2009/09/05(土)23:44
酒井順子 「儒教と負け犬」 読み終わりました
儒教と負け犬 酒井順子
表紙が赤で女性の顔がド~~ンと描かれている表紙は目を引きます
で、タイトルが「儒教と負け犬」
「負け犬」とは酒井さんが名づけた「30代以上の独身子なし女性」
のこととして有名な言葉になりましたが
酒井さんが「負け犬の遠吠え」を出したのが2003年です
2003年の平均初婚年齢は27.6歳だったそうなので
「30過ぎたら負け犬」という話だったんですね
しかし2008年の平均初婚年齢は28.5歳
東京に限っては29.6歳と年齢が年々上がってきているそうです
そうなると、30過ぎて独身でもごく普通
負け犬の定義の年齢も上げた方がいいのでは・・・
という話から始まります
さらに晩婚化は進むという傾向が見られると共に
酒井さんはお隣の韓国も少子化が進んでいるのは何故なのか
考えてみたところ、思い浮かんだのが儒教の問題だった
ということで、「儒教と負け犬」となったんですね
儒教? 儒教って・・・どんなだっけ?
な~んて思ってしまった私
でも、日本には儒教は●●ですという教育はないものの
普通に生活や思考の奥底に根付いているものなんですね
酒井さんの本を読んでみたら、よく判りました
私には弟がいますが
母は娘の私はいづれ嫁に出して
弟が家を継ぎ、自分の老後の面倒も見てもらうと思ってたし
私には料理や洗濯などさせたがり
弟には何も教えなかった とか
父は母が長時間外出していると機嫌が悪くなったり
社会人になったら、飲み会の席ではお酌させられたり・・・
共働きなのに子育てやら家の事は妻のほうが負担大だったり・・・
でもなんとなく、しょうがないのかなぁ~と思ったり
そういうことは、儒教の影響が色濃く残っているのではないかと
酒井さんは問いかけています
で、酒井さんは儒教誕生の地の中国
儒教の影響もあり少子化の進む韓国
そして日本を比較検討していきます
負け犬は都会に多く住むということで
中国は上海、韓国はソウル、日本は東京で
それぞれの地に赴き、30以上独身女性と会い
勝ち犬である既婚女性の話も聞き
さらにアンケートもとり
儒教の研究もして考察しています
それぞれの国の負け犬事情も興味深いですし
3都市の比較も面白いです
こうなるともう立派な論文ですね
今までの「負け犬の遠吠え」や「少子」などの
一連の本よりも学術的な内容になっていて
かなり興味深いです
日本の政治家たちもこういう考察をして
少子化対策を検討してもいいのではないかと思ってしまいます
ま、そうは言っても酒井さんの本です
小難しい話ばかりではなくて
サクサクと読めます
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