2024/05/08(水)22:38
赤岳(八ヶ岳) 標高2,899mを真教寺尾根から御小屋尾根を1日で踏破する かなりの上級編と淡い思い
いよいよ、赤岳を真教寺尾根から登る日だ。
朝5時に起床し、気象の確認と登山の準備とストレッチをする。
朝食を済ませ、宿の方にお礼を述べてチェックアウト。
タクシーは予約の数分前に到着で、運ちゃん、こんな早くに有難う!!
行き先と登山の行程を述べると、
美し森から真教寺尾根を経て赤岳を目指す人は、初めてだと言う。
またしても拙は、初めてのお客のようだ。
10分ちょいで、美し森の大きな駐車場に到着。
タクシー運賃は¥2,580-なり。
駐車場は閑散としており、登山者はおろか観光客すらいない。
やはり、真教寺尾根を目指す人は少ないのだろう。
併設のトイレで出すもん全部出し切り、再びストレッチをして登山開始。
ただ今6:18。
少し歩を進めると、遥か彼方に目指す赤岳だ。
笹の登山道を進む。
クマ公、出るんじゃねーぞ。
襲ってきたらサバイバルナイフが待ち構えているからな!(笑)
羽衣の池に到着。
紅葉の時期はさぞ美しかろう。
箕ノ河原のリフト山頂駅に、7:14到着。
山頂駅から10分ほど登り、南方が開ける場所にて。
富士山のスカートが雲から覗く。
それとも毛無山??
標高2,000m付近、だいぶ高度感が増してきている。
登山道もチラホラ岩が顔を出すように。
チェックポイントの牛首山 標高2,280mに到着。
ただ今の時刻は8:02、今日初めての休憩を取ろう。
赤岳の標高は2,899mだから、あと700m強は登るよ。
3分ほど体を休め、再び出発だ。
途中、扇山を踏むも樹林帯の中の小ピークという感じ。
まだまだ先を目指すよ。
岩の大きさが増し、急登になりつつある。
赤岳とその右に、山小屋らしきが見えるぞ。
赤岳頂上山荘か。
富士山だ!
先ほどの撮影場所の反対側は、大きな岩が。
そろそろ登山帽を脱いで、ヘルメットを被ろう。
かなりの急登だしね。
その後直ぐ、張り出した倒木の幹に思いっきり頭をゴツンッ!
ヘルメットしてなかったら危なかった💦
判断が遅れてたら、ファーストエイドキットでも対処不可能かも。
おっ、最初のクサリ場出現だ♪
ビレイグローブを装着しよう。
斜度は緩く足場も豊富で、難易度は低いよ。
クサリ場をクリアし、ガレっぽい登山道を見上げる。
更に高度を上げ、真教寺尾根を振り返る。
このクサリ場は足場が豊富で登りやすく、クサリは補助程度で済む。
間髪入れずにクサリ場の連続。
またしても出現、このクサリ場はなげぇぞ。
しかも足場や手掛かりに乏しく、腕力を要求される。
恐らく真教寺尾根の最難関だろう。
トレランシューズのグリップを最大限活かし、確実に登っていく。
90kgのバーベルで鍛えてある腕だから、それほど苦ではない。
この長いクサリ場上部から休む間もなく、左に岩場をトラバースする。
この部分が何ともイヤらしいのだ。
左側はかなりの高度感があり、滑落したら命はないだろうな・・。
写真撮ろうにも夢中で進み、撮れずじまい('Д')
クサリ場を通過し、再び真教寺尾根。
安全な場所で少し休憩を挟みながら、絶景を満喫しよう。
後続の登山者が控えてもいるしね、道を譲ることにする。
登山を再開し、山頂付近を見上げる。
あの険しさに、よく登山道をつけたもんだよ!
最後の悪あがきっぽいクサリ場。
あの長いクサリ場の後だから、余裕だべ☺
そうは言ってもナメたらアカンよ、慎重に。
この尾根のクサリ場いくつかな?
とにかく多いのは確かだ。
権現岳方面と、奥には南アルプスの峰々。
かっけぇ稜線!
惚れ惚れするぜ!!
次回の赤岳登山は、編笠山ー権現岳ーキレットと踏破し、県界尾根を下ろう。
このルートも上級向けだから面白そうだ♪
(下山してねーのに早ぇ~よ)
権現岳への分岐と合流。
赤岳を踏んで下山ルート上にある阿弥陀岳 標高2,805m。
あの山はゲンコツのような山容で、しかも登り返しがキツそう・・。
地図で見る以上の険しさだよ。
その彼方には、左から御嶽山、乗鞍岳、うっすらと北アルプスだ。
再び権現岳方面。
あれが竜頭峰かな。
やや長いハシゴが待ち構えているよ。
登山者が上にいれば、声を掛け合って通過しよう。
赤岳頂上山荘が目前だ、ピークまであとちょい!
山荘直下の、文三郎尾根へと続く合流地点が大渋滞。
下から登る登山者の長い列。
暫く声を掛け合い、通過する順番を待つ。
何人か通過し、山荘側から一人の登山者が拙の来たルートに行くと言う。
拙とその登山者が入れ違いになる形で、山頂に無事到達だ!(^^)!
