言語の定義:人間のアイデンティティーの進化の座標。。。2
ふと思い立ってソシュールの「一般言語学講義」を開いてみた。「identite」という用語が使われていないかどうかを確かめるためだ。今まで、それほど気には留めていなかったが、やはりあった。ここにそれを引用する。“Le mecanisme linguistique roule tout entier sur des identities et des differences, celles-ci n’etant que la contre-partie de celles-la.” (p151アクセント記号抜き)「言語のメカニズムは、自己同一性と差異の上に展開する。同じということと違うということは、互いに表と裏の関係にある。」ソシュール(本人が書いたのではないが、この本によると)は、言語学において「unites(単位)」も重要ではあるが「valeurs(価値)」が本質的であるとも言っている。記憶科学の源流はやはりソシュールにある。つまり、アイデンティティーという視点で、ソシュール言語学を再評価しなければいけないということだ。構造主義の父というのは、一種の言いがかりだと思う。私は自信を持って、ソシュールが既に一世紀も前に記憶科学を予言していたと断言する。