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"俺の背後に立つな" くぅ―――!! しびれちゃうセリフですよね。 ハードボイルドの代名詞、ゴルゴ13のお約束のセリフです。 日系東洋人であること以外、全てのプロフィールがなぞに包まれた男。 それが、ゴルゴ13ことデューク東郷。 13は絞首刑の際にのぼる階段の数。 つまり、彼に狙われたらもう絶対に逃げられないという意味での13。 世界最高のスナイパーとして、闇の世界に生きる。 それがデューク東郷です。 うちの実家は以前アパート経営などしておりまして、 俗に言う「大家さん」的な副業を持っておりました。 アパートって言っても、自宅の2階です。 建てるときに、2階は外階段をつけてアパートにしたんですね。 無論、木造です。 そういえば、名前もなんかヤボったいのがついてましたよ。 ○○荘、みたいな。 そんなひどいボロアパートではありましたが、 僕が物心ついてから取り壊しまでの20年間ほど、 常に満室の状態が続いていたんだから驚きです。 5部屋しかなかったけど。 でもね、考えてみてくださいよ。 いまどき、6畳一間で築40年、風呂なんかついてないし、 トイレだって上からぶらさがってるチェーンを引っ張るタイプの和式です。 あげく木造で築40年近いシロモノ。 でも常に満室ってすごいでしょ? その理由はただひとつ。 新宿駅まで徒歩圏。 これだけです。 そう、僕は新宿生まれ新宿育ち。 悪そうなヤツに本気で友達がいるからいやになります。 学校に普通にヤクザの子とかいましたからね。 20歳ぐらいのとき、小学校の同窓会やったんですよ。 ここむ 「あれ?竜ちゃんは?」 友達 「なんか覚醒剤取締法違反とかで懲役だってー」 とか、こんな感じですもん。 若干話しがそれましたが、うちの実家+アパートは新宿にあったと。 そういう話です。 ある日、母親が言うんですね。 「2号室の○○さん、夜逃げしちゃったみたい」 僕の記憶にある限り、過去2回ほどこういうことがありました。 1回目の人は、マジで切羽詰ってたみたいで、 家財道具一式全部置いて逃げちゃいましてね。 僕には戦利品として、大量のレコードが手に入ったんですけれども。 2回目の夜逃げということで、まあ母親も若干落ち着いてます。 家賃は取りっぱぐれてますけど、もうさほど驚かない。 しょうがないわねーとか言いながら、僕に2号室の片付けをさせようとする。 こんなとき、親からバイト代がもらえましたし、 滅多にない「他人の部屋を物色する」という行為を堂々と行えるチャンスです。 こりゃあオイシイ仕事ですよね。 あわよくば桃色な本とかゲットだぜ!ですよ。 さっそく全身をジャージ(戦闘服)に包み、軍手を装着して2階へ上がっていくわたし。 めくるめく他人の部屋物色ツアー。 うまくいけば、また前回みたいに戦利品を得られるやもしれません。 もちろん夜逃げですから、グッチとかロレックスとか落ちてるわけなくて、 大人から見ればくだらん物しか無いんですけどね。 でも、当時の僕からしたら、宝の山だったりするんです。 ちょっと長くなりますので詳細は割愛しますけれども、 まあいろんなものが出るわ出るわ。 結局ダンボール数個に戦利品を詰めてから掃除に取り掛かるわけですけど、 そのときに出会ったのがゴルゴ13のコミックでした。 ・・・やれやれ、やっと話しがつながった。 でもまだ、当初書こうと思ってたことには触れてもいない。 ええと、それで、そのゴルゴ13が、20冊ぐらいセットでおいてありましてね。 これを翌日から読み始めたんですけど、 少年ジャンプしか知らなかった当時の僕にしてみれば、 まず絵がエロすぎてたまらない。 劇画ですからね、さいとうたかを先生は。 金髪で、でけえおっぱいの姉ちゃんが必ず出てきますしね。 たいがい殺されちゃいますけども、 ハードボイルドなんて世界観も知るわけが無く、 とにかく僕にとっては未知との遭遇です。 夢中になって読んだんですが、 その中にやたら記憶に残ってるセリフが出てきたんです。 「ダイヤモンドがとれすぎると海に沈めて価格を維持する」 マジですかと。 確かにダイヤモンドに限らず宝石ってのは 我々にとって原価が見えにくい商品のひとつですよね。 で、ちょっと調べてみたんですが、ダイヤモンドって世界中に流通してる かなりの量を、なんとかいうグループが牛耳ってるんですって。 さらに驚いたのは、もしみんなが本気でダイヤモンドを掘りまくったら、 市場にダイヤモンドがあふれちゃって、 あっという間に1/3ぐらいの価格になっちゃうんですって。 ・・・ほほぅ。 という裏事情があるならば、ゴルゴ13でのセリフも真実味を帯びてきます。 大量に流通させて値崩れするぐらいなら、仕入れたダイヤの原石を 海に投棄してでも利益をとったほうがいいという理屈ですよね。 ニンテンドーDSをわざと少量ずつしか作らなかった任天堂の戦略に似ています。 世の中にはさまざまな商品があふれていますが、 案外そうした商品の裏事情なんてのは知らないもんですよね。 なるほど、経営者ってのは、頭よくないと務まらないわけです。 ここむ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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