2007/02/12(月)13:21
送信管 2E22 シングル・アンプが完成!!
昨日から製作に取り掛かっていた、
2E22という送信管を使ったオリジナル・アンプ。
やっと完成しました☆
回路を若干いじったので時間がかかってしまいましたが。
右の小さいのも真空管で、この素子では電圧を増幅しています。
2E22はスピーカーを駆動するだけの電力を増幅しているのです。
アンプとは半導体式もこうやって、
電圧・電力を分けて増幅している回路構成がほとんどです。
通電すると2E22のフィラメントがほんのりオレンジ色に光ります。
ガラス管の内側にカーボンが塗布されているので、
電極の内部はちょっと見づらいかもしれません。
チラッと見えるのが好いという方もいるでしょう。
ヒータ(フィラメント)が灯るのが、真空管の魅力の一つでもあります☆
2E22は直熱管というタイプの真空管ですので、
フィラメントがAC点火ですと、ハム(ブ~ンという音)が必ず出ます。
今回はフィラメントを定電流駆動しているので、ハムは全く聞こえません。
トッププレートで直熱管というのが、
このタマの製作記事を見かけない原因の一つでしょう。
トッププレートの真空管は見た目が嫌いと言う方も多く、
直熱で五極管ですと、越えるべきハードルは高いと思います。
適度なスピーカー駆動能力(ダンピングファクタ・DF)、ハム対策です。
私は7年ほど前に807というトッププレートの真空管アンプを造ってから、
トッププレート・アレルギーはなくなりました。
人間て慣れちゃうと、そんなに気にしないものですね^^;
おかげでトッププレートの真空管が、手元にだいぶ増えました。
回路構成は12BZ7のSRPP、2E22の5結です。
これ以上ないシンプルさ!
ですがフィラメント、バイアス、スクリーン・グリッド電圧は、
半導体を使った回路で安定動作をさせています。
出力は8W程度の見込みですが、パワー不足は全く感じられません。
非常に透き通っていて、僅かにブリリアントな高域と豊かな倍音が特徴です。
空間がフワッと音楽で満たされるのは、真空管アンプならではなのかもしれません。
今回の2E22も空間表現が実に上手です。
人が目の前で歌っているような錯覚すらあります。
う~ん、文字だけで伝えようとするのは難しいですよね。
これから先は、データ特性チェック、音のチューニング、
NFB量の調整の繰り返しが待ち構えています。
回路が非常にシンプルな分、2E22にどれくらい電流を流すかによって
音が大きく変わってくるでしょう。
コンデンサー1個変えるだけで、音が微妙に変化する真空管オーディオの世界。
結構奥が深いものです。
一番の喜びは、最初の火入れでスピーカーから音が出てきた瞬間でしょう。
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2E22 テクニカル・データ
プレート電圧:360V
スクリーングリッド電圧:250V
コントロールグリッド電圧:-16V
サプレッサーグリッド電圧:23V
プレート電流:47mA
負荷インピーダンス:5Kオーム
上記の動作より6L6と似ているが、
2E22の方が相互コンダクタンスは20%程低い特性。
通常だとサプレッサーグリッドはフィラメントに接続するが、
20V程度のバイアスを掛けることにより順伝達関数の肩特性が改善し、
10%弱の出力アップを図ることが可能。
ソケットはUYで807と同じタイプ。
ピン配置は807のヒーターが2E22のフィラメント、
807のカソードが2E22のサプレッサーグリッドであとは同じ。
スクリーングリッドの定格が250Vと低いので注意が必要。
プレートキャップの直径は13.9mmなので807のは使えない。
813などの14mmプレートキャップがピッタリ。
高域周波数での動作安定を図るため、コントロールグリッドに直列に
1kオーム程度のストッピング抵抗を入れると無難。
相互コンダクタンスが高い送信管では、これ1本で発振が止まるケースも!
ただ、安定性を求め過ぎて10kオームとか入れてしまうと、
真空管の個性が消えてしまい抵抗のキャラとなってしまう可能性が高い。
5結での使用なら、出力の増大と共にスクリーングリッド電流も増大する。
スクリーングリッド電圧を定電圧化したほうが、より大きな出力を出すことが可能。