2009/03/26(木)21:48
柏木圭一郎「京都大文字送り火 恩讐の殺意」
京都のシンボル、東山如意ヶ岳。
通称・大文字山の「大」の字を汚すように他殺死体が発見された。
被害者は、京都有数の名店「料亭みなみ川」の主人・南川和雄。
第一発見者であるカメラマン・星井裕は
京都府警の刑事をしている元妻・安西美雪とともに事件の謎を追う。
捜査が混迷を極めるなか、またも高名な料理人が死んだ…。
千二百年の歴史を背負いながら生きる京都人が、
命を賭してでも守り通したいものとは何なのか?新世紀、
新世代の旅情ミステリーは古都を舞台に歴史の幕をあける。
超大型新人の鮮烈なる書下ろしデビュー作。
2作目の方から読んじゃいましたが、
とりあえず順序通りに1巻を……。
東京っ子のカメラマン星井は、京都が大好き。
京都の習慣にも詳しいし、特においしいものはとっても得意。
趣味と実益を兼ねて行う雑誌用の撮影では各出版社に重宝される存在です。
そんな彼と、京都はさっぱりという助手のコンビなので、
いたるところで京都の紹介が書かれていて、京都好きさんにお勧めの1冊です^^
星井さんって、すごいんです。
フットワークの軽さは凄まじく、
取材と別に毎食ごとにあっちのお店へこっちのお店へ。
作中のあちこちでお茶の老舗や食べ物屋さんが、
一字違いやなーんか違う名前でさらりと出てくるのがまた面白いです。
お、これってあのお店のことやんか^^と知ってる人はにやにやで、
場所はわかっても行ったことが無いところは行きたいな~とほわわん。
また、昨今の「京都ブーム」についての苦言もちらりとあって、
うんうんそうなんだよ!よく言ってくれた!と思うところもあったり。
(京都人ではない私ですら、うーむと思うところがあるからねぇ……)
純粋に推理ものとして、真犯人やトリックやらを期待して読むものというより、
各地の観光地やエピソードを豊富に紹介しながら進む2時間サスペンスみたいな雰囲気でした。
ちなみに著者の柏木圭一郎さんは京都の方です。
というか、柏井壽さんの別ペンネームなのです。
(歯科医師&エッセイストです。)
2巻
3巻
【柏井壽】
極みの京都
京料理の迷宮
食い道楽ひとり旅
「極み」のひとり旅
「極み」の日本旅館
京都の値段(その2)