厳冬期・積雪期の大菩薩嶺を湯の沢峠避難小屋泊 宮地山のバリルートから登山 上級編
快晴、積雪、2日間の空き時間と三拍子揃い、いよいよ大菩薩嶺を避難小屋泊縦走する。1日目は猿橋駅からバスで奈良子入口BS下車、宝鏡寺からバリルートで宮地山を踏み、いったん金山峠に下る。この辺りはチェーンスパイク必須だ。そこから登り返して姥子山、雁ヶ腹摺山と巡り、大峠まで大きく下り黒岳を踏む。また大きく下って泊地の湯の沢峠避難小屋へ。姥子と雁ヶ腹からの眺めは素晴らしいの一言だ。予想以上の寒さでほとんど寝られず、900mlの水が凍っている!2日目は5:30に小屋を発ち、稜線を北上して大菩薩嶺を目指す。ライトを照らし、最初からチェーンスパイク装着だ。途中、雪で隠れている木の根にチェーンが引っかかり、思いっきり転倒も、膝をすりむく程度で登山を続行する。牛奥ノ雁ヶ腹摺山や小金沢山はもちろん、大菩薩嶺からの眺めは圧巻だ!山小屋は全て閉まっており、登山者は5人とすれ違うのみの静かな山旅だ。大菩薩の湯で疲れた体を癒し、運よく塩山駅行きのバスに乗車。無事に帰還となる。7:15、奈良子入口BSに降り立つ時点で手が縛れるほど寒い!途中の温度計はマイナス4度の表示だからね。朝日に照らされる宮地山。宝鍾寺の先、宮地山の登山口がある。バリルートなのだが、うっすら踏み跡はあるよ。ここは中央の分岐に目る場所を右に進む。思いもよらぬ道標。凄まじい倒木、バリはこーでなくっちゃね!(^^)!やや高度を上げ、左手には素っ裸のお富士がチラリ。快晴ぷりが良いねぇ!宮地山手前はなかなか登り応えがあるな。ジャケットのフロントジッパー全開、両サイドのポケットも開けて換気だ。早くも雪だ!この先でほぼ直角に西へとルートを取るのだが、またもや道標がある。バリルートの入門だね、ここは。9:00、チェックポイントの宮地山に到着だ。三角点をパチリ☆汗ばんでいるからザックを下ろし、暫し山頂の雰囲気を満喫。2分ほど休憩し、次のチェックポイントである大垈山を目指そう。日当たりの良い尾根筋は、雪は消失。昭和の遺構か?山と高原地図だとグレーの破線で、南下すると南沢川に出られる。道筋が右に延びているが、山と高原地図で?マークのある場所だ。試しに右に行くと、トラバース気味にどんどん下る。明らかにルート外れ。上の写真の場所に戻り、尾根筋を目指して不明瞭なルートを攻略する。無事、尾根上に復帰。2024年のクリスマスイブに登った尾根を見上げる。先ほどから右後方を、ザク・・ザクと音がするんだよね。何回か振り返るが誰もいない。ラジオを聞きながら歩いているのだけど、開放型のヘッドフォンだから周囲の音もよく聞こえる。番組から流れてくる音じゃないのは確か。その詳細は後日に。送電鉄塔付近では植林中。ここでバリルートはお終い。一般登山道は再び雪に。右は大垈山(おおぬたやま)を巻く、左は山頂。大垈山の山頂に到着だ。立木が多く、展望はいまいち。ひときわ大きなブナの木だなぁ!!樹齢約300年とある。この辺りの山の主だね。幹にポンポンしよう姥子山と雁ヶ腹摺山だろう。この場所少し手前が、積雪によりルート取りが難儀。途中、道標が地面に落ちているのを発見。もう少し雪深くなると見落としてしまうな。こーゆルート取りする場所は、道迷いしやすい危険個所だ。ここが金山峠だ。一般登山道とあって道標は多い。金山民宿村とあるのは、金山鉱泉方面のことだろう。地図にそのような地名は載っていない。因みにそのルートは『危険 荒廃道』と手書きであり、地図でも赤破線の沢ルートだ。百閒干場なる林道との出会い。この先10分ほど歩くと、姥子山口があるのだが。だいぶ奥の堰堤まで行ってしまう。引き返して東の斜面を注意深く見つつも、姥子山口や姥子山の道標は見当たらず。道筋も見当たらない。代わりに、登山道ではない、立ち入り禁止の柵はあるのだが。道標が雪に埋まっているのか??姥子山へのルートは尾根上にある。登りやすそうなルーファイして、バリルート行くぞ!!急登をこなし尾根上に出る、オレの勝ちだ(笑)先行者の足跡、2人だな。クマ公が潜んでいそうな藪の手前では、ホイッスルを吹く。相当古い道標だな。何て書いてあったのだろう。姥子山が間近だ。因みに東峰と西峰から成る双耳峰だ。再び林道との出会い。ここから入る。だいぶ積雪が。滑落の恐れがある雰囲気、チェーンスパイクを装着しよう。途中やや難儀する箇所があるものの、無事に姥子山に到着。12:01、お昼だね。予定より19分早いだけだが、まずまずのペース。今日初めて登山者に会う。先客が2名、お互い挨拶を交わす。姥子山からの眺めは素晴らしいの一言だ!関東平野から丹沢山塊までもが見渡せる。