渦状忘失。






               あたしは何時の間に眠ってしまったのだろう

               両手には貴方との欠片が残っているのに

               両足に絡み付いた芥子が邪魔なのよ





               あたしは貴方とは違うから

               貴方の様に偽善の中で踊りたく無いのよ

               他人行儀だなんて当て付けは所詮紛い物

               あたしは一人でも歩けるから





               氣が狂いそぅな反響が木霊する硝子の中

               自我を食い止めよぅと必死で拳を振り下ろす

               生温い紅いモノが身体中を伝い落ちて行くのを

               傍観し乍ら必死で世界を創りあげる

               結局 真実なんて其の中には存在しないのだと解って居ても

               あたしは我武者羅に唄い続けた





               現実がどんなものなのか きっとあたしは知って居た

               だからこそ現実を直視したく無かった

               グラウンドに真白な純白が降り注いだ

               あたしは唄うことしか出来無かった

               世界中熔けて無くなることを願った

               少しでも早くあたしが消滅することを祈った





               もう疲れた 
 
               他人に合わせることも

               自分を壊し続けることも

               世界を創ることも 全て 全て

               結果 あたしは人を殺してしまった

               そして自分自身をも殺してしまった

               楽になりたかった





               比処が海原だったら波に流してしまえるのに

               比処が空だったら風に飛ばしてもらえるのに

               比処が世界の果てだったらきっと笑えたのに

               あたしの世界は既に玩具なのだから

               



               悲しくなんて無い

               喩え 偶然にしろ必然にしろ貴方と逢えたことに後悔は無い

               ねぇ あたしのことを忘れてね

               記憶の中から削ぎ落として頂戴ね

               あたしも貴方を忘れるから

               



               自惚れないで頂戴

               あたしは貴方なんてこれっぽっちも好きじゃ無い

               あたしと貴方は相容れない存在だから

               貴方が本当に嫌いです

               貴方のことをこれっぽっちも愛したこと等有りません



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               機械の様に全て削除出来たら素敵ですよね。

               出来なぃから人間なんでしょぅけどね―。。。

                   


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