coastal living

先週仕入れた『クリスマスローズ』は、今週も元気に咲いておる訳で。

『クリスマスローズ』という花は、うつむくように咲くからして元気なのかソウでないのか、よくわからなかったりするわい。

『寒芍薬』ともいうが、ナンとも可憐で、枯れんで･･･元気。多分、元気。寒そうな窓際に置いて、毎日水を替えるとよく持つのぅ。蕾も咲いて来たしのぅ。


雛祭りには、桃の花も仕入れようと思ったのじゃが、知人の庭先より『梅』をいただいたのでソレを『桃』に見立てて過ごしたわい。

お花屋さんの前を通り過ぎるといつも、美大に行った友人を思い出す。10代の頃に相当仲が良かったが、全く別々の世界に進んで行ったからして、疎遠になってしもうた。彼女は絵を勉強していたけれど、いつの間にか『花屋』に勤めておると風の噂には聞いていた。

我輩がサラリーウーマンじゃった当時、赤坂の田町通りで一台のホロ付きの軽トラックを走らせる彼女に、偶然出会った。ホントに偶然じゃった。車を端に寄せて駆け寄って来る彼女は、生き生きとしておった。

ナンでも、フラワーアレンジやらデザインを『生業』としておると言う。あの近辺の大使館やら会社のエントランスに飾る、アレンジメントを施しに行く途中じゃった。

『ナンでこんな所で会ったんじゃろう!?元気でござるかッ!!??』懐かしく手を取る、我輩。
『ナンか、恥ずかしいなぁ～こんな汚い格好でぇ～･･･』何もしなくてもキレイな彼女･･･。
『すぐわかったが、軽トラックに乗るイメージなどないからして、見間違えかと思ったわい。』我輩。
『ナンか、キレイにしてるから別人かと思った!』何もしなくてもキレイな彼女･･･。
『そうかのぅ･･･、馬子にも衣装じゃな。』そりゃそうじゃろ。日焼けして真っ黒い顔に、色褪せたTシャツとジーンズが定番の我輩しか知らぬ。安いパンツスーツでもピシッとして見えるわい。
『ワタシなんか、爪も伸ばせないし、そんなマニキュアも無理。ガサガサの手だし、恥ずかしいよ･･･』何もしなくてもキレイな彼女･･･。
お互い急いでおったからして、電話番号の交換だけして別れた。

その後は赤坂周辺の大使館に行く時も、某企業のエントランスの花のアレンジも、ガラス越しに気にするようになったわい。しばらくは連絡を取っていたけれど、また疎遠に。それでもまた、風の噂に『お母さん』になったとは聞いたわい。花屋の『花』･･･でもあった、彼女。

彼女は何を見たら我輩を思い出すじゃろうかのぉ～!?
じぇ～んじぇん、思い出しもしなかったりかのぉ～!?
まッ、いっか･･･。