Bacchus Antiques

2009/04/13(月)15:03

6922 ヘッドフォン・アンプ 試聴編

自作真空管アンプ(372)

完全自作の6922ヘッドフォン・アンプが完成してから1週間。 エージングもこなれてきたので、試聴レポと相成った。 ジャズやヴォーカル、室内楽、オーケストラを聴いてみて、一言で言えば優等生的な音質である。 出るべき音はそこそこ出るし、分解能、楽器の位置関係の表現、 中低域のボリュームや厚みは申し分ない。 6922(6DJ8)は中低域の厚みがあると聞いたことがあるが、そのまま当てはまる。 パーカッションやシンバルの打撃系の表現は、得意とするだろう。 とにかくスピード感があるのだ。 B電源はAC直接整流で1000μFの大容量フィルタコンデンサ、超高速ダイオード、 ヒーターはDC点火といった相乗効果があるのかもしれない。 ただ超低域に関しては伸びが若干足りず、 半波整流の弱点か出力トランスのコアボリュームの無さか・・。 5A6アンプの方が、超低域の押し出し感は強い。 アッチはシングル・アンプなのになぁ。 このアンプを聴いた人は皆、凄く音が綺麗で音楽に没頭できると言ってくれるが、 自分が聴きこんでいくと何か物足りないのである。 ぶっちゃけSEXYさが少し足りないのだ! 5A6アンプでは、高域のヌケるようなスカッとしたどこまでも伸びる感じが魅力的だった。 私のPRにある写真の青空、それは深くどこまでも澄み渡り果てしなく青い。 雨上がりのローマで撮った写真なのだが、日本では決して見ることの出来ない青空であった。 5A6アンプの高域の表現がそれであるならば、 6922アンプのは冬の関東地方で霞がかかった青空とでも言うか。 極端な表現であるが、何となくでもお解かり頂けただろうか? 決してダメと言ってるのではなく、モニター的には十分なポテンシャルを秘めている。 この高域のSEXYさ、自分の拙いアンプ製作経験では直熱管に分配があがってしまう。 電子の放出に関係するのだろうか・・? 5A6アンプと6922アンプとでは、回路がシングルかプッシュプルかで先ず違うし、 電源の供給方式だって別物。 端的に比較はできないが。 出力トランスがそれぞれ春日無線製でも、出てくる音は特に高域に関して大きな違いがあるもんだな。 これから先は好みの問題なので、重箱の隅をつっつくようなものかもしれない。 6922アンプではハムが全く聞こえない。 能率104dBの高効率ヘッドフォンで聞いてもである。 ザーやサ~といったノイズもほぼゼロ。 電池バイアスの恩恵だと思う。 演奏の余韻もごく自然に消えていく。 単段アンプのせいか、色付けが非常に少ないのでリファレンスにはもってこいである♪ アンプの存在を忘れさせてくれるのが大きな長所だな。 原点に帰って音楽を楽しむには、貴重な存在となるアンプだ。 設計ゲインが1倍弱なので当初はゲイン不足が心配だったが、 NFBの余地も6dBはあるし、使い勝手は丁度良い。 これから夜更かしが増えそうな予感

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る