すげぇ~なこの山!!お富士が雲を吹いているよ。3,500m上空は暴風だな。こちらは雁ヶ腹摺山方面。絶景を眺めながら、お昼のカレーパンを食べよう。とその時、先客の方から鍋料理のお誘い。一旦はお断りだが、2回目のお誘いで有難く頂こう。真冬の山頂でのお鍋は、格別だ!体が温まるし、絶景は満喫できるし、どうもご馳走さまm(__)m拙の山行を聞かれて答えると、かなりの驚愕ぷり。奈良子入口からバリルートを含む長距離縦走に、厳冬期に避難小屋泊する人って、ほぼいないだろうからね。逆に拙が山行を聞こうにも、恥ずかしくて言えないとお断りされてしまう。最後にお礼を述べ、景色を脳裏に焼き付ける。(お借りしたコッヘルは、ティッシュなどで拭いて返すのがマナーだ)雁ヶ腹摺山を目指すべ。姥子山の西峰はひっそりとあり、注意して進まないとスルーしてしまう。ここで再びチェーンスパイクの出番だ。踏み跡は野生動物のみ。彼らは山歩きのプロ、歩きやすいルートで進むはずだから、大きく登山道を逸れない限り後をつける。程なくして、雁ヶ腹摺山に到着だよ♪ザックを下ろし、暫しの休憩。これが500円札にあるお富士の雄姿。ズームで☆つい先月見たばかりなのに、えぇ眺めやなぁ!!空気が澄む、冬山登山の醍醐味だね♪山頂は拙の足跡のみだ。さぁ、あの黒岳を踏むよ。真木とあるが、ずっと手前の大峠を目指して下る。積雪のあるトラバースは緊張を強いられる。お助けロープなぞ無く、谷へ転げないよう特に慎重に。水場手前はゴーロが広がる。水場だ。ところがパイプの周りは凍てついており、給水できない。そこでハンティングナイフの出番。グリップエンドのガラスブレーカーで氷をかち割り、水を確保。こうなるのを予想し、ガラスブレーカーのある中型ナイフを持ってきている。クマ公との交戦にも頼もしい相棒だしな。因みに今回のナイフは、TOPS KNIVESのAIR WOLFだ。14:18、大峠に到着だ。これから本日の最高峰である黒岳 1,988mへ登り返すよ。まだ登るのかよ!って声が聞こえそう💦普通の人なら大峠の時点で、下山モード全開だろうね。既に14時を回っているのだから。途中、お富士は帽子を被っている。この付近でルートを北西に取る。黒岳だろう。こんな公園チックなルートは極僅か。ルートを外れないよう、予めセットのコンパス方向線へと進む。この付近、積雪は50cm以上か。明日はアルパインゲーターを装着しよう。主稜線に到着だ。翌朝は右奥方向、大菩薩嶺へ進むのだ。やや荒れ気味、数年前よりも倒木が多いような。黒岳に到着だ!明日は真っ暗の中で黒岳を踏む予定だから、山頂の雰囲気を覚えておこう。三角点はかろうじて雪上に。樹林の中の静かな山頂だ。ここから再び湯の沢峠避難小屋泊を目指し下るよ。少し下って、雁ヶ腹摺山がチラリ。白谷ノ丸からは南側の展望が抜群だべさ(^^♪あの展望地へ寄ってみよう。今日踏んだ山々がズラリ。陽が傾き、東の斜面は薄暗い。名残惜しいが小屋を目指そう。先ほどのビューポイントを後にする。峠に向かい、これでもかってくらいグングン下る。明日はここを登り返すんだよなー。前方に小屋らしきが見えるぞ、泊地は近い。16:17、計画より30分弱の遅れで、湯の沢峠避難小屋だ。お~、掃除が行き届いて小奇麗だ(^^♪お世話になるのだから、先ずはしっかり掃除をしよう。一段落し、周囲を散策。小屋付近はSoftBankが圏外で、丹沢が見える東の山腹まで行くと通話可能。ここで自宅に電話し、無事に小屋着を報告する。避難小屋の先にあるトイレは、冬季閉鎖中だ。水場の雰囲気を確認すべく、沢を下る。地図記載の水場は、雪に囲まれ見つけにくい。寒い、小屋に戻ろう。エアマットと枕を膨らませ、簡易シュラフとライナーで寝床の準備。落ち着くと夕食のおでんができあがる。。体が温まるよ、ご馳走さまm(__)m南アルプスに日が沈む。この光景は小屋泊ならではだね。900ml入りの容器は翌朝凍る恐れがあり、口は開けておく。さぁ寝るべ☆彡防寒着のタートルネックセーターも着こむが、まだ寒い。ハンパねーぞ、この寒さ!ダウンのテントシューズを履いているにも拘らず、特に足が冷えるね。吐く息が即、氷の細かい結晶になる。マイナス10度くらいか。最低でも#3のシュラフは必要だな・・。エマージェンシーシートも投入し、一番上に被せると少しはマシな程度に。それでも寒いのだが。遭難レベルの寒さだ。出来るだけ体を丸めて、体温を下げないようにしよう。これ、ビバークだぞ(;^_^ANHKラジオ深夜便をひっそり流しつつ、ウトウト程度。何とか1日目おわり山と高原地図 大菩薩嶺 2025 [ 昭文社 地図 編集部 ]