クロてんマジック

2009/09/05(土)23:44

酒井順子 「儒教と負け犬」 読み終わりました

本の話(237)

儒教と負け犬  酒井順子 表紙が赤で女性の顔がド~~ンと描かれている表紙は目を引きます で、タイトルが「儒教と負け犬」 「負け犬」とは酒井さんが名づけた「30代以上の独身子なし女性」 のこととして有名な言葉になりましたが 酒井さんが「負け犬の遠吠え」を出したのが2003年です 2003年の平均初婚年齢は27.6歳だったそうなので 「30過ぎたら負け犬」という話だったんですね しかし2008年の平均初婚年齢は28.5歳 東京に限っては29.6歳と年齢が年々上がってきているそうです そうなると、30過ぎて独身でもごく普通 負け犬の定義の年齢も上げた方がいいのでは・・・ という話から始まります さらに晩婚化は進むという傾向が見られると共に 酒井さんはお隣の韓国も少子化が進んでいるのは何故なのか 考えてみたところ、思い浮かんだのが儒教の問題だった ということで、「儒教と負け犬」となったんですね 儒教? 儒教って・・・どんなだっけ? な~んて思ってしまった私 でも、日本には儒教は●●ですという教育はないものの 普通に生活や思考の奥底に根付いているものなんですね 酒井さんの本を読んでみたら、よく判りました 私には弟がいますが 母は娘の私はいづれ嫁に出して 弟が家を継ぎ、自分の老後の面倒も見てもらうと思ってたし 私には料理や洗濯などさせたがり 弟には何も教えなかった  とか 父は母が長時間外出していると機嫌が悪くなったり 社会人になったら、飲み会の席ではお酌させられたり・・・ 共働きなのに子育てやら家の事は妻のほうが負担大だったり・・・ でもなんとなく、しょうがないのかなぁ~と思ったり そういうことは、儒教の影響が色濃く残っているのではないかと 酒井さんは問いかけています で、酒井さんは儒教誕生の地の中国 儒教の影響もあり少子化の進む韓国 そして日本を比較検討していきます 負け犬は都会に多く住むということで 中国は上海、韓国はソウル、日本は東京で それぞれの地に赴き、30以上独身女性と会い 勝ち犬である既婚女性の話も聞き さらにアンケートもとり 儒教の研究もして考察しています それぞれの国の負け犬事情も興味深いですし 3都市の比較も面白いです こうなるともう立派な論文ですね 今までの「負け犬の遠吠え」や「少子」などの 一連の本よりも学術的な内容になっていて かなり興味深いです 日本の政治家たちもこういう考察をして 少子化対策を検討してもいいのではないかと思ってしまいます ま、そうは言っても酒井さんの本です 小難しい話ばかりではなくて サクサクと読めます Designed By チワワン子

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