊、冷凍、冷蔵、冷水、零、など 炉端、濾過、路頭、路上、廊下、朗読、露出、露呈、ロウソク、ろくろ、六、など ということで、少なからずあるので、ラ行が特別という認識はありません。 ラリルレロLはどこにもないR (2019.10.07 06:20:21)
青 天さんへ
「らりるれろ」は、漢字語、つまり外来語ではよく語頭に使われていますが、和語で「らりるれろ」で始まる単語はあまりないとおもいます。でも、用言の活用には出てきます。「来る」とか「要らない」とかです。 漢字語は、もうすでに日本語の重要な一部となっていますが、昔の日本語で何故、ら行で始まる音がないのだろうと思った次第です。 (2019.10.07 19:48:50)
CLG2009さんへ
どうしても、漢字語も使い慣れた日本語だと、思ってしまいますね。 質問の趣旨が理解できました、ありがとうございます。 未熟な回答ですみません。 ラ行が特別な存在とは考えていませんでしたが、もう一度、検討してみます。 原日本語(48声音符)と古語・和語の関係性から、何かヒントがあるか探ってみます。 少し、お時間ください。 ろくろ首答え探しに出かけます (2019.10.08 05:17:36)
青 天さんへ
「ラ行」に関して面白い話があります。 江戸や明治の人たちは、「ロシア」といわずに「オロシア」と言っていたそうです。「R」の発音は、日本の「ラ行」とも違ったのでしょう。 この疑問は、私もかなり前から持っていたのですが、初めて相談します。何かわかったらお知らせください。 (2019.10.08 06:33:17)
CLG2009さんへ
長文(図象付き)になりましたので、ブログ記事にアップしました。 お時間があるときに、ご一読ください。 よろしくお願いします。 http://su7.blog.jp/archives/3780841.html らりるれろLかRかステレオか (2019.10.09 21:24:12)
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