2004/08/07(土)16:17
ナイロビ空港での思い出
私のプロフで、思い出の場所として紹介しているナイロビ空港。
現地での呼び名をカタカナにすると、ジョモ=ケニヤッタ空港。
あれは5年ほど前のこと。
国立公園でサファリを満喫し、帰途につこうとするときだった。
滞在中ずっとお世話になった、日本語ペラペラの現地ガイドさんに別れを告げ、
私はロータリーで空港の風景を写真に収めていた。
ファインダーをのぞきながら、空港ロビーのほうに目をやると、
なにやらちょっと怪しげな、3人ほどの兄さんの集団。
しかも、こっちを見ているようだ。
その視線に気づいた私は撮影をやめ、ロビーのほうへ歩き出した。
するとどうだろう、彼らも私のほうへ近づいてくる。
そして、ちょっと怖いなと思いつつもさらに歩を進めると、
とうとう彼らは私に声をかけてきた。
「何をしているんだ」
意外な質問に戸惑った私は、素直に写真を撮っていたことを告げた。
すると彼らはこう切り出した。
「ここは写真撮影禁止だ。お前を逮捕する!」
そして、面食らってどうしたらいいかわからない私に
「裁判所へ連行する!」
と追い討ちをかけてきた。
彼らは私服の警察官たちだったのである。
チンピラみたいな格好だったが、ちゃんとIDカードらしきものも下げていた。
ここには書けないある理由から、こんなところで拘束されるわけにはいかなかった私は、
ガイドさんが言っていたこんな言葉を思い出した。
「この国の警官は信用できない。ワイロを要求してくるんだ。」
ケニヤ滞在の初日に聞いたこの言葉で、私はピンと来た。
粘っていれば、金を要求してくるはずだ、と。
すると案の定、一人がこう切り出した。
「ここは紳士的にいこうじゃないか。」
そして、200USドル出せば解放してやると言ってきた。
彼らにとってその金額は、数ヶ月の収入に匹敵する。
しかし、そんな不当な要求に屈してはいけないと思った私は、
100ドルしかないと値切った。
「それじゃ話にならん。やっぱりタイーホだ!」と言われたが、
ないものはない、と抵抗すると、彼らの間でも、どうしたものかとひと悶着。
ひとしきり言い争った後、穏健派の一人が切り出した。
「ならば、150出せば許してやる。」
この段階になって、ようやく少し冷静になった私は、
うまいこと演技するなあ、と思いながら、
日本だったら駐禁とられるのと同じだから、と自分に言い聞かせ、
渋々応じることにした。
彼らの言う「撮影禁止」の話は本当だろうとも思ったので。
いやいや、それにしても本当に冷や汗もんだった~(・・;)