御免ね。






               御免ね。

               御免ね。

               君を捨ててしまって。



               楽しかったよ。

               何時でも振り向けば君が居てくれたから。

               僕の声を何時も聞いて居てくれたから。



               ねえ。覚えてる?

               意味も無く二人で高い空見上げて微笑ったよね。

               背中には無機質なアスファルトの感触。

               今より少し小さな手を目の前に精一杯掲げて。

               あの日。あの瞬間。

               まるで世界中が手に入った気分。

               僕は本気で空だって翔べると信じて居たんだ。



               僕が苦しくて叫んで居た時、必ず気付いてくれた。

               僕が泣いた時、黙って傍に居てくれた。

               僕が笑えば、一緒に微笑ってくれた。



               離れたくなんて無かったんだ、本当は。

               ずっと一緒に居られると想ってた。

               でも此の侭じゃ駄目だって気付いたんだ。

               僕の所為で君を巻き込みたく無かったんだ。



               御免ね。

               君を護ってあげることが出来なくて。

               御免ね。

               君の優しさに甘えてばかり居て。

               御免ね。

               君が叫んだ慟哭に気付いてあげられなくて。



               御免ね。

               御免ね。

               君を愛してしまって。



----------------------------------------------------------------

             如何して人間って取り返しの付かないコトば

               かり考えて悔やんでしまうんでしょぅね?


                       


© Rakuten Group, Inc.