その時刻は10:10と、予定よりも1時間5分も早い。
美し森の駐車場から赤岳山頂まで、休憩含めて4時間を切っての登頂。
出来過ぎで怖いくらいだ。
真教寺尾根の全容をパチリ☆
右に富士山、いい写真だべ♪
左が県界尾根だよ。
祠があるから、登頂のお礼と下山の無事を祈ってお参りしよう。
最難関の真教寺尾根を難なく踏破出来たんだ、お賽銭は¥100-を奮発だっ。
赤岳の神様、もう少しお世話になります。
山頂標識のある岩場は、登山者でごった返し!
さすが大人気の赤岳(八ヶ岳)だね。
山頂標識は後で撮るとしよう。
硫黄岳、天狗岳方面。
赤岳頂上山荘、ここで赤岳の山バッジ3種と、赤いバンダナを購入。
バッジは@1,000-だったかな、バンダナはその倍近く。
なかなかのお値段だが、この標高までヘリか歩荷さんで上げるんだろう。
記念だから良しとしよう。
山小屋の管理人さんは、真教寺尾根は死にたくないから絶対に行かないと。
また、数日前に権現岳先のキレットで、滑落死があったと言う。
赤岳、生半可な気持ちで登るもんじゃないな。
いろいろお話したいが、混んでいるのでそこそこに。
北八ツへと続く稜線上、赤岳天望荘とその先には横岳(雲がお邪魔)。
県界尾根再び。
尾根の正面に両神山が見えるよ。
今年の春に登頂し、山頂から八ヶ岳を臨んだんだよな~。
懐かしいよ。
あのふんわり女性登山者、今日も山行を満喫しているのだろうか。
未練がましい? (;^_^A
山頂標識を空いている間にパチリ☆
富士山とのツーショットだ♪
この付近でお昼を頂こう。
眺めの良い空いている岩場にザックを下ろし、カレーパンを頂く。
富士山を遠くに眺め、南アルプスの峰々の雄大さ!
来年は絶対、北岳近辺の百名山を登ろう!!
山頂から見える山々に思いを馳せる、これも登山の楽しみの一つだね。
9月下旬ともなると、この位の標高では風が冷たい。
休んでいると尚更だ。
レインジャケットを羽織り、体を冷やさないようにしよう。
デザートのマロンタルトも頂き、ご馳走さまm(__)m
絶景もたっぷりと満喫、お腹いっぱい(^^♪
ただ今10:50か・・、名残惜しいが下山しよう。
レインジャケットをザックに詰め、ゴミを落としていないか周りを確認。
トレランシューズの紐を締め直し、ヘルメットを被って準備完了。
さぁ、目指すは美濃戸口。
立ちはだかる阿弥陀岳が、最後の砦だ!
山頂標識と山荘をパチリ☆
先ほどの渋滞ポイント。
一方通行になっているが、クサリのあるルートを下山用にして欲しいなぁ。
(この箇所一方通行のルールは無いみたい)
と思いつつも、これくらいの岩場をクサリ無しで下降出来ないようだと、
トレーニングが足らないと言わざるを得ない。
登山者が多いから落石を起こさないよう、今まで以上に慎重に進もう。
左が文三郎尾根、右は権現岳へのルート、正面は赤岳の分岐点。
ここで、ほぼ100%の登山者が文三郎尾根へと進む。
分岐手前、下山する登山者と話す機会があり、
拙が真教寺尾根を登ったと話すと、物凄く驚いていた。
あの尾根、やはり難易度が高いのだろう。
お互いお気をつけてと挨拶して、それぞれのルートへ。
阿弥陀岳が立ちはだかる。
赤岳登頂で、再びあんな山を登り返すのかと、ゲンナリする人多いかもね。
拙はあの急斜面、どんなんだろ?と半ばワクワク。
浅間山の噴煙がこっちに流れてきても半ば面白がってたから、
拙は頭のネジがかなりの本数飛んでんだろうーな💦
多分、生涯一緒に登山しようというパートナーは現れないと思うよ('_')
いかん、いかんっ!
素晴らしい赤岳登頂を満喫の矢先、登山を楽しむべ!!
邪気退散!
赤岳を振り返る。
南東向きの風で雲がわいてるな。
雨は無いと思うが・・。
硫黄岳方面を中岳から。
マジ惚れ直すな、八ヶ岳って。
間違いなく日本百名山だよ、うん。
しかも色んな登山ルートあるから、たっぷりしゃぶりつくせるよ~!(^^)!
中央に行者小屋が見える。
中岳のコルに到着だよ。
ケルンがあるね。
ただ今11:45と、予定より35分早いだけ。
赤岳山頂で1時間ほどのんびりしたからね、山行ペースとして許容範囲だ。
威圧感あり過ぎだろ💦
写真ではスケールダウン甚だしい。
急登途中で、足がつりそうな感覚がっ。
水分補給が不足気味か??
