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カテゴリ:演劇、観劇
第三舞台を観たことがなく、鴻上作品ですらもしかすると初めての観劇です。
虚構の劇団、旗揚げ三部作の第一弾の再演がこの作品。 座・高円寺という劇場も初めてでした。 まるで初めて訪れる友人宅のようにドキドキしながら劇場へ向かいました。 舞台の上で「監視カメラ監視中」と書かれた看板を大学構内のカメラの前に設置し、仁王立ちでアピールするサークルのメンバーたち。 ”防犯”なのか”監視”なのか。 ・・・この作品を観るにあたって、最近、意識してそのカメラの存在を確かめてみました。 東京駅の新幹線の、とある小さな改札口には、集中して6個はカメラが取り付けられているのを見て、これは監視だという意識を持ちました。 そして有楽町駅付近では、「監視カメラ警戒中」という劇中の文章のような張り紙を発見。 こちらは監視カメラがこのエリアを警戒、観察してるという意味でしょうけど、追跡される所以のない者にとっては誰かに見られることに憤りを感じるのもわかるような気がします。 しかし逆に人通りの少ない道路では、その存在に見守られているような気になるのですから、見られる側も勝手なものです。 さて、話を虚構の劇団に戻しましょう。 初めて出会う彼らは、瑞々しかった! 放つパワーも爽やかに、私たちの目の前を軽やかに、時には立ち止まりながら駆け抜けていきました。 そんな劇団のカラーに、今回、一石を投じられるように姫岡役(古河耕史)が客演しています。 これから2月に観たい―とこの作品を紹介した時に記しましたが、外と内の心の変化の緊張を、彼は感じさせるのです。 実は読み始めた戯曲を途中で読むのを止めました。 登場人物に見られる展開を、その心情を察した時に感じる緊張を舞台で味わいたいと思ったためです。 階段のように設えられた真っ白な舞台の上では、彼らの心情がカラフルに浮かび上がっています。 そこで起きる表には見えない一人ひとりの想いは、まるで鏡のように私たちの気持ちを映し出していました。 端的でストレートな作品ですが、その中でも全てをさらけ出せない過去の重さを痛いほど心に感じました。 作・演出・鴻上尚史、美術・池田ともゆき、音楽・HIROSHI WATANABE、照明・伊賀康、音響・堀江潤、振付・安達桂子、衣裳・森川雅代 ※公演詳細は、虚構の劇団の公式サイトで。 公式blogもあります。 ☆ 戯曲集「グローブ・ジャングル」 読売文学賞を受賞しました。「監視カメラが忘れたアリア」も収録。 劇場では、鴻上尚史のサイン入り書籍が販売されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.06 12:19:40
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