安全な場所でいったん休憩し、アミノ酸ゼリーを頂こう。
軽いストレッチもし、5分ほど休憩も取り再出発。
こんな場所で行動不能なんか陥っては、シャレにならんぞ。
登山再開で、ささやかなクサリ場の出現。
長さはないが急斜面、ゆっくり慎重に。
この先で数人のパーティーとすれ違う。
そのリーダーらしき方から、御小屋尾根はガスが酷いと。
お礼を述べて黙々と登る拙。
心の中で『ガス男再びっ!!』たいさ~~ん!
急登の終盤付近より、浅間山Jバンドよりも急下降に感じるぞ。
このルート取る方、お気を付けて。
よいこらしょっ、阿弥陀岳に到着だよ。
信仰の山という雰囲気がピッタリだ。
周りはガスに包まれつつあり、展望は期待できない。
この場所でコンパスを取り出し、進行方向を地図を見ながらセットする。
摩利支天から少し先で、山岳地図に?マークがある。
ルートを喪失しやすい場所なのだろう。
ガスに巻かれて道迷いは避けなければ!
摩利支天を通過し、?マーク付近も問題なくクリア。
御小屋尾根のガスっぷりには、おったまげ!
ガスが切れるタイミングでの撮影だが、もっとガスガスなんだべよ。
標高の高い山って、こうもアッサリと表情を変えるんだよね。
あ~恐ろしや。
コンパスを時折見ながらと、踏み跡がしっかりしているので無事に進む。
標高をだいぶ下げ、御小屋山が見える付近で、一人の女性トレランナーと挨拶。
彼女は行者小屋から文三郎尾根を経て赤岳に登頂し、その下山だという。
阿弥陀岳を踏破したのか、凄いなこの人!
彼女、多分雰囲気からして、フランスの血を引いているのだろう。
栗色の髪に、スッキリとしかし深い目鼻たち、長身で拙と同じ(173cm)くらいだ。
スレンダーでモデル並みのスタイルに美貌。
20代半ばだろう。
マジ最近の山ガール、レベル高ぇなー!!高過ぎだよ。
それから暫し山談義。
見た目からか、やはり多くのトレランに出場しているという。
日本語が達者で、住まいは都内なのに何故か関西弁交じり。
色々とギャップがあり、面白いなこの子。
登山道が穏やかになるこの辺り、彼女は走って下山するという。
拙は先ほどの脚の張りが再発してはいけないと、林道から走るとお断り。
14:45のバスに一緒に乗ろうとお約束。
御小屋山に13:32に到着。
今までのペースだと、美濃戸口14:45発のバスには間に合うだろう。
彼女は今頃、そこにある八ヶ岳山荘で休憩中かな。
ところがその先、やたらと樹の幹に赤いスプレーで矢印が。
その先に進むと、バリエーションルートっぽい。
コンパスで方位を確認すると、正規の登山道とは方角が違う。
地図では美濃戸口への分岐は、御小屋山よりやや西に見えなくもない。
もう少し西へ進もう。
そうしたら無事、美濃戸口への分岐に到達。
何だよあの矢印。
最近、不自然な案内が山中によくあると、山岳情報で知ってはいるのだが。
その方向に進むと、遠回りさせられたり難ルートに出くわしたりと。
まさか八ヶ岳でもあるとはな。
まったくもってけしからんぞ(-_-メ)
こっちはある程度読図力があるので、迷わないで済んだのだが。
そして遂に、美濃戸口の八ヶ岳山荘前に無事到着だ。
ただ今14:28と、まずまずのペースだ。
付近を見渡すも彼女は・・、見当たらないなぁ。
バスの時刻までまだ時間がある、コーラを買って飲みながら、付近を散策しよう。
茅野駅行きのバスが到着し、眺めの良い座席を確保も彼女は未だ。
出発の少し前に彼女が乗車し、笑顔で手を振ってくる。
可愛いもんだなと、拙も笑顔で同じことを。
こーゆ日本人と違うストレートでオープンな面、大歓迎だ。
バスが出発するとすぐ、彼女は舟をこいでいるよ。
八ヶ岳をトレランするんだから、疲れるだろうな・・。
お疲れさん。
拙は雄大な八ヶ岳を車窓から眺め、今日の山行を振り返る。
また登りに来るよ、今日は人生最大の経験とでも言うべきかな、有難う(^^)/~~~
茅野駅に到着し、彼女と再び山談義。
御小屋山の赤い矢印のこととか、色々と。
それからお土産屋さんで二人してお土産を購入し、次の特急に。
拙は帰りの特急券を購入済みなのだが、彼女の方が早い特急だ。
特急券を彼女と同じのに変更するも、車両がやや遠いものになってしまう。
ホームで再び山談義とそれ以外もお話しし、
特急が来るとバイバイと手を振って、それぞれの車両に乗車する。
今でも時々、彼女のことを思い出す。
今日は素晴らしい天気、トレランの大会にエントリーしているのかな?
怪我はしていないかな?
もし登山スタイルが同じなら、拙は猛烈にアタックしていたかもしれない・・。
かもじゃなく、その日のうちに×××、契りかわすの確実だな。
違っていてもアタックしていたら、今頃どんな生活になっているのだろう。
人生の分かれ道を感じさせる、大きな登山でもあった。
おわり